年: 2025年

令和7年度税制改正大綱 ②資産課税編

令和7年度税制改正大綱 ②資産課税編

令和7年度税制改正大綱 ②資産課税編

結婚・子育て資金の贈与非課税は2年延長

結婚・子育て資金の一括贈与非課税制度(直系尊属からの贈与について結婚資金は300万円まで、子育て資金は1,000万円までを非課税)は、「こども未来戦略」の集中取組期間(令和8年度まで)にあることを勘案し、2年間の延長となりました。

法人版事業承継は役員就任要件を見直し

事業承継における非上場株式等の贈与税の納税猶予制度の特例措置は、経営承継円滑化法による特例承継計画の認定を受けた非上場会社の株式等を先代経営者から贈与により取得した後継者の贈与税の納税を猶予し、贈与者の死亡等により猶予税額の納付を免除するものです。

特例措置の適用期限は、令和9年12月31日です。これまで後継者である受贈者には贈与日まで引き続き3年以上、当該法人の役員に就任していることが要件となっていましたが、令和6年12月31日で役員に就任していない場合でも、贈与の直前に役員に就任していれば適用できるようになります。令和7年1月1日以後の贈与から適用されます

個人版事業承継は事業従事要件を見直し

事業承継における個人の事業用資産の贈与税の納税猶予制度の特例措置は、経営承継円滑化法による個人事業承継計画の認定を受けた後継者が宅地等、建物、その他減価償却資産の事業用資産を先代経営者から贈与により取得した場合、贈与税の納税を猶予し、後継者の死亡等により猶予税額の納付を免除するものです。

特例措置の適用期限は、令和10年12月31日です。これまで後継者である受贈者には贈与日まで引き続き3年以上、当該事業に従事していることが要件となっていましたが、法人版事業承継税制の改正と併せて、贈与の直前に事業に従事していれば適用できるようになります。令和7年1月1日以後の贈与から適用されます。

設備投資の固定資産税軽減は2年延長

中小企業等経営強化法に規定する先端設備等導入計画に基づき、中小事業者の生産性向上や賃上げに資する機械・装置等の設備投資について固定資産税の課税標準の特例措置を見直しのうえ2年延長します。

賃上げ方針を計画に位置付け、雇用者給与等支給額を1.5%以上引き上げる場合、最初の3年間は課税標準の2分の1が減免され、3%以上引き上げる場合、最初の5年間は課税標準の4分の3が減免されます

令和7年度税制改正大綱 ①個人所得課税編

令和7年度税制改正大綱 ①個人所得課税編

令和7年度税制改正大綱 ①個人所得課税編

基礎控除と給与所得控除は10万円引上げ

物価上昇局面の税負担調整、就業調整への対応措置として基礎控除は合計所得金額2,350万円以下の控除額を10万円引き上げて58万円に、給与所得控除は55万円の最低保障額を65万円に引き上げ、給与収入123万円まで課税されなくなります。令和7年分以後の所得税に適用されます。

大学生年代の親族の扶養控除枠を拡大

大学生アルバイトの就業調整に対応して19歳以上23歳未満の子等で合計所得金額123万円以下、控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合、給与収入150万円までは63万円を控除し、さらに給与収入が増えると段階的に控除額を削減する特定親族特別控除(仮称)が、令和7年分以後の所得税に適用されます。

扶養控除、同一生計配偶者の要件も引上げ

基礎控除の引上げに伴い、人的控除が見直されます。扶養親族、同一生計配偶者の合計所得金額の要件は58万円以下となり、現行48万円から10万円引き上げられます

個人住民税も給与所得控除の見直し、特定親族特別控除(仮称)の創設、扶養親族、同一生計配偶者の合計所得金額の要件等を改正し、令和8年分から適用されます。

 

iDeCoの拠出限度額を引上げ

iDeCoは加入年齢を70歳未満に引き上げ、拠出限度額は自営業者等は月額7.5万円(現行:月額6.8万円)、企業年金加入者は月額6.2万円から確定給付企業年金の掛金額及び企業型確定拠出年金の掛金額を控除した額(現行:月額2.0万円)、企業年金未加入者は月額6.2万円(現行:月額2.3万円)に引き上げ、全額所得控除されます。

 

子育て世帯への支援措置を1年継続・拡充

①住宅ローン控除
住宅ローン借入限度額の上乗せ措置(認定住宅5,000万円、ZEH水準省エネ住宅4,500万円、省エネ基準適合住宅4,000万円)、および床面積要件の緩和措置(合計所得金額1,000万円以下、40㎡以上)は令和7年限り適用されます。

②住宅リフォーム税制(継続)
工事費用相当額(上限250万円)の10%相当額を所得税額から控除する措置が令和7年限り適用されます。

③生命保険料控除(拡充)
新生命保険料に係る一般生命保険料控除は、23歳未満の扶養親族のある場合、令和8年分の適用限度額を6万円(現行4万円)に引き上げます(合計適用限度額12万円)。

相続放棄の手続き の実際とその流れ

相続放棄の手続き の実際とその流れ

相続放棄の手続き の実際とその流れ

相続における3つの選択 

相続が発生すると相続人となる者は、単純承認(プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続する)、もしくは限定承認(プラスの財産の範囲内でマイナス財産を引き継ぐ)、または相続放棄(遺産の相続を放棄しプラスの財産もマイナスの財産も一切相続しない)のいずれかを選ぶことになります。 

相続放棄を選択するのは、一般的に借金が多い場合と考えられますが、借金がなくとも相続にかかわりたくない、財産分与ゼロでハンコを押すのはしゃくだなど、他の理由であっても自分の意思で選べます。 

相続放棄の手順 

(1)家庭裁判所へ相続放棄を申述する 
相続放棄の申述は,民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所にしなければならないと定められています。申述書に申述内容を記入し、被相続人の住民票除票又は戸籍附票や申述人(放棄する人)の戸籍謄本など(=申述人の被相続人との関係性により必要書類は変わってくる)を添付して家庭裁判所に書類を送ります。 

(2)家庭裁判所から「照会書」が届く 
申述後、家庭裁判所から「照会書」が届き、①誰かに強要されたり、②他人が勝手に手続きしたり、③相続放棄の意味がわからず手続きしていないかなど、その申述が本人の真意によるものかの確認がなされます。 
書類をよく読んで、真意である旨を「回答書」に自筆で記載し期限内に返送します。 

(3)「相続放棄申述受理通知書」で完了 
家庭裁判所から「相続放棄申述受理通知書」(相続放棄が無事に認められた旨の通知)が届いて手続き完了となります
なお、他の相続人が相続手続きをする際に「相続放棄申述受理証明書」の原本が必要となります。通常は、受理通知書が届いた後に受理証明書の交付申請を行いますが、事前に受理証明書の交付申請を行えば受理通知書に同封されて受理証明書も届きます。

相続放棄のデメリット

相続放棄が完了すると後から撤回できないため、相続放棄完了後に莫大な財産が見つかったとしても、その財産を引き継ぐことはできません。また、他にも個々の事情で発生するデメリットもあり得ます。放棄に際しては、司法書士などの専門家に相談しながら手続きすることをお勧めします。