月: 2022年5月

消費税の中間申告~新年度に 確認すべきことと失念対策~

消費税の中間申告~新年度に
確認すべきことと失念対策~

消費税の中間申告~新年度に 確認すべきことと失念対策~

消費税の中間申告と納税

事業者は、前課税期間(個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度)の消費税の年税額(地方消費税額は含みません)が一定額を超える場合、消費税の中間申告と納税をしなければなりません。中間申告の回数は、直税課税期間の年税額に応じ、48 万円超は年 1 回、400 万円超は年 3 回、4,800万円超は年 11 回です。
前課税期間の確定申告が終わった時点で、新年度の中間申告の回数と申告納付の時期が確定します。前課税期間の消費税が増え、中間申告すべき回数が増える場合には、申告納付を失念しないよう留意が必要です。
法人税の中間申告は前期の税額にかかわらず年 1 回です。中間申告は 6 か月経過後から 2 か月以内という固定観念をお持ちの場合、特に注意が必要です。

前期間基準の場合申告なしでも納税額確定

中間申告の方法は、前期間基準による申告と仮決算に基づく 2 つの方法があります。
中間申告期限までに申告書の提出がなかった場合には、前課税期間基準による申告書の提出があったものとみなされる特例が設けられています。そのため、申告書の提出を失念した場合、前課税期間基準による納税額が確定しています。納付が遅れると、期限後納付として延滞金等が発生します。

電子申告なら「お知らせ」メッセージ有

国税庁では、e-Tax で法人税申告書を提出した法人に対し、行政経費の削減に努めるため、法人税の予定申告書用紙を送付しないこととしています。消費税は、当面、中間申告書用紙が送付されることとなっています。が、法人の電子申告利用率が法人税および消費税とも令和 2 年度で 85%(令和 3 年10 月発表)を超えたことを鑑みると、そのうち廃止されるものと思われます。
中間申告が必要であるという概念が抜け落ちているときに届いた税務署からの郵送物は、開封されぬまま放置されたりゴミ箱行きとなってしまっていたりのケースもありました。前年分の申告を電子申告で行っていれば、中間申告対象期間の翌月の初日には、「消費税中間申告書提出についてのお知らせ」が e-Tax のメッセージボックスに格納されます。そして、e-Tax の利用者登録情報に、会社担当者のメールアドレスと会計事務所のメールアドレスを登録しておくと、e-Tax メッセージが格納されたことが通知されます。会社と会計事務所のダブル体制でうっかり失念の回避対策が図れます。

領収書と印紙税

領収書と印紙税

領収書と印紙税

領収書と領収証

「領収書」と「領収証」はどちらも「民法上の受取証書=現金・商品を受け取った事実を証明する書類」という同じ意味合いを持つ言葉ですが、一般的な市販品では「領収証」という記載が多くなっています。ただ印紙税法では、「領収書」を領収証・レシート・受領書等の総称として使っている感があります。本文でも以下総称として「領収書」といたします。

領収書と印紙税

領収書は、印紙税法の印紙税額一覧表の第 17 号文書「金銭または有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。
したがって、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに
「代済」、「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭または有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭または有価証券の受取書に該当します。この 17 号文書に該当した場合は、記載された金額により印紙税がかかります。10 億円を超える金額では 20万円の印紙税がかかります。

売上代金以外の領収書

売上代金として受領した「領収書」は前述の通り、その記載された金額により印紙税がかかりますが、売上代金以外の「領収書」は 5 万円未満のものは非課税で 5 万円以上のものは 200 円の印紙税という区分だけです。売上代金以外での金銭等の「領収書」としては、借入金の受領書や担保として差し入れた保証金の受領書等があります。

営業目的以外の領収書

営業とは営利を目的として行われる行為ですから、営利を目的としない公益法人や自治体や商売をしていない個人などが金銭等の受領の証として「領収書」を発行しても印紙税はかかりません。

