01-法人税

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても経費にはなります 

税務署への証明資料という観点からの領収書とは、払った事実を証明するための物ですから、払った事実が証明できれば、いわゆる「領収書」は、無くても良いのです。

そう聞くと「おや?」と思われるでしょうが、皆さんがよく使われる銀行の振込によって金銭等を受領した時には、領収書を作成しない場合がありますよね。なぜ作成しないかと言えば、支払った側から要求されないからです。なぜ支払った側が要求しないのかと言えば、銀行振込の場合は領収書が無くても、その支払の事実は証明できるからです。 

ただし、支払った側から要求された場合は領収書を発行しなければなりません。

交通費などはどうするの? 

新幹線などは領収書がもらえますが、少額の電車やバスの運賃はまず領収書はもらえません。Suica(スイカ)等の交通系電子マネーはチャージした時に領収書はもらえますが、今では電車やバスだけでなくほとんどの支払いに使えますので、チャージした領収書をもって交通費にはできません。

電車賃やバス代等は日報のようなものに、金額とどこへ行ったのかを記録しておく必要があろうかと思います。

交通系電子マネーは各社利用履歴を閲覧等可能ですが、例えばJR東日本のSuicaの場合はモバイルアプリや会員メニューサイトですと26週以内かつ最大100件までしか確認できませんから、経費精算や記帳に利用する場合は履歴をこまめに取るように心がけましょう。 

お祝いや香典はどうするの? 

いわゆる慶弔費ですが、慶弔費については、招待状や礼状を保管しておけば、社会通念上(常識的に)妥当な金額であれば領収書等がなくても、通常支払の事実の証明までは求められません。

また、結婚式やお葬式などに参加する際に、会場への移動や宿泊が必要となった場合は、この交通費や宿泊費も経費として処理が可能です。宿泊費が発生する場合などは、きちんと領収書をもらうようにしましょう。 

令和7年度税制改正大綱 ③法人課税編

令和7年度税制改正大綱 ③法人課税編

令和7年度税制改正大綱 ③法人課税編

中小企業者等の軽減税率の特例は2年延長

中小企業者等の法人税率は所得金額800万円以下について15%とされています。この軽減税率の適用期限を2年延長したうえで、所得金額が年10億円を超える事業年度については、税率を17%に引き上げます

中小企業投資促進税制は2年延長

中小企業投資促進税制は、適用期限を2年延長します。

売上100億超を目指す中小企業の支援措置

中小企業経営強化税制は、中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合に特別償却または税額控除ができる制度です。 

適用期限を2年延長したうえで対象に売上高100億円超を目指し、一定の要件を満たす中小企業の設備投資を追加します。うち建物および附属設備(合計額1,000万円以上)の特別償却率と税額控除率は、供用年度の給与増加割合が2.5%以上の場合、それぞれ15%と1%、給与増加割合が5%以上の場合、それぞれ25%、2%とします。ほかにA類型は経営向上指標を見直し、B類型は投資利益率を7%以上に引き上げ、C類型のデジタル化設備、暗号資産マイニング業の設備は対象から除外し、新たに食品等事業者の設備が適用対象となります

地域未来投資促進税制を3年延長

地域未来投資促進税制は、地域経済牽引事業の促進区域内で特定事業用機械等を取得した場合に特別償却または税額控除ができる制度です。適用期限を3年延長し、機械装置及び器具備品の特別償却率を35%(現行40%)に引き下げ、規模要件を1億円以上(現行2,000万円以上)、前年度の減価償却費の25%以上に引き上げたうえで特別償却率50%、税額控除率5%とする上乗せ措置の対象設備に新たな類型を追加します

企業版ふるさと納税を3年延長

企業版ふるさと納税制度は、企業が寄附を通じてノウハウ、アイデア、人材を提供し、官民連携で地方への資金の流れを創出、人材還流を促して地域の社会課題の解決をはかる制度です。企業は寄附額全額を法人税の損金に算入して約3割の税額を軽減、4割は法人住民税の税額控除、2割は法人事業税の税額控除を受けるので自己負担は1割で地方創生を応援することができます

一方、地方再生計画の認定が取消される不適切事案が発生したため、寄附活用事業の執行上のチェック機能の強化や活用事業の透明化等を措置したうえで適用期限を3年延長します。 


代表取締役等住所非表示措置の創設-10月から非公開可能に!

