月: 2022年1月

不動産賃貸経営者は要注意! 居住用賃貸建物の仕入税額控除

不動産賃貸経営者は要注意!
居住用賃貸建物の仕入税額控除

不動産賃貸経営者は要注意! 居住用賃貸建物の仕入税額控除

令和2年 10 月より取扱いが変わりました

マンションやアパートを賃貸する目的で建物を建築した際には、その建物の建築費・購入費に消費税が課されます。一般に建築費や購入額は高額となりますので、その消費税額も大きな金額になります。
この建物を居住用として賃貸するときは、建物の取得に係る消費税は非課税の売上げ(住宅の貸付け)に対応するものであるため、賃貸する側の仕入税額控除は、採用する計算方法により、取扱いが異なりました。

②を用いるため、金の売買により課税売上割合を意図的に引上げる事例もあったことから、居住用賃貸建物に係る消費税は、すべて控除できないこととなりました。

税抜き 1,000 万円以上の建物等が制限対象

制限対象となる「居住用賃貸建物」を大まかに言うと、次のようなものになります。

例えば、ホテル・旅館や販売までの間、居住用賃貸を行わないことが確実な販売用不動産のような、客観的に「課税売上げのみに対応するもの」は、仕入税額控除の制限対象となりません。それ以外のものが、制限対象の「居住用賃貸建物」となります。
ただし、居住用賃貸建物に商業用賃貸部分(課税売上げ部分)と居住用賃貸部分(非課税売上げ部分)がある場合に、これを合理的に区分しているときは、商業用賃貸部分の仕入税額控除は制限されません。

事務所賃貸に変えた場合・譲渡した場合

この新しいルールにより仕入税額控除の制限を受けた建物について、調整期間(大まかに言うと3年間)中に、次のような状況に変わった場合には、仕入れに係る消費税額の調整が行われます。

この場合、取得時に仕入税額控除が適用できなかった消費税額のうち、課税売上げ(①又は②)に対応する部分として一定の算式により計算した金額を、仕入税額控除の消費税額に加算します。

住宅ローン控除の借入限度は4区分に ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?

住宅ローン控除の借入限度は4区分に
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?

住宅ローン控除の借入限度は4区分に ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?

新住宅ローン控除は借入限度額を4区分

令和4年度以後の住宅ローン控除は、控除率、控除期間が見直され、環境性能に応じて、借入限度額が4つに区分されます。

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)とは


「ゼロ・エネルギー・ハウス」は、よく「ZEH(ゼッチ)」と略されます。一般的には、①~③により、家庭での年間エネルギー消費量を正味でゼロとする住宅をいいます。

住宅ローン控除では、日本住宅性能表示基準における「断熱等級5」かつ「一次エネ等級6」の性能を有する住宅が該当します。
必ずしも太陽光パネルを設置する必要はありません(環境省の「Q&A」より)

「ZEH」と「長期優良住宅」の違いは?

皆さんが気になるのは「ZEH」と「長期優良住宅」の違いでしょう。「長期優良住宅」は、「耐震性」「省エネ性」「メンテナンス性」などトータルで性能が高く、長く住むことができる住宅です。そのため、「省エネ」に特化したZEHに比べれば、求められる耐熱性能(UA値)は落ちることになります。

  一方で、「耐震性」のハードルが高いため、かなり建築費用がかさみます。ZEHにも平成 30 年から補助金が出ていますので、ZEHの住宅が増加傾向にあります。

令和4年度もZEH補助金が出る予定

令和4年度もZEHに補助金が出る予定です。令和4年度の予算成立後に正式にアナウンスされるものと思われます。

自分は課税事業者? 免税事業者?

自分は課税事業者? 免税事業者?

自分は課税事業者? 免税事業者?

