09-不動産

非居住者である家主へ国内不動産 家賃を法人が支払う際の留意点

非居住者である家主へ国内不動産
家賃を法人が支払う際の留意点

非居住者である家主へ国内不動産 家賃を法人が支払う際の留意点

非居住者所有の不動産賃料に係る源泉税

社宅物件を探している関与先さんから、「仲介業者から家主が海外居住者の場合に対応可能かどうか聞かれたが、どういう意味か」との質問を受けました。
所得税法では、「非居住者や外国法人(以下「非居住者等」)から日本国内にある不動産を借り受け、日本国内で賃借料を支払う者(ただし自己又はその親族の居住の用に供するために借り受けた個人が支払うものを除く)は、その支払の際 20.42%の税率により計算した額の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければならない」と規定されています。仲介業者の質問はこの対応の可否のことです。
なお、家主が日本人であっても、1 年以上の海外駐在等で、不在期間中に自宅を賃貸している場合も非居住者家主となりますので、注意が必要です。

非居住者の居住国と租税条約がある場合

家主が現在居住している国と日本国との間に租税条約が結ばれている場合には、租税条約の定めるところにより、源泉徴収が免除または軽減されることがあります。
しかしながら、2022 年 1 月現在、我が国が締結している多くの租税条約では、土地等の不動産の賃貸料については、不動産の所在する国においても課税できるとの規定を置いています。よって、非居住者等に対して日本国内の不動産賃借料を国内で支払った場合には、所得税法の規定により20.42%の源泉課税が必要となります。

貸主に源泉徴収免除証明書がある場合

借主に支払時の 20.42%の源泉所得税徴収と納税義務を課しているのは、非居住者等の申告漏れを防ぐ目的があります。
そのため、非居住者等が、きちんと申告しますよという宣言(税務署長への申請)をして、税務署長から源泉徴収の免除証明書の交付を受ければ、源泉徴収の免除となる手続きもあります。交付された免除証明書を賃借人に提示すれば、その証明書が効力を有している間の支払について、源泉徴収の免除が受けられることとなります。
借主である賃借人からすれば、家主が非居住者等である場合には、日本国の税務署長が発行した「源泉所得税の免除証明書」の提示を受けない限り、家賃支払時には20.42%の源泉税を国に納付し、家主へは残りの 79.58%の賃料を支払うこととなります。

居住用不動産の贈与 そのヴァリエーション

居住用不動産の贈与
そのヴァリエーション

居住用不動産の贈与 そのヴァリエーション

婚姻期間が 20 年以上の配偶者に居住用の不動産又はその取得資金を贈与したときは、贈与税について基礎控除 110 万円のほか最高 2000 万円の控除の適用があります。
この特例適用の対象となる贈与には次のようなものが含まれます。

ヴァリエーション類型

①居住用の不動産又はそれを取得するための資金の贈与
②居住用家屋の敷地が借地権のときに地主から底地を購入するための資金の贈与
③居住用家屋の敷地が借地権のときにその家屋と借地権の全部又は一部の贈与
④居住用不動産の一部又は共有持分の贈与
⑤居住用の家屋だけ又は土地だけの贈与
⑥居住用家屋の敷地に配偶者のために借地権を設定した場合の、その居住用家屋の全部と借地権の全部の贈与
⑦居住用家屋の敷地に自己と配偶者のために借地権を設定した場合における、その居住用家屋の一部と借地権の一部を共有持分とする贈与
⑧居住用家屋の敷地に自己と配偶者のために借地権を設定した場合における、その居住用家屋の一部と借地権の一部を共有持分とする贈与及びこの贈与と共にするその底地の全部または一部の贈与
⑨居住用家屋の敷地に自己借地権を設定した場合の、その敷地の底地部分の全部または一部の贈与

ヴァリエーションに伴う留意点

この特例の適用を受けて贈与税がかからない場合であっても登録免許税、不動産取得税などがかかる場合があります。
③⑥⑦のような借地権の取得の場合には、登録免許税・不動産取得税はかかりません。
①④⑧のケースで家屋と土地を一緒に取得することとなるときは、不動産取得税の住宅用土地の軽減特例が適用になります。
⑦⑧の借地権の設定は自分のための共有借地権の設定です。これは借地借家法第 15条で可となっています。
⑨の借地権は同 15 条の借地権設定ではなく、底地権を土地から分離することに伴い生ずるものです。自己居住用等の相続土地の底地の物納が認められるようになったことに伴い、慣習法的に生じつつあるものです。

