玉田篤志

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターを覗こう

M&Aに興味のある人や、人生 100 年時代で模索している退職後の人や、サイドビジネスを探している人や、会社の次のステップを睨んでいる経営者などなど、国営の事業承継・引継ぎ支援センターを覗いてみては、いかがでしょうか。
もちろん、廃業や継承者不在、倒産の心配で悩んでいる人については、是非とお勧めします。
何か、新しい出会いに遭遇するかもしれません。

事業承継・引継ぎ支援センターとは

事業承継・引継ぎ支援センターは、全国47 都道府県に設置され、円滑な事業承継・引継ぎのための助言、情報提供及びマッチング支援、研修、広報活動を行っています。
中小企業のM&A支援の実務に精通した専門家が秘密厳守で、無料にて、相談に応じている、と広報されています。
民間のM&A機関を活用してM&A実行中のケースに対し、セカンドオピニオンの役割も担う、とも言っています。

ホームペーシの案内によると

事業承継・引継ぎ支援センターのホームページを覗くと、第三者承継支援(M&A)、親族内承継支援(MBOや傍系親族承継)、後継者人材バンク(創業目的個人による創業承継)、経営者保証に関する支援(経営者個人連帯保証解除、経営者個人居宅に設定の連帯保証抵当権設定解除)を参考項目として挙げています。
民間M&A機関がターゲットにしない、小規模企業に関わる案件や相談を相対的に多く担っています。件数も、2020 年では、年間3~4千件のうちM&A大手3社計760 件に対し、事業承継・引継ぎ支援センター1379 件との記載があります。

民間M&Aの企業や有識者との連携

昨年末からは、民間M&Aプラットフォーマーとの連携に舵を切り、事業承継・引継ぎ支援センターの相談者情報とプラットフォーマーの顧客情報の相互乗り入れに踏み出しています。
その上で、最近は、優秀なM&A支援人材や経営者OB人材を全国的に公募しています。同時に、M&AのFAや金融・税務・法務等やDBに係るITの専門的な知見のある実務経験者の出向を全国公募により民間企業等から受け入れています。
自力強化と連携強化を図っています。

遺贈寄附という選択

遺贈寄附という選択

遺贈寄附という選択

いつか自身に起きる相続。これまでの人生を振り返り、生きた証として財産を社会に貢献する事業に役立てたい、そんな思いを伝える手段の一つが遺贈寄附です。

遺言による遺贈寄附と相続財産の遺贈寄附

遺贈寄附とは、国や地方公共団体、公益法人等に、財産を遺言で贈与すること、及び、被相続人の生前の意思を引継いだ相続人が、相続財産を贈与することをいいます。

遺贈寄附の手続き

まずは遺贈先の選定です。新聞、雑誌、TVの報道、ネット情報から社会貢献する団体の活動に触れて支援する法人を探します。
紛争地帯で医療や住居などを支援するNPO 法人は、寄附先としてお馴染みですが、最近は博物館や地方自治体の動物園など、親しんだ団体に遺贈する人もいるようです。
寄附は現金のみ受付し、不動産は売却、換金したうえで遺贈を求める団体が多数ですが、不動産を受け入れる団体もあります。
遺贈先が決まったら、遺言執行者を選定して遺言書を作成します。税理士をはじめ、弁護士、司法書士、行政書士など専門家に相談しましょう。遺言は公正証書遺言、または自筆証書遺言を選択できます。

不動産等の遺贈は譲渡所得課税に注意!

土地や建物、株式など譲渡所得の基因となる財産を法人に遺贈した人には、その財産の取得から遺贈時までの値上り益に譲渡所得税が課されますが、国税庁長官に申請して承認を受けた場合は非課税となります。
ただし、遺贈した人の所得税の負担や、遺贈した人の親族のほか特殊関係人の相続税、贈与税の負担を不当に減少させる場合には、非課税承認は取り消され、遺贈した人、又は遺贈先の法人に譲渡所得税が課されることになるので注意を要します。
また、相続人が被相続人の意思を引継ぎ、相続財産を国や地方公共団体、公益法人等に贈与する場合にも相続税を非課税とする制度があります。この場合も不動産等の贈与について譲渡所得税を非課税とするには、国税庁長官の承認が必要です。

相続人の遺留分にも配慮を忘れない!