代表取締役等住所非表示措置の創設-10月から非公開可能に!

代表取締役等住所非表示措置の創設-10月から非公開可能に!

登記の社長住所を非公開にできる制度創設

令和6年4月16日の商業登記規則等の一部を改正する省令(令和6年法務省令第28号)により、代表取締役等住所非表示措置が令和6年10月1日から施行されることとなりました。この措置は、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人(以下「代表取締役等」といいます)の住所の一部を登記事項証明書や登記事項要約書、登記情報提供サービス(以下「登記事項証明書等」といいます)に表示しないこととする措置です。 

平たくいうと、これまで登記簿謄本で表示されていた社長の自宅住所を、一定の要件の下、表示しないようにする制度です。ただし、最小行政区画=市区町村まで(東京都においては特別区まで、指定都市においては区まで)は記載されます。

代表取締役等住所非表示措置の要件 

代表取締役等住所非表示措置を講ずることを希望する者は、登記官に対してその旨申し出る必要があります。この申出は、設立の登記や代表取締役等の就任の登記、代表取締役等の住所移転による変更の登記など、代表取締役等の住所が登記されることとなる登記の申請と同時にする場合に限りすることができます。そのため、住所の非表示だけを求めての申し出はできません。なお、申し出に際しては、株式会社が受取人として記載された書面がその本店の所在場所に宛てて配達証明郵便により送付されたことを証する書面等の添付が必要となります。 

非表示のデメリットも事前考慮が必要です 

代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合には、登記事項証明書等によって会社代表者の住所を証明することができないこととなるため、金融機関から融資を受けるに当たって不都合が生じたり、不動産取引等に当たって必要な書類(会社の印鑑証明書等)が増えたりするなど、一定の支障が生じることが想定されます。 

そのため、代表取締役等住所非表示措置の申出をする前に、このような影響があり得ることについて、慎重かつ十分な検討が必要です。 

顧問の税理士や司法書士などと今後の事業展開とその際の非表示の影響をよく話し合っての検討をお勧めします。 

国税庁からのお知らせ 令和7年1月から控えは印なしに

国税庁からのお知らせ 令和7年1月から控えは印なしに

国税庁からのお知らせ 令和7年1月から控えは印なしに

申告書等の控えに収受日付印を押さない

 国税庁は令和6年1月4日に、令和7年1月以降は申告書等の控えに収受日付印の押捺を行わないこととする、と発表しました。対象となる「申告書等」とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類の他、国税庁・国税局・税務署に提出される全ての文書とのことです。

 令和7年1月からの書面申告等における申告書等の送付時には、申告書等の正本(提出用)のみを提出してください、とWeb上でお願いしています。また、必要に応じて自身で控えを作成、提出年月日の記録・管理をするようにも呼びかけています。


申告書等の提出事実を証明する方法

 例えば個人が融資を受ける、奨学金の申請を行う、保育園の手続きする、等の際に確定申告書の控えを要求されることがあります。ただ、この控えについては「収受印があること」が控えたりうる要件であり、収受印がない控えについては、個人の収入等が証明できないため、各種手続きに利用できない可能性が大です。

 オンラインサービスを利用せず、紙媒体で効力のある収入証明を手に入れる場合には、税務署に対して「保有個人情報の開示請求」を行うか、「納税証明書の交付請求」を行う必要があります。

 個人情報の開示請求は手数料300円、納税証明書は税目ごと1年度1枚につき400円です。

オンラインなら無料

 e-Taxを利用した申告であれば、申告等データの送信が完了した後に、税務署からの受信通知がメッセージボックスに格納されます。ここから申告書等のPDFファイルを無料でダウンロードすることができ、こちらには受付日時等が記載されますから、旧来の控えの役割を果たすものが欲しい人はe-Taxを活用しなさいね、という風に聞こえます。

 国税庁は税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を進めているとしていて、その一環の措置とのことなのですが、便利な機能が増えて利便性が向上する方が多い一方、インターネット等のサービスを上手く使えない方にとっては不便になることは確かです。また、不便ならまだしも「手続き等ができない人」が出てきてしまわないか、少し心配になります。


令和6年度税制改正大綱 法人課税編(大企業・中堅企業)

