02-所得税

コロナ補助金と設備投資 設備取得分は収入にならない

コロナ補助金と設備投資
設備取得分は収入にならない

コロナ補助金と設備投資 設備取得分は収入にならない

引っ越し先での美容院や病院探し

春の引っ越しシーズンも過ぎ、新天地で新たな出会いや探索の機会も増えているのではないでしょうか。引っ越し先での美容院、歯医者さん、かかりつけ医を新たに探すのも一苦労です。それでも、最近ではネットでいろんな情報を比較検討できますので、便利な時代です。
各種業種の店舗サイトをネット検索していると、“うちはこれだけコロナ下の衛生対策に力を入れています”的な宣伝文句が増えています。大事なポイントですね。

コロナ下での補助金が設備導入のモチベに

設備は素晴らしいけど、投資金額的にためらいがあったが、今回のコロナ補助金が思い切って導入をするきっかけとなったと歯医者さんが話していた設備がありました。
口腔外バキュームと言われるもので、歯科治療で広範囲に飛散すると言われているエアロゾルの飛沫を吸引し、飛散や感染を防止するものです。
東京都や神奈川県をはじめ各自治体で100 万円を上限等などの条件(=半分程度の補助となるようです)で、コロナ対策補助金とされたことで、歯科医師会のサポートもあり、こうした設備の導入が業界内で進んだようです。この設備の有無での比較写真を見ましたが、安心安全のためにはこうした補助金と設備導入はどんどん進んでほしいものです。

補助金は原則収入として課税対象となる

コロナ下では、持続化給付金や家賃支援給付金など、様々な補助金や給付金が施されました。こうした支援金は、確定申告において収入として計上する必要があります。
しかしながら、補助金で設備を導入した場合には、所定の手続きにより、設備投資額分だけ収入金額に計上しない課税の方法があります。長い目で見ると減価償却の計算を通じて、結果的には、課税負担は平準化されるようになっていますが、補助金をもらった年度に一時に課税される事態は回避されることになります。
こうした補助金の申請も令和 3 年度分まではすでに終わっています。これからまた令和 4 年分の受付が始まるのか否かは、今後の感染状況によるものと思われます。
コロナ下でも果敢に生き延びて行けるよう、給付金や補助金などの支援情報にも敏感に気を配りたいですね。

所得税と消費税の負担感

所得税と消費税の負担感

所得税と消費税の負担感

インボイス制度実施に伴い、免税事業者は課税事業者になると消費税の負担の重さに驚かされることでしょう。所得税の負担軽減に代えて消費税課税を充実させる国の税体系の見直しが着々と進められています。

税収では既に消費税が所得税を上回る

消費税導入の翌年である平成 2 年は、所得税の税収 26 兆円に対し、消費税の税収は4 兆円でした。この後、所得税は所得控除の見直し、税率の引下げやブラケット幅の拡大により累進緩和がはかられ税収は減少していきます。
一方、消費税の税収は平成 9 年、平成 26年の税率引上げを経て所得税の税収と横に並び、令和元年 10 月の引上げで消費税の税収は、ついに所得税の税収を逆転しました。

免税事業者にかかる負担

財務省の令和 4 年度税収概算では、総額65 兆円の税収見込のうち、消費税は 21 兆円。所得税は 20 兆円で、うち給与の源泉徴収が 11 兆円と大半を占め、事業所得は、わずか 0.6 兆円です。
インボイス制度の実施により、影響を大きく受けるのは事業所得者となるのではないでしょうか。事業収入から控除される必要経費には、保険料、租税公課、減価償却費、給与、事業専従者控除などが含まれますが、消費税ではこれらの経費は仕入税額控除できず、免税事業者が課税事業者となる場合、消費税の負担は大きく感じることでしょう。

消費税課税に向き合うためには

免税事業者にとって消費税導入から 30年以上にわたり享受してきた益税の恩恵がなくなろうとしています。消費税の導入以来、所得税は累進緩和を通じて負担軽減されてきましたが、税収の減少を消費税でまかなおうとする国の政策転換は、社会保障の財源確保が不可避となる中、インボイス制度によって更に加速されます。
事業所得者は、これまで以上に収益拡大を図る経営に専念し、通常の年は簡易課税で、多額の設備投資のある年は原則課税で申告するなどタックスプランニングを行う対応が求められるのではないでしょうか。