社会の高齢化が進むなかで遺贈寄附の希望者も増えていくのではないでしょうか。
ただし、相続財産には遺留分があります。
遺贈寄附を決めるときは、相続人の遺留分にも配慮して後でトラブルが生じないよう検討することを忘れないようにしましょう。

「せめて正月の餅代を」 年末調整による不足額徴収繰延

「せめて正月の餅代を」
年末調整による不足額徴収繰延

「せめて正月の餅代を」 年末調整による不足額徴収繰延

「正月の餅代」という慣用句

日本では年末の臨時収入やボーナスを「正月の餅代」と表現することがあります。
といっても「正月の餅代もない」とか「正月の餅代くらいだよ」といった「わずかな金額」というネガティブな表現が多いですね。
そもそもこの「餅代」は江戸時代、商家や職人の主人から番頭・手代への年末のボーナスとして渡されていた包み金だそうで、その頃からすでに年末のボーナスという制度があったというのはサラリーマンの歴史や文化とも言うべきもので、ちょっとロマンを感じられますね。
ちなみに夏季に支給されるボーナスのことは「氷代」と言ったりもするようです。

年末調整時の追加税額を来年に払える

年末調整の計算によっては、所得税の不足額が発生する場合があります。その際には 12 月分の給与から、源泉所得税を追加で徴収するのですが、その不足額を 12 月分の給与から徴収してしまうと 12 月分の税引き後の給与額がその年の 1~11 月の平均金額の 70%未満となる場合には「年末調整による不足額徴収繰延承認申請書」という書類を個人が給与の支払者を経由して、支払者の所得税の納税地の所轄税務署長に提出すれば、不足額については翌年 1 月、2 月に1/2 ずつ支払ってよいという制度が存在します。

使用制限が厳しいし、額もそれほどでも?

まず、他の月との比較で税引き後の給与の額が 70%未満にならないと利用できないため、通常の会社員で報酬にばらつきがなければ、年末調整でよほどのこと、例えば「扶養親族がたくさんいたのに全員働きだして控除額が大幅に減った」というようなことがない限りは、給与の額が 70%になることは稀でしょう。ただ、インセンティブ等で毎月報酬が変わる方で、12 月の給与が大幅に少なく、さらに生活が苦しい人にとっては利用する価値のある制度かもしれません。
とは言え、調整税額の繰延べですから、基本的には大きな金額にはならないはずですし、来年には支払わなければなりません。
「せめて正月の餅代くらいは」という、お上の恩情のような制度ですね。

従業員の配偶者に対する 健診費用の会社負担

従業員の配偶者に対する
健診費用の会社負担

従業員の配偶者に対する 健診費用の会社負担

従業員に対する健康診断は会社の義務

労働安全衛生法 66 条により、「事業者は、労働者に対し医師による健康診断を行わなければならず、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければならない」とされています。こうした健康診断の受診費用は、通常必要と認められる範囲を超えるものを除き、会社の福利厚生費として扱われます。
なお、労働者ではない役員は、厳密に言うと労働安全衛生法の対象者ではありません。しかしながら、健康管理義務がないわけではありませんので、法律上での義務がなくても健康診断を受診してもらうことで、実務上のリスクを下げることができるため、同様に会社の福利厚生費となります。
ただし、受診費用の負担対象者が役員や特定の地位にある者だけとされている場合には、その者に対しての給与として課税されます。この場合には、経済的利益に係る給与として源泉徴収を行う必要が生じます。
さらに、役員の場合、定期同額給与に該当しない給与(賞与)として法人税の課税対象として扱われることにもなります。

役員・使用人の配偶者の健診費用会社負担

会社が役員または使用人の配偶者分の健診費用を負担している場合には、その役員または使用人の給与(経済的利益の供与)として扱われます。課税扱いとなる理由は、会社は、法律上、配偶者の健康診断の実施義務を負っているわけではないためです。
また、一部大企業では配偶者分も会社負担となっているところもあるようですが、まだまだ社会一般的に行われているとは認められていないため、経済的利益の供与=給与扱いとなります。給与扱いとなるわけですから、それに係る所得税の源泉徴収を忘れないようにしなければなりません。

