02-所得税

-令和8年度税制改正- ③ 資産課税編

-令和8年度税制改正-③ 資産課税編

-令和8年度税制改正- ③ 資産課税編

教育資金一括贈与の非課税制度は廃止

 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度は、令和8年3月31日をもって廃止されます。

この制度は、利用件数が減少していること、高額所得者に利用が集中して経済格差の固定化につながることが問題視されていました。令和8年度改正では、ガソリン税の旧暫定税率廃止や教育無償化の財源確保の手段として廃止されることとなりました。なお、同日までに拠出された金銭は、引き続き、この制度を利用できます。

事業承継税制は計画の提出期限を延長

 1.個人事業承継計画

 個人の事業用資産にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度(個人版事業承継税制)では、「個人事業承継計画」の提出期限が、令和10年9月30日まで延長されます。

2.特例承継計画

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度(法人版事業承継税制)のうち特例措置は、平成30年1月1日から10年間限定で全株式に100%納税猶予を認めるものです。この措置の適用に義務付けられる「特例承継計画」の提出期限が、令和9年9月30日まで延長されます。

貸付用不動産の財産評価の適正化

 貸付用不動産の市場価格と財産評価基本通達による評価額との乖離を利用した節税策は、総則6項により時価評価を求める国税庁と通達評価額による評価を求める納税者との間で訴訟を多数引き起こし、課税上の扱いを予測困難にしていました。

令和8年度改正では、貸付用不動産に対する財産評価の取扱いが整備されます。

1.課税時期前5年内取得等の貸付用不動産

課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得・新築した貸付用不動産の財産評価は、課税時期の通常の取引価額に相当する金額により評価すること、課税上の弊害がない限り、貸付用不動産の取得価額をもとに時価の変動等を考慮して計算した価額の80%相当額で評価できるとされます。

2.不動産小口化商品

 相続等で取得する不動産小口化商品の財産評価は取得時期にかかわらず課税時期の通常の取引価額に相当する金額とされます

1・2いずれも令和9年1月1日以後に相続等で取得する財産の評価に適用されます。

なお、この改正は、通達に定める日の5年前から被相続人が所有する土地に新築した家屋には適用されません。

-令和8年度税制改正- ②個人所得課税編(後編)

-令和8年度税制改正-②個人所得課税編(後編)

-令和8年度税制改正- ②個人所得課税編(後編)

住宅ローン控除は5年延長

 住宅ローン減税は、令和12年12月31日まで5年延長されます。

新築等の場合、省エネ性能の高い認定住宅の借入限度額は4,500万円、ZEH水準省エネ住宅は3,500万円、控除率0.7%、控除期間13年です。既存住宅は、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅の借入限度額を3,500万円に引き上げ、控除期間を13年に拡充します。令和12年以降、新築が認められなくなる予定の省エネ基準適合住宅は借入限度額を2,000万円に縮減します。

子育て世帯・若者夫婦世帯には借入限度額の上乗せ措置があります。新築等では、認定住宅の借入限度額を5,000万円、既存住宅では、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅の借入限度額を4,500万円に引き上げます。

床面積要件は、40㎡の緩和措置(合計所得金額1,000万円超の年を除く)を既存住宅にも拡充します。

ZEH水準を満たさない省エネ基準適合住宅の新築等で令和10年1月1日以後居住のものは住宅ローン控除は適用できません。

また、災害危険区域等における新築等の住宅で令和10年1月1日以後居住のものは住宅ローン控除が利用できなくなります

NISAは18歳未満に拡充

 NISAは、つみたて投資枠の対象年齢が18歳未満、年間投資枠60万円(非課税保有限度額600万円)まで拡充されます。

非課税口座に新たに未成年者特定累積投資勘定を設定し、公募等株式投資信託の受益権に投資します。

12歳以降は、子の同意を得た場合のみ親権者等による払出しが認められ、子の教育資金等に充てることができます。18歳に達すると18歳以上のNISA口座に移行します。令和9年以後、開設するものから適用です。

暗号資産は分離課税に

 暗号資産の譲渡所得等に対する課税は、株式など有価証券取引と同じ分離課税(所得税15%、住民税5%)となります。あわせて、3年間の繰越控除制度も創設されます。金融商品取引法の改正法施行日の翌年から適用されます。

