02-所得税

年末調整の基本

年末調整の基本

年末調整の基本

年間の所得税額を再計算する作業 

年末調整は、給与を受ける人それぞれについて、原則毎月の給与や賞与などの支払いの際に源泉徴収した税額と、その年の給与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足を精算する手続きです。過不足が起こる原因としては、 ①生命保険料控除や地震保険料控除等の控除が発生する②扶養控除・配偶者控除の額が変わる、等があります。

毎月の給与や賞与などから源泉徴収される税額については、あくまで1年間の見込みの所得により決まるため、「年末調整で出す予定の生命保険料控除」等は加味しないようになっています。また、扶養・配偶者控除の額が変わるケースについては、「大学生の子供がアルバイトに勤しみすぎて、扶養範囲以上の給与を得てしまった」とか「配偶者の収入が産休・育休に入ったため減った」等が考えられます。  


年末調整できない所得控除 

医療費控除や寄附金控除等については、年末調整ができない所得控除です。これらの所得控除については1月1日から12月31日までの間で計算するので、年末調整以後にも発生する可能性があるため、年末調整で取り扱えません。基本的には従業員個人が翌年確定申告するものとなります。  

住宅ローン控除の初年度も年末調整NG  

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)については、2年目以降は年末調整可能です。ただし初年度については、そもそもの「住宅ローン控除を受けられるか否かの審査」が必要となっており、確定申告で控除の申告と併せて、床面積や入居日、居住用かどうか等の審査を行っています。よって年末調整を行うことができません。  

「令和6年」からの変更点 

住宅ローン控除の2年目以降は年末調整可能で、現在は「借入金残高証明書」の添付が必要ですが、令和6年からは添付が不要となります。金融機関から税務署に直接残高証明書が送られるようになるためです。  

来年以降は人事・労務担当者も、年末調整のチェック作業が少し楽になるかもしれませんね。 


ふるさと納税の オンラインワンストップ特例申請

ふるさと納税の オンラインワンストップ特例申請

ふるさと納税の オンラインワンストップ特例申請

オンラインで特例申請  

個人のその年の所得・控除によって決まる控除上限金額以内の寄附であれば、自己負担が2,000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。確定申告をする必要がなく、1年で5自治体以内への寄附であれば利用できるワンストップ特例申請制度は、確定申告をハードルに感じている給与所得のみの方、あるいは年金所得のみの方に親しまれ、ふるさと納税の利用数拡大に寄与してきました。最近はマイナンバーカードとその情報が読み取れるスマートフォン又はカードリーダーがあれば、オンラインで申請できるようになっています。  


デジタル庁主導の公的個人認証サービス

オンラインワンストップ特例申請に使用される「公的個人認証サービス」とは、マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を利用して、オンラインで利用者本人の認証等を公的に行うためのサービスです。この公的個人認証サービスについては、行政機関だけでなく、民間事業者の各種サービスにも導入可能です。個人認証について、マイナンバーは利用しません。  

民間事業者が公的個人認証サービスを導入する場合は、公的個人認証法に基づき、主務大臣認定を受けて自社が認定事業者になるか、もしくは認定事業者に署名検証業務を委託する形で利用するかの2つの方法があります。  


特例申請は2つの方法を活用している  

ふるさと納税のワンストップ特例申請ができる「自治体マイページ」は、サイトへの登録情報と自治体より提供される寄附情報を紐づけ、ワンストップ特例申請の本人確認を公的個人認証サービスで行い、オンラインでワンストップ特例申請ができるサービスを提供しています。なお「自治体マイページ」を運営するのは民間事業者です。  

また、ふるさと納税の申し込みができるポータルサイトについては、署名検証業務を委託する形で、オンラインワンストップ特例申請ができるサイトが増えています。  

郵送する手間もなく、Webサイトで特例申請が受領されているかも分かるため、今までの紙での申請に比べると、手間の少ない方法になっています。


NISAよりiDeCoが先

NISAよりiDeCoが先

NISAよりiDeCoが先

老後向け資産形成、NISA 以外

老後に向けた資産形成に生かせる非課税制度には、つみたて NISA や新 NISA の積立投資枠で投信を購入するもののほかに、確定拠出年金(DC)もあります。DC には企業型と個人型があり、企業型は勤め先が導入している場合に利用できるものです。