健診費用の消費税での課税仕入れ不課税

会社の福利厚生費として扱われる健診費用は、自由診療に該当するため、消費税が課税されています。消費税の計算においては課税仕入れとして扱います。
一方、給与扱いとなる健診負担分(配偶者や特定の地位にある者だけへの負担)にも、消費税は課されています。しかしながら勘定科目上は給与扱いですので、消費税の計算においては給与=不課税となります。
領収書に消費税額の記載があるからと言って、課税仕入れとして扱わないように注意が必要です。

長男の嫁の介護報酬

長男の嫁の介護報酬

長男の嫁の介護報酬

相続人以外の者は、遺産分割協議の対象とならず、被相続人の療養看護に努めてもこれまで経済的な保障はありませんでした。
しかし、令和元年7月から民法改正により、長男の嫁など相続人以外の親族にも「特別の寄与」の制度が創設され、相続人に限定される寄与分と同様の算定による特別寄与料の請求が認められるようになりました。

療養看護による特別の寄与

「特別の寄与」の制度は、被相続人の親族(相続人以外)で無償により被相続人の療養看護その他の労務を提供し、被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした者が、相続人に対し、寄与に応じた額の金銭の支払を請求できるものです。相続人との間で協議が整わない場合、家庭裁判所に協議に代わる処分を請求できますが、相続の開始及び相続人を知った時から6か月以内、または相続開始から1年以内に限られます。
これまでの家庭裁判所の審判による寄与分の評価は、介護サービス報酬の単価に介護日数を乗じ、寄与の態様に応じた裁量割合を考慮して算定しますが、その評価額は数百万円程度です。内閣府の統計調査(2016年)でも専業主婦による家事活動の評価額を年間で約 300 万円としています。

特別寄与料は、みなし遺贈として課税

特別寄与料の課税上の扱いは、被相続人から遺贈により取得したものとみなして相続税が課税されます。長男の嫁の場合、被相続人の一親等の血族及び配偶者ではないため、相続税額は2割加算となり、特別寄与料の確定を知った日の翌日から 10 か月以内に、相続税申告書の提出が必要です。
一方、特別寄与料を負担する相続人は、特別寄与料の負担分を債務として控除できます。また、既に相続税の申告書を提出していたときは、更正の請求ができます。

適切な評価を受けるために

嫁が介護にどれだけ努めていたかは、家族が一番、見てくれていますが、それでも特別寄与料の算定に適切な評価を受けるためには、家庭内で被相続人の療養看護によって財産の維持・増加に努めた行動記録を残しておくことが肝要です。
また、特別寄与者は被相続人の心のケアを担う反面、様々なストレスも負っていることでしょう。それに報いるためには、遺贈を選択することもできます。もちろん、最後は、長男の妻に対するリスペクトが支えになることは言うまでもありません。

副業・兼業における 労働時間管理

副業・兼業における
労働時間管理

副業・兼業における 労働時間管理

副業・兼業をする雇用者が増加

厚生労働省は 2018 年1月以降、「モデル就業規則」に「副業・兼業」という章を追加し、副業・兼業を原則容認する内容に変更しています。
厚生労働省によれば、副業を希望する雇用者数(雇用者に占める割合)は、1992 年の 235 万人(4.5%)から 2017 年 385 万人(6.5%)へ右肩上がりで伸びており、副業雇用者数も、1992 年の 76 万人から 2017 年には 129 万人へ増えています。

労働基準法改正による労働時間管理

中小企業には 2020 年4月(大企業は 2019年4月)から、時間外労働の上限規制(罰則あり)が適用されています。
36 協定による原則の上限時間(月 45 時間、年 360 時間)を超える場合は、36 協定で特別条項を締結することにより、月 100 時間未満、2~6月平均 80 時間以下、年 720 時間以下までの時間外労働が認められます。
労働基準法 38 条1項では、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、(中略)通算する」としており、事業主(会社)が異なる場合でも通算されます。
なお、労働基準法上の労働者でない場合(フリー、独立・起業、共同経営など)や、労働時間規制が適用されない場合(農業・畜産業・水産業、管理監督者など)は、労働時間を通算する必要はありません。

副業・兼業での労働時間管理

副業・兼業における原則的な労働時間管理のポイントは雇用契約を結んだ順番です。
例えば、A社(1日5時間、残業なし)で雇用されている労働者が、新たにB社(1日3時間、残業2時間)で雇用された場合、1日のうち、B社で勤務後にA社で勤務したとしても、後で雇用契約を結んだB社の2時間が時間外労働となります。
なお、副業・兼業開始前に両社の合計所定労働時間を法定内で設定する「管理モデル」を導入した場合は、法定労働時間を超えた時間に働いている会社で割増賃金が発生することになります。

VRIO分析とは ~会社の経営資源の分析~

VRIO分析とは
~会社の経営資源の分析~

VRIO分析とは ~会社の経営資源の分析~

VRIO 分析とは?