消費税は資産の譲渡、資産の貸付、サービスの提供(非課税のものを除く。「課税資産の譲渡等」という)に課税されます。国内で課税資産の譲渡等を行う事業者は、消費税の納税義務者となりますが、一方で納税義務が免除される事業者もあります。自分が課税事業者なのか、免税事業者なのか改めて確認してみましょう。

事業者には、納税義務がある

事業者が国内で課税資産の譲渡等を行う場合、個人、法人を問わず消費税の納税義務者となります。
しかし、消費税を計算して申告納付する事務は煩雑であり、税務署にとっても負担がかかるので一定の配慮がされています。

免税事業者になる要件

次の要件に該当する事業者は、消費税の納税義務が免除されます。
・前々年、前々事業年度(基準期間)の課税売上高が 1000 万円以下
・前年 1 月~6 月、前事業年度開始日から6 か月間(特定期間)の課税売上高(又は給与等支払額)が 1000 万円以下
・個人事業者の開業年度とその翌年
・資本金 1000 万円未満である新設法人の設立1期目、2期目の事業年度 など

課税事業者になる要件

反対に、免税事業者以外の事業者は、次の場合に課税事業者となります。
・基準期間の課税売上高が 1000 万円超
・特定期間の課税売上高(又は給与等支払額)が 1000 万円超
・資本金 1000 万円以上である新設法人の設立1期目、2期目の事業年度 など

課税事業者になると有利な場合も

免税事業者に該当する事業者も税務署に申請して課税事業者となることを選択でき、税負担が有利になる場合があります。例えば設備投資を行った年度に、仕入にかかる消費税額を売上に係る消費税額から控除しきれない場合、課税事業者であれば差額の還付を受けることができます。

適格請求書の交付には登録番号が必要

令和 5 年 10 月より課税事業者が仕入税額控除を行うには、仕入先から適格請求書の交付を受けることが必要になります。
反対に顧客に課税資産の譲渡等を行う際、適格請求書を交付しないと顧客の側も仕入税額控除ができません。交付には自ら課税事業者となったうえで、適格請求書発行事業者としての登録番号が必要になります。

求人広告運営ルール整備の方向

求人広告運営ルール整備の方向

求人広告運営ルール整備の方向

求人サイト経由採用がハロワ採用より多い

求人情報協会の集計結果によると 2021年 10 月の求人広告の職種分類別件数が全体で 922,904 件あったそうです。前年同月比では 20.2%の増加です。雇用形態別でも正社員が同+41.1%、アルバイト、パートが+11.8%、契約社員他が+19.1%と求人は回復傾向です。
同協会が厚労省に提出した資料では、求人媒体はハローワーク経由の採用決定は12.0%ですが、求人メディア(折込み求人紙、フリーペーパー、求人情報 WEB サイト等)経由の採用決定が 37.6%と雇用仲介事業者が労働市場で存在感を増しています。
ハローワークも最近は使いやすく幅広く対応できるサイト作りになってきていますし、求人情報 WEB サイトは求人年齢や職種で掲載したいサイトも違ってくるという面があります。
求人 WEB サイトの種類の多さ、便利さを見るとやはり利用者は増えていくでしょう。

今後のルールの整備も検討

しかし、求人メディアの利用を巡るトラブルも増えています。求人で示された条件と異なる雇用条件明示があって契約締結前にトラブルになるケース、個人情報の取扱いをめぐるトラブル、ハローワークに求人を出した企業が別の無料広告を持ち掛けられ、無料期間掲載終了後に有料契約に自動更新され高額請求となったトラブル等、事業者との間で苦情が発生していることを受けて、安心して利用できる仕組みが望まれています。
ほとんどの事業者は良心的だと思いますが、中には不適切な事業者もいるということでしょう。
厚労省の労働審議会は、12 月に厚生労働大臣に対する求人広告のルール整備の建議(意見を上申する)を行いました。厚生労働省ではこれを踏まえて職業安定法の改正案を作成するとしており、通常国会に法案が提出される予定です。