5 月は自転車月間 見直したい企業の自転車管理

5 月は自転車月間
見直したい企業の自転車管理

5 月は自転車月間 見直したい企業の自転車管理

増えている自転車利用

新型コロナウイルスの影響により「運動不足解消のため」「満員電車の密を避けるため」「在宅時間が増え、近所に出かけることが多くなった」などを理由に自転車利用が増えています。政府の方針も積極的に自転車利用を推進しています。自転車の通勤や業務での利用を認めるようになったという企業も多いのではないでしょうか?
一方で自転車事故によって他人の生命や身体を害した場合に加害者が高額の損害賠償を命じられる判決も相次いでいます。業務中・通勤途上の自転車事故については使用の実態や事故発生時の状況により会社責任が問われることもあり注意が必要です。

保険加入の確認が重要

特に注意点は自転車保険等の加入です。
被害者救済のため「自転車損害賠償責任保険等への加入促進に関する標準条例」で条例による自転車保険等への加入を義務とする地方公共団体は 22 都府県、努力義務とする、が 10 道県で制定されています。例えば東京都では自転車利用者に対し対人賠償事故保険への加入が義務化され、併せて自転車を業務で使用する業者も同様の義務が課されました。
また、自転車通勤従業員のいる事業者にも通勤者が保険加入することを確認する努力義務もあります。

危機回避のために保険証券等の確認を

自転車の業務利用を許可制としている会社は多いと思われますが、会社が従業員に自転車通勤を認めた場合のリスクについて把握しておく必要があります。それは「従業員が交通事故を起こした場合、会社から被害者に対して民法 715 条 1 項にある「使用者責任」に基づく損害賠償責任が生じる可能性があるということです。許可に際して対人賠償保険に加入していることを確認することはリスク管理上必須と言えます。
許可基準として「通勤・業務に使用する自転車に関する事故につき損害賠償責任の保険金額が無制限の保険を契約していること」などが許可基準に設定されているか確認しておきましょう。

企業が SDGs に取り組む理由

企業が SDGs に取り組む理由

企業が SDGs に取り組む理由

最近よく聞く SDGs とは

SDGs は「持続可能な開発目標」のことです。「誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」のため、2015年 9 月の国連サミットで採択された、2030年を年限とする 17 の国際目標があり、その下に 169 のターゲット、231 の指標が決められています。
日本国内では国が主導して SDGs 推進本部を構成し、政府施策のうちの重点項目を整理した「SDGs アクションプラン」を策定。
SDGs 達成に資する優れた取組を行う企業や団体を「ジャパン SDGs アワード」を通じて表彰しています。

企業はなぜ SDGs を推進するのか

最近、SDGs に取り組んでいることを掲げている企業が増えています。単純に「SDGsに取り組んでいます」という宣誓は社会責任を果たしている組織ということですから、イメージアップしやすいというのはありますが、他にもメリットはあります。
近年、地球温暖化や食料不足等の社会課題に対する危機意識が高まっています。その社会課題を地球規模の「需要」と捉えると、その部分にビジネスチャンスがあると考えることもできるわけです。SDGs に取り組むことによって製品やサービスに付加価値が生まれることもあります。例えば自然環境に配慮した製品であれば、見た目や機能が同じものでも、消費者が購入を決める際の判断材料の一つになるということです。

資金調達面でも SDGs が有効?

金融業界が企業に投資する際に、財務情報を見るのはもちろんですが、国連は金融業界に対して「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(管理体制)」の略称である ESG を反映するよう提言しています。
SDGs は ESG を考える上で重要な指標となっているため、資金調達でも有利になることがあるのです。

中小企業の SDGs の相談先

中小企業の SDGs への取り組みについては人員や資本の問題もあり、「考えたこともない」という会社も多いと思います。ただ、今後は社会課題に対しての企業の姿勢に目を向けられる機会は増えてゆくはずです。
自社で SDGs の何を目標にして、どう活動してゆくのかは、各都道府県にある中小企業支援センター等のよろず支援拠点で相談が可能ですので、この機会に検討をしてみてはいかがでしょうか。

不良在庫 寄附するか安く売るか

不良在庫
寄附するか安く売るか

不良在庫 寄附するか安く売るか

不良在庫はどうする

不良在庫とは、仕入れたり製造したりしたが売れずに在庫として長年にわたり滞留している商品や製品です。
通常は廃棄処分して除却損として経費に落とします。
しかし、不良在庫とは言え賞味期限切れや、品質は若干落ちるものの捨てるにはもったいないものあります。「もったいない」ということで寄附をした場合はどうなるでしょうか?

