令和6年度税制改正大綱 法人課税編(大企業・中堅企業)
賃上げ促進税制(大企業、中堅企業)
今まで対象外だった企業・社会保険の適用対象者が拡大されます。改定ポイントは
① 以前より小規模な企業(従業員数が常時100人超)も対象になる
② 勤務期間が短い(2か月超)労働者も対象になる
現行では人員規模が500人超企業が対象でしたが、規模が100人超に引き下げられ、さらに2024年10月には50人超に引き下げられます。企業規模の従業員数とは社会保険の被保険者数で判断します。
人数は月ごとに数え直近12か月のうち6か月で基準を上回ると対象事業所です。
また、短時間労働者の範囲は1年以上雇用の方が対象でしたが、2か月を超えて雇用していれば対象になります。
戦略分野国内生産促進税制の創設
経済安全保障や環境負荷低減に資する物資の国内供給力を高める税制(戦略分野国内生産促進税制)が創設されます。産業競争力強化法に定める事業適応計画に基づいて半導体、電気自動車などを生産する設備投資を行う事業者には、販売数量に応じた金額を生産用資産の取得価額を基礎とした額の範囲内で税額控除します。計画認定後10年を対象とし、控除限度超過額は4年間(半導体は3年間)繰越しできます。
イノベーションボックス税制の創設
国内で自ら研究開発した知的財産から生じる所得への課税を優遇する税制(イノベーションボックス税制)が創設されます。特許権、AI分野のソフトウエアに係る著作権について居住者や内国法人への譲渡、他の者への貸付けによる所得金額のうち一定額の30%相当額を損金算入、令和7年4月1日以後開始する事業年度から適用します。
外形標準課税は課税逃れに歯止め
資本金を1億円以下に減資して外形標準課税の対象外となる法人が増加する中、現行基準(資本金1億円超)は維持します。ただし、当分の間、前事業年度に外形標準課税の対象であった法人が資本金1億円以下になった場合でも、資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超える場合は外形標準課税の対象となります。令和7年4月1日に施行し、同日以後に開始する事業年度から適用されます。