VRIO 分析とは、価値(value)、希少性(rarity)、模倣困難性(inimitability)、組織(organization)の 4 つの点から、自社の経営資源の分析をする方法です。昨今は社会の変化スピードも目まぐるしく、コロナの影響で会社の強みが活かされなくなってきた、という方もいらっしゃると思います。初心に立ち返り、今一度会社の持つ経営資源の洗い出しをしてみてはいかがでしょうか? 分析に利用する 4 つの観点は以下の通りです。
①価値:会社の持っている資源に価値はあるのか。その資源や能力があれば、外部環境の機会を逃さず脅威に打ち勝つことができるか、ニーズがあるのか。この時点で Noの場合は「競争劣位の状態」となります。
②希少性:会社の持っている資源は珍しいものか。競争相手もその資源を保有していれば希少性は下がるし、保有していなければ希少性は上がる。例えば「競合先も保有している資源である」という場合は、「競争均衡の状態」になっている資源となります。
③模倣困難性:会社の持っている資源は真似し辛いか。真似しようとするとコスト面で不利になったり、特許を取得していたりすることによって模倣が困難かどうか。この時点で No の判定ならば「一時的な競争優位の状態」になっている資源となります。
④組織:その資源を使える組織力があるか。資源や能力を十分に引き出し発揮できる会社・組織になっているか。この時点で No であれば「持続的な競争優位であるが資源を最大限生かせていない状態」となります。

分析の手順は常に V→R→I→O で

VRIO 分析は常に「価値→希少性→模倣困難性→組織」の順で行います。4 つの項目がすべて Yes であれば、「持続的な競争優位であり、資源を最大限生かせている状態」と言えます。
この VRIO 分析は SWOT 分析と同じように、会社の保有している資源の強み弱みを明確にして、強みを生かした戦略や、弱点を補完する方法を考える出発点になります。

損害賠償金と相続税

損害賠償金と相続税

損害賠償金と相続税

自動車事故、航空機事故、海難事故、企業災害などによる人身事故で死亡したときの損害賠償金をめぐる課税関係を整理してみました。

損害賠償金の支払われるまでの態様

損害賠償金については、次の2つのケースが考えられます。
① 損害賠償請求が係争になっていて、その決着がつかないまま遺族に係争が引き継がれた場合。
② その支払いの請求を遺族が行った場合

相続税は課税が基本?

財産評価基本通達をみると、訴訟中の権利の価額は適正に評価するものとしているので、課税を基本原則に置いているようにみえます。
しかし、被害者本人の利益のための係争の部分と遺族の利益のための係争の部分が交錯もしています。

保険金の場合も同じ

損害賠償金を構成する内容には、死亡した被相続人に発生した損害賠償請求権を相続したと解される部分と、遺族の固有の権利として、遺族に原始的に発生したと解される部分とが併存しています。遺族固有の権利部分は、当然に相続財産を構成しないし、所得税非課税の規定の適用もあります。
相続取得分と解される部分について相続税を課税するとなると、按分が必要となりますが、按分はいつでも容易にできるとは限りません。

保険金の場合とのアンバランス

死の代償としての金銭という意味では保険金と変わりませんが、保険金についてはあるような相続人一人当たり 500 万円非課税の規定の適用が損害賠償金にはなくバランスを失しています。

課税実務は相続税非課税

そんな問題を避けるためか、損害賠償金のうち被相続人について生じたと解される部分は全体の中では副次的部分にすぎず、これを無視したとしても特に課税上弊害があると考えられない、との趣旨で全部を遺族固有の慰謝料・損害賠償金との扱いをしています。相続税非課税ということです。
すでに現金を手にした人とのバランスは失しますが、損害賠償金への課税が国民感情にそぐわないとの判断が優先しているように見受けられるところです。

年末調整の訂正は いつまでできるの?