寄附をした場合は寄附金です

金銭でなくとも寄附をした場合は寄附金になります。100 万円分の在庫を寄付した場合、経理処理では以下となります。
(寄附金)100 万円/(商品)100 万円
この寄附金には税務上寄附金限度額というのがあり、限度額を超えた寄付金は税務上損金としては認められません。
限度額の計算は、以下となります。
{所得金額×2.5%+期末の資本金等の額×(当期の月数/12)×0.25%}÷4
所得金額・期末の資本金等の額というのは、税務申告書上の金額ですが、目安として概算を計算するには所得金額は当期の税引前利益の金額、資本金等の額は資本金と資本剰余金の合計額で良いかと思います。

資本金 1,000 万円、税引前利益 1,000 万円の場合で計算すると限度額は以下となります。
(1,000 万×2.5%+1,000 万×0.25%)÷4=68,750 円となり、ほとんどが損金とはなりません。

寄附とは無償の行為

無償であげてしまうと寄附になりますが、1 円でも価格を付けて売れば売却損は全額が損金として認められます。
(現金預金)1 円 (商品)100 万円
(売却損)99 万 9999 円
注)実務上の経理処理は違いますのでご留意ください。
注)同族間や節税目的だと寄附金と認定される場合もありますので、税理士の先生とよくご相談ください。

営業権(のれん)の価値

営業権(のれん)の価値

営業権(のれん)の価値

昨今、後継者不在に悩む会社が社会問題化する中、M&A は、会社を未来につなぐ原動力となります。営業権(のれん)の実体は、おぼろで測定や評価には馴染みにくいものですが、取得した事業を開始したその日から収益を生み、事業の価値が顕在化します。

営業権(のれん)の3つの概念

営業権(のれん)は、3つの概念で説明されています。
(1)超過収益力説
ある企業が同種の事業を営む他の企業の平均利益より大きな収益を稼得できる場合、その超過収益力の原因となるもの。
(2)差額概念説
企業買収決定金額から時価純資産価額を差し引くことにより求められる差額。
(3)営業機会取得説
繊維工業における織機の登録権利、許可漁業の出漁権、タクシー業のナンバー権など法令の規定、行政官庁の指導等による規制に基づく登録、認可、許可、割当て等の権利取得のために支出する費用。

税法の資産調整勘定は、差額概念説

法人税法では、事業やその主要な資産、負債が一体として移転する場合に、非適格合併等により交付した対価の額と、移転を受けた資産、負債の時価純資産価額との差額を、資産調整勘定又は負債調整勘定として表示します。これは上記の差額概念説に基づくものと言えます。

売買交渉時の評価は見積価格

相手先から買収する価格は、資産、負債を時価評価するほか、買収後、一定期間の営業利益や将来収益の現在価値(DCF 法)などで算定されることがあります。買収側は将来の期待収益にリスクを加味して交渉に臨み、少しでも高く売りたい売却側との交渉で決まった買収価格は、将来収益の見積りであることに変わりはなく、買収後の実際の収益とは異なるものとなります。

買収した事業の本当の価値は?