令和6年度税制改正大綱 法人課税編(大企業・中堅企業)

令和6年度税制改正大綱 法人課税編(大企業・中堅企業)

賃上げ促進税制(大企業、中堅企業)

 今まで対象外だった企業・社会保険の適用対象者が拡大されます。改定ポイントは
① 以前より小規模な企業(従業員数が常時100人超)も対象になる
② 勤務期間が短い(2か月超)労働者も対象になる
現行では人員規模が500人超企業が対象でしたが、規模が100人超に引き下げられ、さらに2024年10月には50人超に引き下げられます。企業規模の従業員数とは社会保険の被保険者数で判断します。
人数は月ごとに数え直近12か月のうち6か月で基準を上回ると対象事業所です。
また、短時間労働者の範囲は1年以上雇用の方が対象でしたが、2か月を超えて雇用していれば対象になります。

戦略分野国内生産促進税制の創設

 経済安全保障や環境負荷低減に資する物資の国内供給力を高める税制(戦略分野国内生産促進税制)が創設されます。産業競争力強化法に定める事業適応計画に基づいて半導体、電気自動車などを生産する設備投資を行う事業者には、販売数量に応じた金額を生産用資産の取得価額を基礎とした額の範囲内で税額控除します。計画認定後10年を対象とし、控除限度超過額は4年間(半導体は3年間)繰越しできます。

イノベーションボックス税制の創設

 国内で自ら研究開発した知的財産から生じる所得への課税を優遇する税制(イノベーションボックス税制)が創設されます。特許権、AI分野のソフトウエアに係る著作権について居住者や内国法人への譲渡、他の者への貸付けによる所得金額のうち一定額の30%相当額を損金算入、令和7年4月1日以後開始する事業年度から適用します。


外形標準課税は課税逃れに歯止め

 資本金を1億円以下に減資して外形標準課税の対象外となる法人が増加する中、現行基準(資本金1億円超)は維持します。ただし、当分の間、前事業年度に外形標準課税の対象であった法人が資本金1億円以下になった場合でも、資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超える場合は外形標準課税の対象となります。令和7年4月1日に施行し、同日以後に開始する事業年度から適用されます。



令和6年度税制改正大綱 法人課税編(中小企業)

令和6年度税制改正大綱 法人課税編(中小企業)

令和6年度税制改正大綱 法人課税編(中小企業)

賃上げ促進税制の強化(中小企業者等)

中小企業の6割は欠損法人であることから、これまで賃上げしても税額控除のメリットを受けることができませんでした。

6年度改正では、新たに5年間の繰越控除制度を設け、赤字企業にも賃上げのインセティブを持たせます。教育訓練、子育てと仕事の両立支援、女性活躍の推進を行う企業には税額控除率が上乗せされ、税額控除率は最大45%(法人税額の20%が上限)となります。

                       適用要件          :    税額控除率
・雇用者給与等支給額    前年比1.5%以上増加:増加額の15%
                            前年比2.5%以上増加:増加額の30%
教育訓練費支給額        前年比5%以上増加、雇用者給与等支給額の0.05%以上:10%加算
子育て・女性活躍支援
      プラチナくるみん、プラチナえるぼし、くるみん、えるぼし(2段階目以上):5%加算

事業再編投資損失準備金制度は拡充

中堅・中小企業が成長するためには、M&Aにより人材や技術を有する中小企業を子会社化し、グループ再編を通じて経営資源を集約することが必要となります。このとき、簿外債務や偶発債務を負担するリスクに備え、株式取得額に対応する事業再編投資損失準備金を損金として積み立てる制度です。

6年度改正では、産業競争力強化法に定める特別事業再編計画の認定を受けた事業者は、最初に取得した株式等について取得価額の90%、それ以外は100%を損金算入できるようになります(現行70%)。据置期間を10年(現行5年)とし、その後5年間で均等額を取崩して益金に算入します。

上記の措置を講じ、令和9年3月31日まで3年間の延長となります。

交際費等は、飲食費の除外枠が1万円に

飲食費について交際費等の損金不算入となる範囲から除外される金額は、1人当たり1万円以下(現行は5千円以下)に引き上げられ、令和6年4月1日以後に支出する飲食費から適用されます。