非居住者である家主へ国内不動産 家賃を法人が支払う際の留意点

非居住者である家主へ国内不動産
家賃を法人が支払う際の留意点

非居住者である家主へ国内不動産 家賃を法人が支払う際の留意点

非居住者所有の不動産賃料に係る源泉税

社宅物件を探している関与先さんから、「仲介業者から家主が海外居住者の場合に対応可能かどうか聞かれたが、どういう意味か」との質問を受けました。
所得税法では、「非居住者や外国法人(以下「非居住者等」)から日本国内にある不動産を借り受け、日本国内で賃借料を支払う者(ただし自己又はその親族の居住の用に供するために借り受けた個人が支払うものを除く)は、その支払の際 20.42%の税率により計算した額の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければならない」と規定されています。仲介業者の質問はこの対応の可否のことです。
なお、家主が日本人であっても、1 年以上の海外駐在等で、不在期間中に自宅を賃貸している場合も非居住者家主となりますので、注意が必要です。

非居住者の居住国と租税条約がある場合

家主が現在居住している国と日本国との間に租税条約が結ばれている場合には、租税条約の定めるところにより、源泉徴収が免除または軽減されることがあります。
しかしながら、2022 年 1 月現在、我が国が締結している多くの租税条約では、土地等の不動産の賃貸料については、不動産の所在する国においても課税できるとの規定を置いています。よって、非居住者等に対して日本国内の不動産賃借料を国内で支払った場合には、所得税法の規定により20.42%の源泉課税が必要となります。

貸主に源泉徴収免除証明書がある場合

借主に支払時の 20.42%の源泉所得税徴収と納税義務を課しているのは、非居住者等の申告漏れを防ぐ目的があります。
そのため、非居住者等が、きちんと申告しますよという宣言(税務署長への申請)をして、税務署長から源泉徴収の免除証明書の交付を受ければ、源泉徴収の免除となる手続きもあります。交付された免除証明書を賃借人に提示すれば、その証明書が効力を有している間の支払について、源泉徴収の免除が受けられることとなります。
借主である賃借人からすれば、家主が非居住者等である場合には、日本国の税務署長が発行した「源泉所得税の免除証明書」の提示を受けない限り、家賃支払時には20.42%の源泉税を国に納付し、家主へは残りの 79.58%の賃料を支払うこととなります。

辞めたいけれど言えない… “退職代行”サービスが人気の理由

辞めたいけれど言えない…
“退職代行”サービスが人気の理由

辞めたいけれど言えない… “退職代行”サービスが人気の理由

新入社員が、すぐ辞めてしまった!?

今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業が新年度の採用や研修などのスケジュールの大幅な変更を余儀なくされました。
今年度入社の新入社員も、例年行われている入社式や歓迎会など会社のイベントが中止になったり、入社当初から在宅勤務となったり、異例の事態に戸惑った人も多かったのではないでしょうか。
そんな中、今年入社の新入社員がもう辞めてしまったという企業もあるでしょう。
もっとも、大卒新入社員の 3 年以内の離職率は 30%前後の状況がここ 20 年以上も続いており、今年に限った傾向ではありません。しかし、ここ最近になって新卒を含む 20~30 代の若者をメインに、退職の際に直接退職の意思を伝えることが難しい労働者に代わり、退職の意思伝達や処理、交渉(交渉は弁護士がいる場合のみ可能)を行ってくれる退職代行サービスの利用者が増えているというのです。

なぜ退職代行を使うのか

そもそも、期間の定めのない労働者はいつでも退職できることとなっており(民法627 条)、会社を辞めるのに会社の許可は必要ありません。なのにどうして、代行会社を利用するのでしょうか。その理由として多いのは、次のようなものです。
① 退職の意思を伝えたが、人手不足を理由に受け入れてもらえない。
② パワハラがあり、相手の態度が怖くて退職を言い出せない。
③ 引留め交渉をされたくない
ここから、従業員本人の退職の意思が固まっているのに企業側がそれを受け入れない状況が読み取れます。退職したくても言えない、言っても聞き入れてもらえないという思いが利用者側にあるようです。

企業側が備えるべきこと

原則として退職は労働者の自由であり、企業は本人の意思を受け入れて速やかに必要な手続きを行うべきです。
代行サービスにより、ある日突然社員が出社しなくなると、退職理由を聞くこともできない場合が多く、業務の引継ぎも難しくなります。
問題がこじれるのを防ぐためにも、一度は縁あって入社した労働者を、気持ちよく送り出せるような職場環境を整備することが求められます。