極めて高い水準の所得に対する負担適正化

 高額所得者に対する税の負担適正化のための措置が見直されます。基準所得金額から控除される特別控除額を1.65億円(現行3.3億円)に引き下げ、税率を30%(現行22.5%)に引き上げます。令和9年以後の所得税から適用されます。

 
 

-令和8年度税制改正- ①個人所得課税編(前編)

-令和8年度税制改正-①個人所得課税編(前編)

-令和8年度税制改正- ①個人所得課税編(前編)

基礎控除等を物価高に応じて引上げ

 基礎控除等を物価高に応じて引上げ

基礎控除などの所得控除には、物価上昇に応じた見直しが行われます。

基礎控除は、本則部分を62 万円、令和7年度改正で新たに設けた特例部分は合計所得金額489万円以下で42万円に引き上げ、本則部分とあわせて104万円とします。

給与所得控除は、最低保障額を74万円、基礎控除とあわせた課税最低限を178万円に引き上げます。


同一生計配偶者、扶養控除等も要件引上げ

 同一生計配偶者、扶養親族の合計所得金額要件は62万円以下(現行58万円以下)、ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の要件は62万円以下(現行58万円以下)、勤労学生の合計所得金額要件は89万円以下(現行85万円以下)に引き上げます。
 
 

通勤手当、食事補助の非課税枠は拡充

 自動車で片道65km以上の通勤手当の非課税限度額が増額されるほか、食事支給で非課税となる使用者負担額の上限を月額7,500円(現行3,500円)に引き上げます

ふるさと納税の特例控除額に上限を設定

 ふるさと納税の特例控除額は、個人住民税所得割額の20%に設定されていますが、所得に応じ際限なく増えることに歯止めをかけるため、新たに193万円の上限(給与収入1億円相当)を設定します。令和10年分以後の個人住民税に適用されます。

住民税利子割に清算制度を導入

 住民税利子割はインターネット銀行の取引拡大により、税収が納税者の住所地のある道府県に帰属しないことが問題となっていました。令和8年度以降は、個人に係る所得金額を基準に税収帰属を都道府県間で調整する清算制度を新たに導入します

夫婦で共有する居住用 マンションの譲渡所得

夫婦で共有する居住用 マンションの譲渡所得

夫婦で共有する居住用 マンションの譲渡所得

マンション市場は海外からの投資を呼び込み、空前の価格高騰を引き起こしています。不動産経済研究所の公表する2025年2月分の不動産価格指数は、211.8(2010年平均=100)、この15年で2倍以上となり、この機会に自宅を売却する人もいます。

譲渡所得に課税 

不動産の保有期間中のキャピタルゲインは売却によって実現し、その収入金額は担税力を生むので、譲渡所得に課税されます。 

譲渡所得は、売却による収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて算出します。取得費はマンション取得時の購入価額、印紙代、購入手数料、登記費用など。譲渡費用は売却時の仲介手数料、印紙代などです。

居住用は譲渡所得から3,000万円を控除 

居住用不動産を売却すると新たに居住用不動産を購入する資金が必要となり、売却によって得た担税力が減殺されてしまいます。そこで居住用不動産の譲渡所得から3,000 万円を控除する制度があります。

この制度は夫婦で共有するマンションを売却する場合にも、一定の要件を満たせば適用され、それぞれの所有持分に応じて譲渡所得から共有者一人につき3,000万円まで控除が行われ、税額を圧縮できます。

3,000 万円特別控除の主な要件 

3,000 万円特別控除は、現に自分が住んでいる家屋の譲渡、家屋とその家屋の敷地の用に供されている土地等の譲渡、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12 月 31 日までの家屋・土地等の譲渡などに適用されます。 

また、譲渡した年の前年、前々年に、既にこの3,000 万円控除の特例等を受けている場合は、この特例は適用されません。

住宅ローン控除は入居した年、その前年、前々年に3,000 万円控除の特例を受けた場合には適用されません。なお、住宅ローン控除を受けた物件を譲渡した場合、その物件に3,000 万円控除の特例は適用されます。その他の要件は国税庁のタックスアンサー等で確認できます。

所有期間10年超は、更に軽減税率を適用 

売却した年の1月1日において所有期間が 10 年を超える居住用不動産で国内にあるものを売却する場合、3,000万円の特別控除額を差し引いた後の長期譲渡所得に軽減税率が適用されます。長期譲渡所得金額6,000 万円以下の場合、所得税率 10%(通常15%)、住民税率4%(通常5%)が適用され、負担が更に軽減されます。 