また定額控除限度額(800万円)までを損金に算入できる特例も3年延長されます。

令和5年度税制改正大綱 法人課税編

令和5年度税制改正大綱 法人課税編

令和5年度税制改正大綱 法人課税編

法人課税では、成長と分配の好循環を実現するための制度改正が行われます。

オープンイノベーション促進税制の見直し

 オープンイノベーション促進税制は、スタートアップ等への出資額の25%を課税所得から控除するものです。これまでは発行法人の株式を出資の払込みにより取得する場合に適用が限定されていましたが、M&Aにより発行法人以外の者から取得する場合にも適用できるようになります。発行法人は内国法人であること、取得価額は5億円以上(上限200億円)、取得後に議決権の過半数を有するものが対象です。

 

研究開発税制はインセンティブを強化

研究開発税制では、税額控除率のカーブを見直すほか、一般型では税額控除の上限を試験研究費の増減割合に応じて変動させる(25%→20%~30%)改正が行われます。

 

一般型

増減試験研究費割合A 税額控除率

A>12% 11.5%+(A-12%)×0.375% 上限14%

A≦12% 11.5%-(12%-A)×0.25% 下限1%

 

中小企業技術基盤強化税制

増減試験研究費割合A 税額控除率

A>12% 12%+(A-12%)×0.375% 上限17%

A≦12% 12% -

 

オープンイノベーション型

 特別試験研究費の範囲に、特別新事業開拓事業者との共同研究や委託研究に係る試験研究費や、博士号取得者、10年以上専ら研究業務に従事した役員・使用人に対する人件費が加えられます。

 

学校法人の設立のための寄付金は損金算入

「人ヘの投資」を強化するため、大学、高等専門学校などを設置する学校法人の設立を目的とする法人に支出する寄附金で設立のための費用に充てたものは、指定寄附金として損金の額に算入されます。

外形標準課税のあり方の見直し

 

外形標準課税については、資本金を1億円以下に減資すること等により、課税対象からはずれる法人が増加していることを踏まえ、与党税制改正大綱では、大規模法人を対象に制度の見直しを検討する方針です

 
 

役員報酬の改定は新事業年度開始から 3 か月以内

役員報酬の改定は新事業年度開始から 3 か月以内

役員報酬の改定は新事業年度開始から 3 か月以内

取締役の報酬の改定(法人税法の観点から)

 取締役の報酬は、「定款に定めのないときは、株主総会の決議によって定める」と会社法で規定されています。これはお手盛りによる弊害を防ぐためです。

 さらに、法人税法では、役員(=取締役の他、税法上のみなし役員も含みます)に対する報酬は、定期同額給与でなければ損金算入されません。役員報酬の増減で法人の利益操作をすることを防止するためです。

 そして、その改定は事業年度開始の日から 3 か月以内にされたものでなければ損金不算入となります。

新報酬決定後の改定

 一般的には、定款の変更ではなく、決算承認が行われる定時株主総会で役員報酬の改定が決議されることになると思われます。そして定時株主総会は、会社ごとに決算を締める所要時間を鑑みて、たとえば 2 か月目の 25 日前後などと、ほぼ毎年同じ時期に開催されているものと思われます。

 もし、新規の大きな売上が発生し会社の利益増が予想できる場合において、1 か月でも早く役員報酬の増額をしたいと考えたときには、定時株主総会を前倒しするか、臨時株主総会を開催して、新事業年度 1 か月目から増額した役員報酬を適用させることもできます。

 また逆に、存外に顧客の離脱(=顧客の倒産もままあります)が発生し、計画していた売上と利益が大幅に減るような事態となった場合にも、事業開始 3 か月以内であれば、減額改定もできます。

 この 3 か月という期限を超えた増・減額改定は、法人税法における損金不算入となります。

 しかしながら、個々の事情に照らし、税務上の取り扱いが判断されますので、業績等の悪化により役員給与の額を減額することをご検討の際は、顧問税理士とよく相談してください。

 

社会保険料月額変更の影響も考慮のこと

 役員報酬の増減は会社の損益に影響しますが、もしその増減の幅が大きければ(=社会保険の標準報酬の等級が2以上変動する場合)、会社負担の社会保険料の金額も増減します。そのため、役員報酬額の増減について検討する際は、社会保険料の増減の影響も踏まえた上でのシミュレーションが必要です。 