気をつけたい相続発生時の税務 不動産の遺産分割が未了の場合

気をつけたい相続発生時の税務
不動産の遺産分割が未了の場合

気をつけたい相続発生時の税務 不動産の遺産分割が未了の場合

固都税は「相続人代表者指定届出」を提出

亡くなられた方が有していた不動産の所有権は、遺産分割協議が成立するまでの間は定まりません。法務局の登記簿上は亡くなられた方の氏名のままで、相続の権利がある方全員が所有者という状態(共有)になります。その期間の不動産に対する固定資産税・都市計画税の納税については、市役所に「相続人代表者指定届出」を提出することで、市役所との対応窓口となる相続人の代表者を定めることとなります。遺産分割協議が成立し、相続登記が済めば、新たな所有者の方に納付書が送付されます。

未分割遺産の不動産所得(所得税)

未分割の不動産が賃貸物件の場合には、遺産分割協議が調うまでの間も、賃貸収益が生ずることとなります。この間に生ずる賃貸収益については、その物件が共有状態であることから、共同相続人の法定相続分に応じて申告することになります。なお、遺産分割協議が調い、分割が確定した場合であっても、その効果は未分割期間中の所得の帰属に影響を及ぼすものではありませんので、分割協議で確定した所有状況に基づく更正の請求等を行うことはできません。

消費税の「基準期間における課税売上高」

相続開始年の消費税についても、この法定相続分に応じたテナント収入・駐車場収入が課税売上高となります。なお、遺産分割協議が調った後に、新たな所有者の方が、この共有期間を「基準期間における課税売上高」として納税義務を判定する場合でも、この法定相続分に応じた「基準期間における課税売上高」で判定を行います。

相続税の申告期限までに分割できない場合

この未分割の状態が、相続税の申告期限(亡くなられた日から 10 カ月以内)まで続いている場合でも、税務署は待ってはくれません。この場合、各相続人の財産を法定相続分に応じて取得したものとして計算を行い申告することになりますが、共有状態のままでは、「小規模宅地等の課税価格の特例」の適用を受けることができません。ただし、相続税の申告期限から 3 年以内に分割された場合には、特例の適用を受けることができる措置が設けられていますので、「申告期限後 3 年以内の分割見込書」を申告書に添付して提出することになります。

不動産登記簿とは!

不動産登記簿とは!

不動産登記簿とは!

不動産の仕事に携わっている人以外は、不動産登記簿は不動産を購入するとき、あるいは売却するとき以外、あまりなじみがありません。
ですが、不動産登記簿は、私たちの不動産に関する情報(どこにどんな不動産があり、それが誰のものなのか等)を一般に公開し、誰でも閲覧できようになっています。

(1)不動産登記の役割

不動産登記は、不動産の「物理的状況」に関する情報(その不動産の所在地、現況、面積、種類、構造など)と「権利関係」に関する情報(その不動産の所有者は誰で、いつ、どんな原因で所有権を取得したのか、また、誰がその権利の一部につき留保しているかなど)を登記簿に公示して「不動産取引の安全」と「円滑化」を図るために設けられた制度です。
不動産登記簿には、土地の登記簿と建物登記簿の2種類あり、土地については一筆(1区画)ごとに、建物については1個ごとに一用紙を備えることになっています。

(2)登記簿は3部構成

一つの物件に対する登記簿は、「表題部」、「権利部」に分かれ、さらに、「権利部」は「甲区」と「乙区」に分かれています。つまり、表題部、権利部「甲区」、権利部「乙区」の3部で構成されています。
表題部では、前述した不動産の「物理的状況」を開示しています。すなわち、土地であれば、「所在地」、「地目(土地の現況)」、「地積(土地の面積)」など、一方、建物であればその建物の「種類」、「構造」、「床面積」などです。
また、権利部「甲区」と権利部「乙区」では、前述した「権利に関する事項」を開示しています。このうち「甲区」には所有権に関する事項、例えば、住宅を購入したときの「所有権移転登記」、家を建てた時の「所有権保存登記」が記載されます。一方、「乙区」には所有権以外の権利に関する事項、例えば、金融機関による「抵当権設定登記」、土地利用者による「地役権設定登記」などが記載されます。

(3)登記の優先劣後

同じ区の権利間(甲区間同士の権利、乙区間同士の権利)の優先劣後は、原則として順位番号の早い方が優先します。
また、異なる区(甲区と乙区)における権利の優先劣後は、受付番号の早い方が優先します。