実感できない? 年収の壁引上げを感じない理由

実感できない? 年収の壁引上げを感じない理由

実感できない? 年収の壁引上げを感じない理由

103 万円から160万円になるのに 

 「年収の壁」とは所得税や社会保険加入が必要になる年収のことを指しており、今までだと「103万円の壁」と言えば所得税が課税になるラインのことでしたが、令和7年度税制改正で、基礎控除と給与所得控除の引上げが行われることとなり、今年は「160万円の壁」になるようです。 

所得税がかかり始めるラインが上がるだけでなく、今までよりも所得税額が下がるという効果ももちろんあります。ただ、給与収入のある方の中には、今年に入っても「あれ、手取りは別に増えていないな……」と不思議に思っている方がいらっしゃるかもしれません。

発表イコール開始ではない 

 年末年始に103 万円の壁崩壊のニュースが皆さんの目にとまったのは「税制改正大綱」という「来年こういう風に税制をかえたいんです」という与党の発表があったからです。ただ、発表があったからといって即時にその法案が成立するわけではありません。国会に法案を提出し、それが可決されなければ税の制度は変更できません。 

法案が可決されれば「今年 1 月から160万円の壁にする」という遡及が行われるわけですが、源泉徴収する金額も法によって定められていますから、年末年始の発表の時点から「じゃあ年始から源泉徴収する金額を減らそう」と変更するわけにもいきません。今年初頭からの制度変更はできないのは税制改正大綱でも織り込み済みで「源泉徴収税額については令和8年1月から変更します」と記載されています。よって今年の月々に徴収される所得税の額は、去年ベースで計算されたものとなります

年末調整で戻る税金が多くなる 

 給与収入や社会保険料控除等の基礎控除以外の所得控除の額が変わらないという前提で考えてみると、今年は去年よりも「(定額減税を除けば)源泉徴収で過剰に所得税を取られている状態」になっているため、今年の年末調整で戻ってくる税額が多くなります。去年の定額減税のような、年途中での減額の方が見栄えもするし良かったのでは、という声もちらほら聞こえます。 

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても経費にはなります 

税務署への証明資料という観点からの領収書とは、払った事実を証明するための物ですから、払った事実が証明できれば、いわゆる「領収書」は、無くても良いのです。

そう聞くと「おや?」と思われるでしょうが、皆さんがよく使われる銀行の振込によって金銭等を受領した時には、領収書を作成しない場合がありますよね。なぜ作成しないかと言えば、支払った側から要求されないからです。なぜ支払った側が要求しないのかと言えば、銀行振込の場合は領収書が無くても、その支払の事実は証明できるからです。 

ただし、支払った側から要求された場合は領収書を発行しなければなりません。

交通費などはどうするの? 

新幹線などは領収書がもらえますが、少額の電車やバスの運賃はまず領収書はもらえません。Suica(スイカ)等の交通系電子マネーはチャージした時に領収書はもらえますが、今では電車やバスだけでなくほとんどの支払いに使えますので、チャージした領収書をもって交通費にはできません。

電車賃やバス代等は日報のようなものに、金額とどこへ行ったのかを記録しておく必要があろうかと思います。

交通系電子マネーは各社利用履歴を閲覧等可能ですが、例えばJR東日本のSuicaの場合はモバイルアプリや会員メニューサイトですと26週以内かつ最大100件までしか確認できませんから、経費精算や記帳に利用する場合は履歴をこまめに取るように心がけましょう。 

お祝いや香典はどうするの? 

いわゆる慶弔費ですが、慶弔費については、招待状や礼状を保管しておけば、社会通念上(常識的に)妥当な金額であれば領収書等がなくても、通常支払の事実の証明までは求められません。

また、結婚式やお葬式などに参加する際に、会場への移動や宿泊が必要となった場合は、この交通費や宿泊費も経費として処理が可能です。宿泊費が発生する場合などは、きちんと領収書をもらうようにしましょう。 