二重払いとなる外国年金に係る 年金協定と社会保険料控除

二重払いとなる外国年金に係る
年金協定と社会保険料控除

二重払いとなる外国年金に係る 年金協定と社会保険料控除

日本と〇〇国との間の社会保障(年金)協定

外国で働く場合、働いている国と本国とで社会保障制度に二重に加入する必要が出てくる場合があります。年金を受け取るために、一定期間その国の年金に加入しなければならない条件があるときは、その国で負担した年金保険料が年金受給につながらないことがあります。
上記を踏まえ、(1)二重加入の防止と(2)年金加入期間の通算を目的として、社会保障協定が締結され、2022年 2月 1日時点で、日本は 23 か国と協定を署名済で、うち 21か国は発効済みです。(注)英国や中国など一部国では(2)は適用外とされています。

年金協定適用の外国払い社会保険料の控除

年金協定が適用される場合、年金事務所に届出書を提出して認められれば、その国から日本に赴任してきた人の日本での年金払いは不要となります。ただし、免除は年金だけで、健康保険の加入義務は残ります。
ところで、本国で支払われている年金につき、日本の所得税の計算では社会保険料控除は取れるのでしょうか?
従来は、日本の所得税法での社会保険料控除の対象が、日本の社会保険制度の下で支払われたものに限定されているため、相手国での社会保険料は控除対象外でした。

年金協定適用の外国払い社会保険料の控除

しかしながら、唯一フランスのみ、2007年に日仏租税条約の交換公文で、フランスの社会保険料も、所定の計算方法で計算した上限までは控除できると取り決められました。残念ながら、フランス以外の国では、他にはまだ適用国がないようです。
実際の手続きとしては、租税条約での取決めを実施に移す、租税条約実施特例法により、「課税の特例の届出書」という所定の書式を用いることでフランスの社会保険料を控除できます。
なお、この控除額を計算するにあたって、「租税条約相手国の社会保障制度に係る権限のある機関のその社会保障制度に係る法令の適用を受ける旨の証明書(適用証明書)」および「その(特定社会)保険料の金額を証する書類」の提出が求められます。
控除限度額の計算に際しては、日本の年金支払額の上限金額の計算要素の一つとなるなど、結構面倒です。
年金協定適用と年金事務所への届出は社会保険労務士に、所得控除計算は税理士にご依頼されることが時間短縮でお勧めです。

物から通貨への認知 暗号資産へ税務の変遷

物から通貨への認知
暗号資産へ税務の変遷

物から通貨への認知 暗号資産へ税務の変遷

貨幣性の認知、非課税資産化

仮想通貨は、平成 29 年4月1日施行の改正資金決済法で、法令上の非認知の存在から、支払手段としてその性質が新たに認知されることになりました。これを承けて、平成 29 年度税制改正における政令改正で、消費税課税対象資産であった仮想通貨は、平成 29 年7月1日から非課税資産とされることになりました。ただし、土地のような非課税資産ではなく、また、有価証券のような5%非課税資産でもなく、貨幣と同じ課税対象外的な非課税資産です。したがって、課税売上割合の計算に影響しない譲渡性資産となりました。

暗号資産への名称変更

さらに、仮想通貨ではなく暗号資産と呼ぶのが国際的風潮であることに合わせるために、令和元年に資金決済法の改正がなされ、法令上の名称が「仮想通貨」から「暗号資産」に変更されることになりました。これを承けて、税法令での「暗号資産」への名称変更の改正も一斉に行われ、令和2年5月1日から施行されています。

暗号資産は棚卸資産

暗号資産の譲渡による所得は、暗号資産が棚卸資産として定義されていることから、雑所得・事業所得に区分されます。保有する暗号資産を売却(日本円に換金)した場合の所得金額は、その暗号資産の譲渡価額とその暗号資産の譲渡原価等との差額となります。譲渡原価は、原則として、総平均法により計算した金額となります。その他の必要経費がある場合には、その必要経費の額を差し引いた金額となります。

収入計上基準

保有する暗号資産で商品を購入した場合、保有する暗号資産Aを他の暗号資産Bと交換した場合には、それぞれの受取資産の時価を対価として暗号資産の譲渡がなされたことになります。暗号資産に含み益がある場合、法人では課税の対象になります。