一方、買収した事業は、稼働したその日から収益を生み始めます。承継した販売先や仕入先との契約関係、移籍した社員のスキルや経験、長年かけて築きあげた取引先との信頼関係、業務処理フロー、情報共有ツールなどの一つ一つが収益の源泉となります。実際のところ買収した事業の価値は、収益を伸ばそうとする社員の動機付けや、既存事業とのシナジー効果を発揮させる経営者の手腕によって大きく影響を受け、本当の価値はそこで決まると言えそうです。

沖縄復帰 50 年 泡盛の酒税軽減は段階的廃止

沖縄復帰 50 年
泡盛の酒税軽減は段階的廃止

沖縄復帰 50 年 泡盛の酒税軽減は段階的廃止

沖縄の酒税軽減措置が段階的に廃止される

令和 4 年度税制改正において、沖縄県産酒類に係る県内への酒税の軽減措置の段階的廃止が行われることとなりました。令和5 年 10 月 1 日からビール等は 20%から 15%へと軽減率を変更、令和 8 年 10 月 1 日にビール等の軽減措置は廃止されます。また、泡盛については事業規模に応じて段階的に軽減が行われ、令和 14 年 5 月 15 日に軽減が廃止されます。

沖縄復帰から続いてきた軽減措置

沖縄に対する酒税の軽減措置は、昭和 47(1972)年から始まった制度で、米軍統治下の税率が低かった上、産業基盤の弱さや消費者の所得を考慮し、徐々に本土の経済水準に合わせていこうという狙いでした。開始当時の酒税の軽減率は 60%だったそうで、5 年間の時限措置として導入していたものが、今まで連綿と改正を経て継続してきました。
なお、ガソリン税の軽減や各業態への支援や税制の優遇がある沖縄振興特別措置法については、令和 4 年度の改正で一部内容は変更されますが、継続して施行される予定です。

復帰 50 年を経て自立型経済発展を

酒税軽減措置の段階的廃止については、復帰 50 年を迎えた沖縄の酒類製造業界から提言がなされたとされています。
日本において沖縄は歴史的・地理的・社会的事情で特殊な立場にあります。本土と様々な違いがあり、独自の政策が必要不可欠です。ただ、今回の軽減廃止の経緯を見るに、平成 14(2002)年から沖縄振興特別措置法に挙げた「沖縄の自立型経済の構築」については一定の成果が出ているのではないでしょうか。

「損益分岐分析」は簡単

「損益分岐分析」は簡単

「損益分岐分析」は簡単

損益分岐分析とは

日商簿記検定の工業簿記・原価計算の出題範囲にも含まれていますが、比較的簡単な財務分析の手法に、損益分岐点を計算して営業計画や予算の策定に生かす「損益分岐分析」という手法があります。損益分岐点とは利益がゼロになる時の売上高を指し、この時の売上高を損益分岐点売上高といいます。この売上高を基準にするとより実情に即した営業計画や予算を策定することができます。

ポイントは変動費・固定費の分解

この手法では、まず一定期間の損益計算書の費用項目を売上高に対して比例的に変動するか、定額であるかによって変動費と固定費に区分します。例えば商品仕入は変動費ですが、地代家賃や人件費や減価償却費は固定費です。区分した変動費と固定費を合計し、売上高から変動費を差し引いた利益(限界利益=粗利益といいます)でその期間の固定費を賄うには売上高はどれだけ必要かを計算します。粗利益で固定費をトントンで賄うことができる時すなわち粗利益=固定費の時の売上高を損益分岐点売上高と言います。

計算してみましょう

売上×粗利益率(粗利益)=固定費となります。この算式で売上を求めると、
売上=固定費÷粗利益率となります。これが損益分岐点売上です。

更に損益分岐点売上を超えた売上の粗利益を計算すると以下となります

(売上-損益分岐点売上)×粗利益率=(売上-固定費÷粗利益率)×粗利益率=
売上×粗利益率-固定費=粗利益-固定費=利益

損益分岐点売上が分れば、超えた売上の粗利益が利益であるとすぐに見当が付きます。また逆も同じで、損益分岐点に足りない売上の粗利益が赤字です。

遺品に刀剣があったとき

遺品に刀剣があったとき

遺品に刀剣があったとき

父親が亡くなり、遺品の中に生前、大切にしていた刀剣が残されていた時、相続税の申告に向け、財産評価が気になります。

相続評価はどうなる

相続税法の財産評価は、時価主義を基本原則としており、書画骨とう等については、「売買実例価額」、「精通者意見価格」等を参酌して評価額を求めると規定しています。
高価な美術品の場合は、美術年鑑などを参考にしてある程度は想像がつくかもしれません。古美術商など専門家に鑑定評価を依頼すれば、意見価格を知ることもできるでしょう。しかし、生前、銘品であることがはっきりしている場合を除き、ほとんどの場合、美術品としての価値があるのか調べる必要に悩むのではないでしょうか。