令和7年度税制改正大綱 ⑤納税環境整備編

令和7年度税制改正大綱 ⑤納税環境整備編

令和7年度税制改正大綱 ⑤納税環境整備編

電子帳簿等保存制度の見直し

申告所得税、法人税、消費税の電子取引において電子データが隠ぺい仮装された事実に基づき期限後申告等があった場合、申告漏れ等に加算される重加算税は、国税通則法68条に規定される割合に加え、さらに10%が加重されます。電子データの隠ぺい仮装には電子データを直接改ざんするほか、紙段階で不正のあった請求書や相手と通謀して受領した架空請求書等をスキャナ保存する場合等も含まれます。

令和7年度税制改正では電子データの訂正、削除の事実、内容が確認できる(あるいは訂正、削除できない)など一定の機能を持ち、国税庁長官が定める基準に適合したシステム(特定電子計算機処理システム)を使用して授受・保存した電子データ(特定電磁的記録。災害等の事情で保存できない場合を含む)は10%加重の対象から除外されます。令和9年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税に適用されます。

青色申告特別控除65万円の適用要件追加

これまで青色申告で65万円の特別控除を受ける要件は、優良な電子帳簿を備え、保存すること又はe-Taxを利用して申告書等を提出することでした。

令和7年度税制改正ではこの2要件に加え、上記の特定電子計算機処理システムを使用して電子データの授受・保存を行う場合にも65万円の青色申告特別控除を受けられるようになり、令和9年分以後の所得税に適用されます。

納税通知書等の副本をeLTAX経由で送付

固定資産税、都市計画税、自動車税種別割、軽自動車税種別割の納税通知書(課税明細書、更正決定通知書、税額変更通知書を含む)及び納付書について納税者からの申出により、eLTAXを通じて副本を送付できるようになります。法人は令和9年4月1日以後に送達するものから、個人は令和10年4月1日以後に送達するものから適用されます

スキャナ読取り要件の緩和で利便性向上

e-Taxにより申請書面や添付書面等をスキャナで読取り、イメージデータで送信する場合、現行の「赤色、緑色、青色それぞれ256階調以上」から「白色から黒色まで256階調以上」となり、データ容量が大幅に削減されます。ほかにファイル形式もPDF形式に加えJPEG形式が利用できるようになり、送信可能データ容量も拡大されます。令和10年1月1日から適用されます。

令和7年度税制改正大綱 ①個人所得課税編

令和7年度税制改正大綱 ①個人所得課税編

令和7年度税制改正大綱 ①個人所得課税編

基礎控除と給与所得控除は10万円引上げ

物価上昇局面の税負担調整、就業調整への対応措置として基礎控除は合計所得金額2,350万円以下の控除額を10万円引き上げて58万円に、給与所得控除は55万円の最低保障額を65万円に引き上げ、給与収入123万円まで課税されなくなります。令和7年分以後の所得税に適用されます。

大学生年代の親族の扶養控除枠を拡大

大学生アルバイトの就業調整に対応して19歳以上23歳未満の子等で合計所得金額123万円以下、控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合、給与収入150万円までは63万円を控除し、さらに給与収入が増えると段階的に控除額を削減する特定親族特別控除(仮称)が、令和7年分以後の所得税に適用されます。

扶養控除、同一生計配偶者の要件も引上げ

基礎控除の引上げに伴い、人的控除が見直されます。扶養親族、同一生計配偶者の合計所得金額の要件は58万円以下となり、現行48万円から10万円引き上げられます

個人住民税も給与所得控除の見直し、特定親族特別控除(仮称)の創設、扶養親族、同一生計配偶者の合計所得金額の要件等を改正し、令和8年分から適用されます。

 

iDeCoの拠出限度額を引上げ

iDeCoは加入年齢を70歳未満に引き上げ、拠出限度額は自営業者等は月額7.5万円(現行:月額6.8万円)、企業年金加入者は月額6.2万円から確定給付企業年金の掛金額及び企業型確定拠出年金の掛金額を控除した額(現行:月額2.0万円)、企業年金未加入者は月額6.2万円(現行:月額2.3万円)に引き上げ、全額所得控除されます。

 

子育て世帯への支援措置を1年継続・拡充

①住宅ローン控除
住宅ローン借入限度額の上乗せ措置(認定住宅5,000万円、ZEH水準省エネ住宅4,500万円、省エネ基準適合住宅4,000万円)、および床面積要件の緩和措置(合計所得金額1,000万円以下、40㎡以上)は令和7年限り適用されます。

②住宅リフォーム税制(継続)
工事費用相当額(上限250万円)の10%相当額を所得税額から控除する措置が令和7年限り適用されます。

③生命保険料控除(拡充)
新生命保険料に係る一般生命保険料控除は、23歳未満の扶養親族のある場合、令和8年分の適用限度額を6万円(現行4万円)に引き上げます(合計適用限度額12万円)。

税金よもやま話 頂き女子と税金の関係

税金よもやま話 頂き女子と税金の関係

税金よもやま話 頂き女子と税金の関係

頂き女子事件の税目は「所得税」? 