個人型 DC「iDeCo(イデコ)」

個人型確定拠出年金は「iDeCo(イデコ)」と呼ばれ、勤め先に企業型 DC がない人なら、専業主婦を含め幅広い人が対象です。

iDeCo は、国民年金や厚生年金に上乗せされる私的年金制度で、掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで掛金を運用します。

iDeCo の税制優遇

iDeCo は、①運用中の利益が非課税になるのに加えて、②iDeCo で積み立てる掛金全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減されます。

さらに、③受け取る時についても、税の優遇があります。受給する額の一部が非課税となります。非課税となる金額は、年金として受け取る場合と一時金で受け取る場合とで異なります。年金として受け取る時は、公的年金等控除の適用があり、一時金で受け取る時は、積立期間を勤続年数とみなして退職所得控除の適用があります。

どちらを選択するかは、税額や健康保険料に鑑みると有利不利があるので、他の退職金や年金の有無、その他の収入見込みやライフプランを考慮する必要があります。

 

iDeCo+(イデコプラス)もある

 

iDeCo+とは、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している従業員が拠出する加入者掛金に中小企業事業主が、従業員の老後の所得確保に向けた支援として掛金を上乗せする制度です。事業主拠出掛金は、全額が損金に算入されます。

資産形成は iDeCo から

 

NISA の検討の前に、iDeCo の枠いっぱいを使い切る、というのが原則的有利選択です。iDeCo に加入できるのに、入っていない方が、いまだに多数います。とてももったいないことです。

ただし、①原則 60 歳まで引き出しができない、②投資信託で運用リスクが生ずることもある、③投資の管理手数料がかかる場合がある、④主婦や学生などで課税所得ゼロだと所得控除メリットがない、ということも留意事項です。 

 

非課税期間が無期限に 新NISA のしくみ

非課税期間が無期限に 新NISA のしくみ

非課税期間が無期限に 新NISA のしくみ

2024 年 1 月から新 NISA がはじまる 

 NISA とは、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となる個人投資家のための税制優遇制度です。

 

 令和 5 年度税制改正にて、2024 年 1 月から、非課税期間が無期限となり、つみたて投資枠(旧つみたて NISA)と成長投資枠(旧一般 NISA)の併用が可能となります。また、年間非課税枠や非課税保有限度額が増加しました。

 2023 年までの旧制度では制度の併用はできず、つみたてか一般かを選ぶ必要がありましたが、2024 年からの NISA の場合は、非課税保有限度額を共有するものの、制度の併用自体はできるようになりました。

 

売却で非課税保有限度額の復活

 買い付けした金融商品を売却した場合、取得価額分の非課税保有限度額が復活します。例えば限度額いっぱいの 1,800 万円まで NISA を利用している場合、そのうちの取得価額 100 万円の商品を売却すると、100 万円分は限度額が復活します。

 ただし、限度額が復活するのは「売却した翌年」となるので注意が必要です。

 

ロールオーバーは廃止

 非課税期間が無制限となったため、非課税期間が過ぎた金融商品を、次の非課税投資枠に持ち越すロールオーバーは廃止となります。また、2023 年中までの旧 NISA 制度からのロールオーバーもできない仕組みとなっていますが、2023 年までの旧 NISA については、新 NISA 制度の非課税保有枠を圧迫しない別建てとなります。なお、旧 NISAから新 NISA への切替手続きは不要です。

 まだ NISA をはじめていない方で、新 NISAの非課税保有限度額以上の余剰資金がある場合は、今年中に NISA 口座を開設することも検討してみましょう。 

 

スマホアプリ納税のメリット・デメリット

スマホアプリ納税のメリット・デメリット

スマホアプリ納税のメリット・デメリット

紆余曲折のスマホアプリ納税開始

 令和 4 年 12 月 1 日から「国税スマートフォン決済専用サイト」(スマホ専用)において、スマホアプリを利用した納税ができるようになりました。スマホアプリとは、いわゆる「〇〇Pay」と呼ばれる決済アプリです。現状利用可能な Pay 払いは、PayPay・d 払い・au PAY・LINE Pay・メルペイ・AmazonPay の 6 種類です。