取引先の破産と与信管理 -損失を抑える備え-

取引先の破産と与信管理
-損失を抑える備え-

取引先の破産と与信管理 -損失を抑える備え-

流通業の S 社は、取引先の弁護士から債務整理と債権の届出を求める通知を受けました(取引先の破産と管財人選任は後日、判明)。この取引先からは取引数量の拡大を持ち掛けられていましたが、自社の売上が減少傾向にあり今後の収益拡大を期待して相手の要求を受け入れた中でのことでした。

まずは事実確認と取引停止

S 社は、損失の拡大を少しでも防ぐため、現時点の債権額と納品未了の取引を確認しました。取引先に事実関係を照会し、併せて契約書の取引条項に抵触しないかを確認して新規の出荷を止めました。契約書に「無催告解除」「期限の利益喪失」条項があったので契約解除も直ちに可能でした。保証金や預り金は手許に留保し、債権との相殺の検討のため、自社の顧問弁護士に債権保全・債権回収など法的手続きを相談しました。

税務上は、いつ損金?

裁判所に破産手続開始の申立てがあった時、個別貸倒引当金の計上により、債権金額の 50%について先に損金処理できます。
財産の換価処分、債権者への配当が終了し、破産終結決定がなされたとき、個別貸倒引当金は一度戻し入れ、回収不能となった債権額(破産終結までに配当を受けた金額、保証金・預り金、保険金等で填補された金額と相殺後の金額)について貸倒損失を計上し、損金処理できます。
なお、破産手続きが終了したかについては、破産管財人に照会すると良いでしょう。

貸倒れの備えは与信管理から

貸倒れリスクを抑えるには、新規に取引開始の際、与信枠を設定して定期的に見直す、取引信用保険の付保や保証金を預かるなどにより、リスクの範囲を限定できます。
営業担当者は、日頃から相手先の事業場に足を運び、会社の状況を感じ取る、社長は、取引先の経営者とコミュニケーションをとるなど、損失を抑える措置となります。

災害時の売掛金免除は新型コロナにも適用

災害により被害を受けた取引先の復旧のため売掛金の免除等を寄附金としない措置は従前からありますが、今般、新型コロナウイルス感染症も災害に含まれることになりました。将来性ある取引先の場合、事業連携を見据えた備えとなるかもしれません。

 

 

コロナ禍で行ってきた働き方の見直し

コロナ禍で行ってきた働き方の見直し

コロナ禍で行ってきた働き方の見直し

企業に働いている方 1100 人に調査

公益財団法人日本生産性本部が 2021 年10 月に行った働く人の意識調査(2020 年 5月から 4 半期ごとに調査)によると、コロナ禍の長期化で働き方や業務内容、運営形態などが見直され、その影響は社会・経済の仕組みの変化にも及んでいます。
今回の調査は緊急事態宣言解除後に行われたものです。景気見通しについては 7 月の調査では「悪い」としていた人は 70%を切り、68.6%と下がりました。また、良好とはいえないものの、楽観的な見方が 21.8%とコロナ禍以降最多であり、前回 7 月調査に引き続き明るい兆しとなっています。

テレワークの実施率と今後

時差出勤している人は 15.1%でした。1年半ほど前の調査時とほとんど変わりません。また、テレワークの実施率は 22.7%で2 割くらいで定着しています。自宅での勤務に効率が上がったと感じる人は 53.7%、自宅での勤務に満足と感じている人は 66.1%であり、さまざまな調査で「テレワークの効果があった」という回答がありますが、業務の効率が高まるというよりは、通勤のストレス、疲労がないことが一番の理由のようです。
一方で社内のコミュニケーションや相談が困難、不便・長時間労働につながる、仕事と生活の境界線があいまいになる等デメリットも指摘されています。
テレワークの直近 1 週間における出勤日数が週 3 日以上のテレワークは 58.8%で前回より少し上回っています。出勤者数が若干戻ってきたのでしょうか。
課題は仕事の指示や相談が一度にできない、チャットなどのツールも習熟度合いで統率が取れない、仕事が特定の人に偏る等改善点もありそうです。自社の業務効率、部門ごとのやり取り、その効果や課題を分析・判断・調整する時といえるでしょう。
新年が始まった今は業務見直しに良い時期かもしれません。