棚卸資産なので

暗号資産は棚卸資産なので、個人が贈与や遺贈により暗号資産を他の個人又は法人に移転させた場合、その贈与や遺贈の時における暗号資産の価額(時価)が暗号資産譲渡対価となります。また、個人が、時価よりも著しく低い価額の対価による譲渡により暗号資産を他の個人又は法人に移転させた場合には、時価のおおむね 70%に相当する金額が暗号資産の譲渡金額となります。

退職所得の所得税と住民税

退職所得の所得税と住民税

退職所得の所得税と住民税

退職所得に対する住民税

住民税は、通常は翌年課税ですが、退職所得に対する住民税は、特別徴収により完結する現年課税です。課税権も、退職所得が支払われた年の 1 月 1 日現在の住所地の自治体にあります。
課税標準も、他の所得と分離されているので、完全分離課税となります。所得税での退職所得も分離課税と言われますが、所得税では、合計所得金額の構成要素であり、損益通算や、純損失・雑損失の繰越控除や、所得控除の適用が可能です。しかし、住民税での退職所得については、合計所得金額の構成要素ではなく、損益通算や、純損失・雑損失の繰越控除や、所得控除の適用は出来ません。分離課税の分離の程度が徹底しています。

例外としての総合課税の退職所得

但し、次のような、特別徴収が義務ではない退職所得は翌年課税で総合課税です。
①常時2人以下の家事使用人のみに給与等の支払いをする者が支給する退職手当等
②租税条約等により所得税の源泉徴収義務を有しない者が支給する退職手当等
③退職手当等の支払いを受けるべき日の属する年の 1 月 1 日現在、国内に住所を有しなかった者が国内で受ける退職手当等

合計所得金額の概念が異なる不都合

退職所得があることによって、所得税で、公的年金等控除額が 10 万円又は 20 万円引下げられたとか、配偶者控除・配偶者特別控除が減額又は適用除外になったとか、寡婦控除・ひとり親控除・基礎控除の適用除外となったとか、雑損控除と医療費控除の足切り額が大きくなってしまったとか、ということになったとしても、住民税では、分離課税の退職所得があることによるこのような影響は、完全に排除されます。
とは言え、所得税の申告書の提出だけで、住民税での退職所得の影響の排除は、自動的に完全になされる保証はありません。特に、適用除外の場合の復活は、所得税の申告書だけからでは遡及追跡困難なので、住民税の申告書の提出が必要です。
国民健康保険料や介護保険料や後期高齢者保険料の計算は、住民税に準拠してなされるので、これらの負担にも影響します。

自問と疑問 退職所得は申告不要でよい?

自問と疑問
退職所得は申告不要でよい?

自問と疑問 退職所得は申告不要でよい?

退職所得は申告から外すのが原則

源泉徴収によって納税済みなので、退職所得の金額については、確定申告をする必要がありません。これは、現職当局者執筆の「確定申告の手引」において記されているところです。
それでも強いて退職所得申告をする場合があるとしたら、退職所得の金額を損益通算の対象に出来る場合、退職所得の金額から純損失や雑損失の繰越控除が出来る場合、退職所得の金額から所得控除が出来る場合、寄附金控除の限度額計算で有利計算に出来る場合など、有利選択の場合でしょう。

有利選択でない時に申告に含めると

逆に、「公的年金等に係る雑所得」以外の所得の合計所得金額が 1000 万円超の場合には、公的年金等控除額が一律 10 万円引下げられ、2000 万円超の場合には、一律 20 万円引下げられます。配偶者控除・配偶者特別控除は、本人の合計所得金額が 900 万円から段階的に控除の金額が減少し、合計所得金額 1000 万円超では対象外となります。
寡婦控除・ひとり親控除は、合計所得金額500 万円以下との適用制限があります。基礎控除は合計所得金額 2500 万円以下に限定です。雑損控除と医療費控除の足切り額は合計所得金額が大きくなると増える場合があります。これらの場合に於いては、退職所得を申告に含めると、税負担を増やす結果になることがあります。