SNS 上で「頂き女子りりちゃん」を自称し、男性に恋愛感情を抱かせて1億5,000万円余りをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われている「頂き女子事件」は、額面の大きさや「パパ活のマニュアル販売」といったセンセーショナルな内容から話題になりました。ちなみにパパ活とは、若い女性が中年男性と食事やデート等をして、見返りに金銭を受け取る活動のことです。
また、この事件は詐欺の他にも令和4年までの2年間に得た1億1,000万円の所得について期限までに申告せず、所得税およそ4,000 万円を脱税したとして、所得税法違反の罪にも問われています。「お金を貰っているだけだから、かかるとしても贈与税じゃないの?」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、男性からお金を貰うための手法をマニュアル化しており「パパ活というサービスを提供している」と判定されたのだと考えられます。

犯罪収益でも課税される 

所得税の取扱いを定めている「所得税基本通達」に、「収入金額とすべき金額には、その収入の基因となった行為が適法であるかどうかを問わない」という一文が存在します。今回のケースのような「個人が詐欺により不法に取得した収入」でも、所得税が課されます。その半面、詐欺に遭った人については盗難等で受けられる雑損控除が適用されません。詐欺で得た金額は所得になり、詐欺によって被害を受けた金額は所得控除にならないのは、いささかバランスを欠いているような気がします。 
なお、詐欺を行った人が被害者に弁済した等で、所得が減少した場合は、5年以内であれば更正の請求が可能です。

パパ活は贈与か所得か 

好意を持った中年のおじさん(パパ)に誘われて食事をしたら、「お小遣い」として現金を貰った、ということは少ないかもしれませんが、そんな場合は贈与ということで良いかもしれません。ただ、サービスを提供した見返りに貰った金銭は所得と判定されますから、パパ活自体の「会ってコミュニケーション」の対価であるとすれば、贈与として判定されるケースは少ないのではないでしょうか。 


居住用財産譲渡の 3,000万円控除の要件

居住用財産譲渡の 3,000万円控除の要件

居住用財産譲渡の 3,000万円控除の要件

マイホームを売った時に使える特例 

マイホーム(居住用財産)を売ったときに、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000 万円まで控除ができる特例を「居住用財産を譲渡した場合の 3,000 万円の特別控除の特例」といいます。

利用するためには様々な要件があり、国税庁は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例適用チェック表」を用意しています。この表に売却する(売却した)マイホームを照らし合わせれば、この特例が利用できるか確認が可能です。代表する要件を簡単に見てみましょう。

居住用でなければもちろんダメ

他の居住用財産関係の特例と同じく、基本的には「住んでいなければダメ」です。別荘や仮住まい、セカンドハウスには適用できませんが、単身赴任等で家主が離れているものの、家族が生活しているといった場合はOKです。住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに家屋もしくは家屋と共に敷地等を売る場合に、特例が利用可能です。

家屋を取り壊した場合については、取り壊しから1年以内に売買契約をし、かつその間に貸付等に利用していないことが条件となります。 

他の特例との重複適用は基本NG 

3,000 万円の特別控除の特例は、長期譲渡所得の課税の特例(所有期間10年超で譲渡益6,000 万円以下の部分の税率を優遇)を併用できますが、居住用財産関係の特例や住宅ローン控除と併用することができません。併用できない期間も設定されており、居住用財産関係の特例については前々年、前年、当年に適用されていれば、3,000万円控除が受けられません。住宅ローン控除については居住年およびその前2年、その後3 年の計6年間に3,000 万円控除を受けた場合、住宅ローン控除の適用を受けることができなくなります。 

また、収用の場合の特別控除、特定期間に取得した土地等を譲渡した場合の特別控除、低未利用土地等を譲渡した場合の特別控除等、居住用でない土地に適用できる特例についても併用できません。

法定申告期限後に特例の選択替えもできませんから、申告時に慌てることのないよう、早めの検討・準備をしておきましょう。