年末調整の訂正は
いつまでできるの?

年末調整の訂正は いつまでできるの?

「12 月末」の状況を申告するものです

会社勤めの方でしたら、12 月の上旬ごろに経理の方に「早く年末調整の書類を出してください」とせかされたことがあるかと思います。そんな中で、提出した年末調整の内容が、12 月末の状況とは異なる場合は、訂正することができます。
年末調整はその年の 12 月末日の状況を申告するため、書類を出した後に「子供がアルバイトを熱心にやっていたため、扶養親族から出てしまったのが発覚した」とか「生命保険料の新規契約を 12 月に行った」とか「離婚してひとり親控除を受けられるのを忘れていた」といったことがある場合、訂正が可能です。

訂正期限は翌 1 月 31 日?

年末調整のやり直しは翌年の 1 月 31 日までは原則可能です。この場合会社が税務署や市区町村に提出する法定調書合計表や給与支払報告書の提出期限が 1 月 31 日のため、それまでに修正を行えば問題なく、源泉徴収税額を修正すれば、通常の年末調整と同様の対応で問題ありません。
法定調書合計表や給与支払報告書を提出した後に訂正する場合は、源泉徴収票だけでなく、税務署や市区町村に提出した書類まで訂正する必要があるので手間がかかります。
法定調書の修正を紙で申告する場合の提出書類を例にしてみると
①先に提出した「法定調書」の写しの右上に「無効」と赤書きしたもの
②無効分の「合計表」の提出区分を「無効」としたもの
③正しい「法定調書」の右上に「訂正」分と赤書きしたもの
④訂正分の「合計表」の提出区分を「訂正」としたもの
を提出する必要があります。

提出期限後は確定申告で直した方が楽?

経理の集計ミスではなく、社員の方の環境の変化であれば、翌年に確定申告で扶養控除等の再計算を行い、追加納付すべき税が発生した場合は個人で納付を行えば、それで作業が完了となるため、修正をお願いするのに比べると、経理の方の心証は大分よくなるのではないでしょうか。

ブックオフやメルカリでの収入は 申告が必要か?

ブックオフやメルカリでの収入は
申告が必要か?

ブックオフやメルカリでの収入は 申告が必要か?

生活に通常必要な資産の売却は非課税

不用になった本やCDなどを引き取り買い取ってくれるしくみは、断捨離で物を処分するに際してありがたいサービスです。
同様に、ある人が不要になったものをそれが欲しい別の人が匿名で売買できるフリーケットアプリを通じた取引も、なかなか便利な代物です。
ところで、こうした取引で得た収入は、個人の所得として確定申告しなければならないのでしょうか? 結論を先に言ってしまうと、それが生活に通常必要な資産であれば、所得税法で非課税であり、申告する必要はありません。

非課税となる生活に通常必要な資産とは

非課税となる生活に通常必要な資産とは、「生活に通常必要な動産のうち、1個又は1組の価額が 30 万を超える貴金属、真珠等や書画、こつとう及び美術工芸品等以外のもの」とされています。そのため、不用となった本やCDもしくは衣服などを個人で売買しても、所得税法上非課税ですので、確定申告する必要はないわけです。
なお、生活に使う資産であっても1個又は1組の売買価額が 30 万円超である貴金属、真珠等や書画、こつとう及び美術工芸品等の売買や、生活に通常必要でないとされる資産(ゴルフ会員権など趣味や娯楽などで所有する資産)の売買は、所得として申告が必要となります。

副業で売買している人は申告が必要

本やCDなどを個人の不用品として売買する分には非課税ですが、これを継続的な副業として行っている場合には、事業所得もしくは雑所得として確定申告が必要となります。
本のせどりやフリマアプリで安く買い付けて高く売ることを目的とした活動をしている場合には、営利目的で商売を行っているとみなされることとなります。
サラリーマンで 1 カ所からのみ給与をもらっている場合でも、副業による所得が 20万円を超えると確定申告しなければなりません。最近は、コロナ禍で、副業を容認する会社も出てきています。少しでも収入を増やしたいとしてこのような行為を行っている場合には、申告が必要となる可能性が大です。