 本来でしたら令和 4 年 1 月から導入される予定でしたが、コロナ禍の影響で、決済専門サイトを運営する事業者の選定が間に合わず、延期になっていました。紆余曲折ありましたが、何とか今年の確定申告期間に間に合わせたといったところでしょうか。


スマホアプリ納付のメリット

 同様に国税の支払いができるクレジットカード納付については手数料がかかりますが、スマホアプリ納付の利用については、決済手数料がかかりません。

 e-Tax 経由で直接銀行口座から引き落としで納付する「ダイレクト納付」に比べると、必要な入力事項も簡易で、〇〇Pay を普段使いしている方にとっては支払い手続きも簡単なものになっています。また、e-Taxの受信通知や「確定申告書等作成コーナー」で出力される 2 次元コードを使って決済サイトにアクセスすると、納付区分番号・納付先税務署・税金の種類・課税期間・納付税額がすでに入力された状態になるため、さらに簡単に納付ができます。


スマホアプリ納付のデメリット

 スマホアプリ納付は 1 回の納付額上限が30 万円であるため、それ以上の納付を行うためには複数回に分けて手続きを行う必要があります。

 また、各種 Pay 払いには独自に支払い上限額が設定されていて、例えば PayPay だと過去 24 時間で最大 50 万円、過去 30 日間で200 万円が支払い上限(残高使用時)、au PAYだと 1 日あたり 50 万円の支払い上限が設定されています。この支払い上限にかかってしまうと、Pay 払い自体がしばらくできなくなってしまうことになり、納付どころか普段使いもできなくなってしまいますので注意が必要です。あまり大きな額の納付を扱うことは想定していない支払い方法なのでしょうか。 


令和5年度税制改正大綱 個人所得課税編

令和5年度税制改正大綱 個人所得課税編

令和5年度税制改正大綱 個人所得課税編

個人所得課税では、「資産所得倍増プラン」をもとに、NISA制度やスタートアップ支援制度を中心に見直しが行われます。

NISAは投資枠の拡充と制度を恒久化

新たなNISA制度では、投資枠が「つみたて投資枠」として、年120万円(これまで年40万円)、「成長投資枠」として年240万円(これまで年120万円)、併用を可能にして、合計で年360万円、累計1,800万円(うち成長投資枠の累計は1,200万円)まで大幅に拡充されます。非課税となる保有期間は、無期限とし、制度の恒久化が図られます。令和6年1月から適用されます。

 

スタートアップへの再投資に非課税措置

スタートアップへの資金供給を強化するため、保有株式の譲渡益を元手にして、創業者が創業した場合やエンジェル投資家がプレシード・シード期のスタートアップに再投資を行った場合、20億円を上限に株式譲渡益に課税しない制度が創設されます。

また、ストックオプション税制の権利行使期間の上限を15年(現行10年)に延長し、スタートアップの事業を後押しします。

 

高所得者の税負担を適正化

税負担の公平化の観点から、極めて高い水準の所得者に対して、基準所得金額から3.3億円を控除した金額に22.5%の税率を乗じた金額が、基準所得税額を超過する場合には、その超過した差額について追加的に申告納税を求めます。令和7年分以降の所得税から適用されます。

相続空き家の特例は適用要件を改正

相続空き家の特例は、建物譲渡の翌年2月15日までに耐震基準に適合させるか、取壊し等を行えば適用できるようになります。また、建物、敷地の相続人が3人以上の場合、特別控除額は2,000万円とされます。令和6年1月1日からの譲渡に適用されます。

 

特定非常災害損失の繰越控除期間を5年に

特定非常災害により生じた損失について、雑損失や純損失の繰越期間を例外的に5年(現行3年)に延長します。

 
 

ふるさと納税 基本的なポイント

ふるさと納税 基本的なポイント

ふるさと納税 基本的なポイント

基本的なポイントをお話しします

  個人の所得・控除によって決まる控除上限金額までの寄附なら、自己負担が 2,000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。令和 3 年度の実績は寄附額約 8,302 億円、寄附件数は約 4,447 万件でした。TVCM やインターネットの広告等で目にすることも多く、すでにふるさと納税をしている方も多いことでしょう。