突然ですが・・・・

国税庁のホームページの確定申告コーナーにおける今年の確定申告書A「令和3年分用」には、「令和5年1月から申告書Aは廃止され、申告書Bに一本化されます」の文字が記載されていて、確定申告書A用の「手引き」の表紙にも、同じメッセージが記載されています。そして、確定申告書B用の「手引き」の「退職所得がある方」の項目の欄において突然、従来通りの文言の後に「退職所得のある方が確定申告書を提出する場合は、退職所得を含めて申告する必要があります」との追加挿入文を入れ、申告からの除外は許されないとしました。
税制改正無しのままでの解釈変更なのか、改正への予告なのか不明ですが、申告書AとBにおける 2 つの突然のメッセージは、表裏の関係にあるように思われます。

 

不動産所得の事業的規模とは?

不動産所得の事業的規模とは?

不動産所得の事業的規模とは?


青色申告者が不動産所得を申告する場合、貸室が 5 棟 10 室に届かない場合でも、賃料収入の大きさや賃貸活動の状況などによっては、貸付けが事業的規模に該当すると認めてもらえることもあります。

事業性が認められる場合の特典

不動産所得が事業として認められた場合には、以下の特典が受けられます。
① 建物取壊、除却損の全額を経費に算入
② 貸倒損失を回収不能の年に経費に算入
③ 青色専従者給与が適用可
④ 複式簿記の記帳で 55 万円控除(電子帳簿保存又は e-Tax により 65 万円控除)

社会通念としての事業規模

貸付けが事業として行われているかについて、国税庁は「社会通念上、事業と称するに至る程度の規模」と定義しており、5 棟 10室基準はその例示として示されていますが、判例では「5棟 10 室基準を満たせば事業として行われているものとするという十分条件を定めたにすぎず、当該基準を満たしていなかったとしても、これをもって直ちに社会通念上事業に当たらないということはできないと解する」と示されています。
事業性は賃貸の営利性、継続性や危険負担、精神的・肉体的労力の程度などで個別に判定されます。賃借人が同族会社で安定した賃貸先のため、リスクはないとして事業性が認められなかった判例もあります。

賃貸人のリスクは必ずしも小さくない

不動産賃貸は、事業所得を生む事業と比べ、精神的・肉体的負担は少なく、賃借人が入居してしまえば、設備の不具合でも起きない限り、手間はかからないといえます。
一方、退去時の原状回復、建替時の立退交渉などは負担を伴い、また最近はリモートワークで間取りが少なく狭い物件は、敬遠されがちとなり、リフォームも必要となります。その他、地震による建物の倒壊リスクや、火事の延焼や類焼リスクなど賃貸する側には相応の負担が生じます。

事業性を認めてもらうためには

5棟 10 室まで至らなくても、賃料収入や不動産所得で相応の規模が確保されているのであれば事業性は一定程度、備えているとも言えます。継続的に賃貸を行い、修繕やクレーム対応などきめ細かな賃貸管理は事業性を高めることにもつながります。事業的規模に該当するか気になる時は、税務署に貸室の数や収入金額、事業状況を説明して確認を受けるのもよいかもしれません。

青色専従者給与の適正額は?

青色専従者給与の適正額は?

青色専従者給与の適正額は?

事業所得、不動産所得等の計算に当たり、必要経費に算入される青色専従者給与の額は、親族以外の第三者に同じ仕事をしてもらう場合に支払ってもよいと考えられる金額を想定して決めると良いかもしれません。

青色専従者給与の経費算入

生計一の配偶者や親族が事業から支払を受ける対価は、原則として必要経費に算入されません。しかし、青色申告を行う個人事業者には適切な帳簿記帳を行う見返りとして、事業に従事する生計一の配偶者や親族に支払う給与を一定の条件のもと、必要経費に算入する特例が認められています。
ただし、生計を一にする配偶者や親族に支払う給与は、家計からの資金流出を実質的に防ぎ、さらに必要経費に算入して税負担を圧縮することが可能となるため、この制度の利用には制限が付されています。

青色専従者給与の認定要件

青色専従者給与として経費に算入できる要件は、以下のものです。
① 事業者と生計を一にする配偶者その他の親族に支払われるものであること(支払を受ける側は、給与所得として課税)。
② 12 月末現在で 15 歳以上であること。
③ その年を通じて6月超(一定の場合は従事可能期間の2分の1超)、その事業に専ら従事すること。
④「青色事業専従者給与に関する届出書」を算入しようとする年の 3 月 15 日までに所轄税務署長に提出すること。
⑤ 労務の対価として相当であると認められる金額であること。