令和4年度・税制改正大綱 納税環境整備編

令和4年度・税制改正大綱
納税環境整備編

令和4年度・税制改正大綱 納税環境整備編

令和4年度税制改正(納税環境整備)

(改正1)税理士制度の見直し
1.税理士業務のICT化の努力義務
税理士は、業務のICT化等を通じて納税義務者の利便の向上等を図るよう努めるものとする規定が創設されます。


2.税理士試験の受験資格見直し
若年層の税理士試験の受験を容易にし、多様な人材確保を図るため、受験資格が緩和されます(会計科目の受験に、受験資格が不要となります)。


3.税理士法人の業務範囲の拡大
税理士法人の業務の範囲に、①租税に関する教育の普及及び啓発、②後見人等の地位に就き、他人の法律行為の代理を行う業務が追加されました。

(改正2)領収書の電子保存義務化の猶予
電子取引の取引情報の電子保存について、令和4~5年に行う電子取引でやむを得ない事情があると認められる場合には、経過措置が講じられることとなりました。

(改正3)記帳義務を適正に履行しない納税者等への対応
1.過少申告加算税等の加重措置
記帳義務を適正に履行しない納税者への過少申告加算税・無申告加算税については通常の加重税額に申告漏れの税額(所得税・法人税・消費税)に次の割合を乗じた金額が加算されることとなりました。

(改正4)証拠書類のない簿価経費の必要経費不算入・損金不算入措置の創設
証拠書類のない簿外経費についての必要経費・損金不算入措置が創設されます。

(改正5)財産債務調書制度の見直し
提出期限を後倒しするなど提出義務者の事務負担の軽減を図るとともに、適正な課税を確保する観点から、特に高額な資産保有者については所得基準によらずに財産債務調書の提出義務者に加えられました。

(改正6)地方税務手続のデジタル化
eLTAX(地方税ポータルシステム)を通じた電子申告・申請の対象手続や電子納付の対象税目・納付手段が拡大されます。

令和4年度・税制改正大綱 国際課税編

令和4年度・税制改正大綱
国際課税編

令和4年度・税制改正大綱 国際課税編

令和4年度税制改正(国際課税)

経済のグローバル化に伴い、国際課税制度が大きな変革期を迎える中、令和4年度では次の改正が行われています。

(改正1)過大支払利子税制の見直し
「過大支払利子税制」とは、所得に比して過大な利子を支払うことによる租税回避を防止するため、支払利子のうち所得金額の一定割合(20%)を超える金額を損金不算入とする制度です。主に国外への支払利子等が対象となります。
今回の改正では、外国法人の法人税の課税対象とされる次の国内源泉所得に係る所得の金額についても適用対象となりました。

(改正2)外国子会社合算税制の見直し
外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)とは、軽課税国に所在し、実質的活動を伴わない外国子会社を利用した租税回避を防止するため、一定の条件に該当する外国子会社の所得を、日本の親会社の所得とみなして合算し、課税する制度です。
米国の保険業務では事務所を有せず、管理業務を外部に委託するケースが多いため、「保険会社又は保険持株会社」の保有割合100%の外国子会社は、この制度の対象外とされていました。今回の改正では、「保険会社又は保険持株会社」以外に、これらの会社に 100%保有されている内国法人(例 国内中間持株会社)が海外保険会社に出資したケースも、合算税制の対象外となります。

(改正3)子会社株式簿価減額特例
子会社からの配当(益金不算入)と子会社株式の譲渡を組み合わせた租税回避を防止するため、令和2年に設けられた当制度ですが、次の見直しが行われました。