 ただ「興味はあるけどまだやったことがない」という方もまだまだいらっしゃるはず。そんな方のために、今回は基本的なことをおさらいいたします。

1 回でも良い、上限まで寄附しなくて良い

 ふるさと納税は、定期的な寄附を求めないので気軽に行うことができます。今年 1万円寄附したからといって、来年も同じ自治体に 1 万円寄附しなければならないわけではありません。その時々の「応援したい自治体」へ寄附して良いのです。

 ふるさと納税はその当年の自分の所得や控除によって決まる年間の控除上限金額までの寄附であれば、基本的には自己負担は2,000 円で済む仕組みになっています。控除上限金額の計算は、ポータルサイト等で行えます。ただ、控除上限金額はあくまで「自己負担が 2,000 円で済む上限」のため、それ以下の寄附であれば自己負担は 2,000 円で済みます。後に支払うべき税金が減ることによって戻ってきますが、一時的なキャッシュフローはマイナスになりますし、払った分-2,000 円だけ税金が減る仕組みで直接的な節税ではないため、無理に上限額全額まで使う必要もありません。

 当然、たくさん寄附をすればたくさんお礼の品が貰える分お得ですが、未経験の方で「試しに1つだけやってみよう」という使い方でも問題はありません。

税を引いてもらう手続きが必要

  寄附してそれでおしまい、というわけではなく、確定申告かワンストップ特例申請という手続きをしないと、後に税金を引いてくれません。なお、ワンストップ特例申請は「確定申告をしない方」「5か所以内の自治体への寄附」という利用条件がありますので、ご注意ください。 

なぜ給与支払者が源泉徴収義務者 で納税しなければならないのか?

なぜ給与支払者が源泉徴収義務者
で納税しなければならないのか?

なぜ給与支払者が源泉徴収義務者 で納税しなければならないのか?

源泉徴収は国の仕事の押し付けでないか?

所得税法では、給与の支払者が給与支払時に源泉所得税を天引きし、翌月 10 日までに国に納付しなければならないと規定されています。“これって国のやるべき仕事を給与支払者に押し付けているのでは?”と疑問に思ったことはありませんか?
源泉徴収制度は事前に税収を確保できる国にとって便利な制度です。滞納の未然防止や納税の簡易化、納税者の捕捉などにも資するものです。とはいえ、給与支払者にとっては手間も時間もかかる余計な仕事である上に、申告や納税が遅れるとペナルティ(=不納付加算税など)も大きい嫌な制度です。

手間の掛かる源泉徴収義務は憲法違反か?

給与支払者に源泉徴収義務を課すのは憲法違反だとする源泉徴収制度の合憲性が争われた事件がありました。原告側の主張は、源泉徴収制度は憲法 14 条 1 項(法の下の平等)、18 条(その意に反する苦役に服させられない)、29 条 1 項 3 項(財産権の侵害)に違反すると訴えたのです。
しかしながら、昭和 37 年 2 月 28 日の最高裁の判決で、「給与所得者に対する所得税の源泉徴収制度は、これによって国は税収を確保し、徴税手続を簡便にしてその費用と労力とを節約し得るのみならず、担税者の側においても、申告、納付等に関する煩雑な事務から免がれることができる。また徴収義務者にしても、給与の支払いをなす際所得税を天引きしその翌月 10 日までにこれを国に納付すればよいのであるから、利するところは全くなしとはいえない。」として訴えは退けられました。

現行の源泉徴収制度は三方よしの手法

最高裁の棄却理由として、①国の簡便手続での税収確保、②従業員は確定申告不要となる、③給与支払者の資金的利便の 3 つを理由としました。
そして、「されば源泉徴収制度は、給与所得者に対する所得税の徴収方法として能率的であり、合理的であって、公共の福祉の要請にこたえるものといわなければならない。」として、合憲としました。
以後に争われた源泉徴収制度の合憲性事件でも、この昭和 37 年最高裁判決が引用されて今日に至っています。

今年の改正税法 所得税・住民税と退職所得

今年の改正税法
所得税・住民税と退職所得

今年の改正税法 所得税・住民税と退職所得

退職所得は合計所得金額を構成するが

令和2年分の所得税の申告から、基礎控除ほか人的控除、給与所得控除、公的年金等控除、青色申告控除などの改正で、10 万円増減や段階的減額や適用除外に伴う所得計算の複雑化が顕著になりました。
合計所得金額の多寡はこの複雑化計算の要素の一つです。そして、所得税に於いては、退職所得はこの合計所得金額の構成要素ですが、住民税での通常の退職所得は、合計所得金額の構成要素ではなく、完全分離課税です。所得税と大きく異なります。