課税上の扱い

課税上は、同じ職場の使用人給与の額や類似業種の専従者給与の額と比較して適正な水準かが問われます。判例には税理士の妻や歯科医の妻(歯科衛生士)に支払われた給与について、同業者の青色専従者給与の平均額と比較し、高額と認められた部分の経費算入を認めなかったものがあります。
アパート経営においても不動産会社と管理契約を締結している場合、オーナーの業務はほとんど発生しないため、配偶者や親族を青色専従者にするときは業務内容から給与設定する慎重さが必要となるでしょう。
なお、事業としては認められない程度の事業規模の場合や、配偶者や親族が他の仕事にも従事して年に6月超、事業に従事できない場合には、青色専従者給与そのものが認められなくなるので注意しましょう。

 

住宅ローン控除 令和 4 年入居でも改正前の条件適用

住宅ローン控除
令和 4 年入居でも改正前の条件適用

住宅ローン控除 令和 4 年入居でも改正前の条件適用

改正された住宅ローン控除

令和 4 年以後の住宅ローン控除は、控除率、控除期間が見直され、さらに環境性能に応じて借入限度額が 4 つに区分されます。

令和 3 年改正の特例延長が生きている

住宅ローン控除は基本的に入居を開始した年分の条件で適用されますが、令和 4 年入居の場合は 2 パターンの取扱いが存在します。
注文住宅の場合は令和 2 年 10 月から令和3年9月末までに請負契約を締結、分譲住宅の場合は令和 2 年 12 月から令和 3 年 11月末までに売買契約を締結したものについては、令和 3 年度税制改正の住宅ローン控除の特例の延長により、令和 4 年度税制改正の前の控除率等での適用となります。

来年の確定申告時にはご注意を

上記の表のように、控除される金額等が異なる令和 4 年開始の住宅ローン控除が存在します。来年の確定申告時には誤りがないように注意したいですね。
なお、すでに令和 3 年以前に入居して、住宅ローン控除の適用を受けている場合については、令和 4 年以降控除率が下がることはありません。

 

NISAの現状とおさらい

NISAの現状とおさらい

NISAの現状とおさらい

NISA は浸透したのか

NISA とは、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となる個人投資家のための税制優遇制度です。3種類あり、金融庁発表の2021年6月末の各制度の利用状況は、
(一般の)NISA:約 1237 万口座
つみたて NISA:約 417 万口座
ジュニア NISA:約 57 万口座
となっています。
まだつみたて NISA がなかった制度開始時の 2014 年 3 月末時点のデータでは、NISA総口座数は 492 万となっているため、7 年間で約 3.5 倍の利用口座増となっています。
「家計の安定的な資産形成の支援」と「成長資金の供給」を目的とした NISA 制度は、徐々に定着してきているようです。

NISA の特徴をおさらい

NISA の特徴は
1.投資で得た利益が非課税になる
2.毎年の購入上限枠がある(一般 120 万円、つみたて 40 万円)
3.非課税期間は一般 5 年間、つみたて 20 年間
というところです。通常株式等の売却益が出た場合、所得税や住民税がかかりますが、NISA で出た利益に関しては非課税となるのでお得です。一方、損が出てしまった場合は、他の口座との損益通算や損失の繰越しができないデメリットも存在します。

非課税期間が終わる際の選択肢

一般の NISA 口座の場合、非課税期間 5 年が終了した場合、以下の選択が可能です。
1.非課税期間終了までに売却
2.翌年の非課税投資枠に移管
3.他の課税される口座に移管
非課税期間終了までに売却すればその利益は非課税です。翌年の投資枠に移管する場合の上限がないため、前述した「購入上限枠」を超えての持ち越しが可能ですが、その年の新規投資枠は 0 円ということになります。他の課税される口座に移管した場合は、その移管時の価格が取得価格となるため、非課税期間に値上がりした価格差はきちんと非課税扱いとなります。
なお、2024 年 1 月から、新 NISA 制度が始まりますが、現状の NISA を行っている方は一部銘柄を除き「翌年の非課税投資枠に移管」が継続して行えます。