交際費と社内飲食費

交際費と社内飲食費

交際費と社内飲食費

交際費制度はそのまま延長

  令和 4 年度税制改正で、交際費の損金不算入制度および接待飲食費に係る特例については令和 2 年度の改正内容を踏襲し、そのまま 2 年間延長することとなりました。

①支出する交際費等の額のうち接待飲食費(1 人当たり 5,000 円を超える分)の額の 50%相当額は損金算入

②資本金又は出資金の額が1億円以下の中小企業は支出する交際費の額のうち年800 万円までは損金算入

※中小企業はどちらかを選択適用

「①について、資本金の額等が 100 億円を超える法人を除外」も据え置きです。

飲食費は社内・社外で対応が異なる

 資本金 1 億円超の企業であっても、社外への接待飲食費については 1 人当たり5,000 円以下の飲食であれば税務上交際費に含めず、全額を損金にできます。また、自社の役員・従業員・親族に対する接待等のために支出するものは、5,000 円以下であっても交際費に該当します。ただし、社内の「(参加の可否はともかく)社員全員を対象とした忘年会等」の飲食費については、社会通念上妥当な金額であれば、福利厚生費として扱います。

「社内飲食費」なのかが微妙な判定も、国税庁の Q&A で例示されています。親会社の役員や、グループ内の他社の役員等に対する飲食費、同業者同士の懇親会等で支出する自己負担分の飲食費については、「社内飲食費」には該当しません。こういった場合は 1 人当たり 5,000 円以下であれば税務上交際費には該当せず、全額損金算入が可能です。


では、出向者の飲食費はどうなる?

 出向者の場合は、その出向者が出向先法人の立場で飲食等の場に出席したか、出向元法人の立場で出席したかにより、判断することになります。

 例えば、親会社からの出向者が出向先の子会社の役員等を接待する会合に、子会社の役員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は、「社内飲食費」には該当しません。他方、出向者が親会社の懇親会の席に、あくまで親会社の社員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は、社内飲食費に該当することとなります。 

今年の改正税法 完全子法人株式配当の源泉税

今年の改正税法
完全子法人株式配当の源泉税

今年の改正税法 完全子法人株式配当の源泉税

会計検査院は税制改正を促す為に検査

会計検査院の指摘があったので、税制改正をしました、という事例が増えています。
会計検査院は、平成 29 年度から令和元年度に完全子法人株式等又は関連法人株式等を保有している 1667 社を検査対象法人とし、そのうち、完全子法人株式等又は関連法人株式等に係る受取配当等に対する源泉所得税相当額について所得税額控除を適用したことにより還付金が生じた法人が 1262社あり、それらに支払われた還付金が約8898 億 6092 万円となっており、うち還付加算金が生じていた法人は延べ 888 法人で、その額は 3 億 6563 万円、さらに、うち 423社は、源泉徴収した全額が課税対象外の配当金に係るものだった、と記していました。

制度の趣旨に沿ってない逸脱規定

また、完全子法人株式等に係る配当に源泉徴収をしていたことから、企業側に一時的な資金負担をさせた上で、税務署側に於いて源泉所得税の徴収の事務、還付の事務が生じ、その上、還付加算金の事務と実の国庫負担が生じており、これらは、税の効率的かつ確実な徴収の制度趣旨に沿ったものとは言えず、むしろ逸脱ではないかとのニュアンスの指摘をしました。

国税は素直に対処するが問題アリと

会計検査院の指摘は、令和2年 11 月 10日に内閣に送付された「令和元年度決算検査報告」においてなされており、財務省は、令和4年度の税制改正でこれに応じ、完全子法人株式等と3分の1超所有の株式等とに係る配当について所得税課税対象外とし、その支払いをする法人の源泉徴収事務も不要としました。
ただし、令和4年度の改正だけでは、税収減少になるので次の税制改正で対応策を打出す、としています。

税収減対策にどう対処するのか

確かに、この件の令和4年度の改正は、所得税法での改正のみで、法人税法での改正はなされていません。特に、M&Aで、新たに子会社になった場合などでは、源泉所得税額控除の月割計算により不完全還付になる場合がありますので、その分は確かに税収減に繋がります。
財務省には、税収減対策の秘策がありそうです。それは従来制度の原理的変更を伴う大がかりなものなのかもしれません。