住民税では構成しないとの確認的改正

今年の住民税の税制改正では、公的年金等控除額の算定の基礎となる「公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額」には、個人住民税における他の所得控除等と同様に、退職所得を含まない合計所得金額を用いること、と所得税と住民税での公的年金等所得の計算の不統一が明確にされ、令和3年分の所得税申告に係る令和4年分の住民税の公的年金等所得・税額計算から適用となっています。

配偶者等の退職所得情報の共有化

また、関係するのは、納税者本人の退職所得だけでなく、配偶者や扶養親族の受ける退職所得もです。
今年の税制改正では、退職所得を受給する同一生計配偶者と扶養親族の氏名住所等を「扶養控除等申告書」に記載する事とし、その記載を基に、給与支払者は、「給与支払報告書」の摘要欄に「(退)」を付けて移記し、市町村に提出する事とされました。
ここでは、所得税の課税処理を基に住民税の課税処理が完結しています。

本人情報は何故か徹底させない

でも、「確定申告の手引き」には、「一般的に、退職所得に係る所得税等は源泉徴収により課税が済むことになりますので、申告書の提出は不要です。」と書かれています。
住民税の事を無視した記載です。
給与所得と退職所得だけの場合だと、年末調整関係申告書と退職所得受給申告書を提出するだけで手続き完了です。そして、これらの申告書は、宛名こそ税務署長や市町村長になっていますが、それらの機関に提出されることのない書類です。
また、法定調書としての「退職所得の源泉徴収票」は、市区町村にも提出されますが、作成範囲は法人の役員に限定です。
住民税の適正計算には除外すべき退職所得情報は不可欠なのに、なぜか不徹底です。

今年の改正税法 インボイス事業者即時登録

今年の改正税法
インボイス事業者即時登録

今年の改正税法 インボイス事業者即時登録

今年の消費税法の改正とされた条文

今年の税制改正は、「所得税法等の一部を改正する法律」という全 20 条の一括法(所謂束ね法)でなされています。この中での消費税法の改正は、第7条で消費税本法の改正、第 20 条で平成 28 年の改正税法の消費税部分(第5条)の中の未施行条文とそれに関連する附則条文の改正をしています。
平成 28 年の消費税改正はインボイス制度の導入立法です。その時の附則の規定としては、令和5年 10 月1日から、インボイス制度が開始されるので、当初からインボイス(適格請求書)発行事業者になるためには令和5年3月 31 日までに登録申請をすること、それ以後においては、特に、免税事業者がインボイス発行事業者になるには、新規に課税期間となる初日以前1月前の日までに、登録申請書を提出すること、としていました。

今年の改正で6年間の延長と即時登録に

今年の税制改正で、免税事業者が、令和5年 10 月1日から令和 11 年9月 30 日までの日の属する課税期間中に行うインボイス発行事業者になる為の登録では、任意のタイミングでよいこととし、その登録で即時にインボイス発行事業者の資格を得られることと改正されました。
この登録には、課税事業者選択届出書の提出は不要です。

2年縛りと3年縛りの制限

今年の改正の結果、任意での即時登録者には、登録日の属する課税期間の翌課税期間と翌々課税期間においては消費税の免税事業者に戻る選択が出来なくなりました。
なお、令和5年 10 月1日を含む課税期間での登録者には、改正前のまま、この2年縛りの制限はありません。
また、調整対象固定資産(100 万円以上)を取得した場合の3年縛りの制限は、即時登録した元免税事業者にはありません。理由は、3年縛りの規定が、「課税事業者選択届」を提出した者を対象とするからです。
同じ3年縛りでも、高額特定資産(1000万円以上)の取得の場合には、「選択届」提出者との限定がないので、制限ありです。

税法本法の規定なのに

措置法的な、令和 5.10.1~令和 11.9.30というインボイス登録時限規定は、消費税法本法本文上の規定としては不自然です。
その通り、これは本文規定ではなく、附則の規定、それも平成 28 年改正税法の中の附則第 44 条についての本年改正規定です。