刀剣は銃刀法の規制を受ける

遺品に刀がある場合、財産評価の前に対処すべきことがあります。刀剣類について登録のないものは所持できないことが、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)に規定されています。刀を合法的に所持するためには、美術品として都道府県教育委員会の登録を受ける必要があり、登録のないまま家の外に持ち出すことはできません。
遺品の中から刀剣類が出てきたら、まずは、登録証の所在を確認し、登録証が見つかれば相続人に名義変更し、登録の有無がはっきりしないときは、最寄りの警察署に届け出て、都道府県教育委員会で美術品として新たに登録するか、警察に廃棄のため、引き渡すかを判断しなければなりません。

鑑定を刀剣商に相談する

S さんは、亡き父が遺した刀剣3本(登録証あり)を警察に届け出て、錆のあった2本は廃棄のため引き渡し、装丁の綺麗な脇差1本を手許に残しました。登録証は S さんに名義変更したうえで、鑑定のため、自宅近くの刀剣専門店を訪ねました。
S さんの先祖は茨城県の出身。水戸藩の藩士で、脇差は江戸時代後期の作品でした。
保存状態が良くなく、美術品としての評価はほとんどありませんでしたが、店主は Sさんのご先祖が代々、刀を大切にしてきたことを褒め、刀剣は家族の健康・職業・財産を守るため、これからも家宝としてつなぐべきことを教えてくれました。帰り道、S さんは、自分もこの脇差を子供たちに伝えていこうと決意しました。

業務改善助成金の活用で 効率化促進

業務改善助成金の活用で
効率化促進

業務改善助成金の活用で 効率化促進

業務改善助成金とは

事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げをすることを図る中小企業・小規模事業者を支援する制度です。会社内で最も低い賃金を引き上げ、労働時間の短縮になるような機械設備やシステムなどを導入した場合にその費用の 75%(生産性要件対象となる場合は 80%)を支給します。

対象となる中小企業

ア、従業員数が 100 名以下である
イ、正社員・アルバイト、パートタイマー等を雇用している
ウ、導入する機械設備などの見積書を 2 社の業者から取り寄せ、低い方の業者を選定した

制度の概要

①事業場内の最低賃金を 30 円以上引上げ
②生産性向上のための設備投資
助成率はかかった費用の 75%から 80%です。助成額は引き上げる賃金及び引き上げる労働者数に応じて 30 万円から 600 万円。例えば 7 人以上の従業員の時給を 30 円上げ、かつ生産性向上のために機械設備を購入した場合、助成額は最高 100 万円です。
最低賃金は毎年 30 円程度アップするのでそれに合わせて引き上げるとこの制度が続いていれば次年度も対象になります。

過去に助成の対象となった事例

設備投資例
・機械設備…自動釣銭機、券売機、洗浄機、原料充填機、ベルトコンベア、包装機械等
・システム…POSレジシステム、受発注機能付ホームページ・WEB会議システム・顧客管理システム・生産性管理システム等
・その他…業務マニュアル作成、改修等による店舗レイアウト変更、フォークリフトの導入・運搬用冷凍車購入など

具体的な例でみると、飲食業であればデリバリー導入のため受注から提供までの時間が増加するため、効率化をはかった。その結果デリバリー用バイクの導入、オンライン受注システム導入、レイアウト変更等を行った。介護職で非接触自動検温器の導入や、製造業での営業担当者のWEB会議システムの導入などの例もあります。