令和3年改正・研究開発費税制 試験研究費の 9.4%って何?

令和3年改正・研究開発費税制
試験研究費の 9.4%って何?

令和3年改正・研究開発費税制 試験研究費の 9.4%って何?

増減試験研究費割合「8%」が「9.4%」に

試験研究費の税額控除制度は、よく改正が入ります。令和3年についても見直しが行われ、令和3年4月1日から開始する事業年度については、税額控除率(一般型)は次のような計算方法になります。

この算式では増減試験研究費割合が9.4%を超えると、控除率のカーブがグンと跳ね上がります。この 9.4%(改正前 8%)という数値は、政府の研究開発投資目標から持ってきた政策目標の数字です。

9.4%増で民間投資は 90 兆円(5年計)

政府は、令和3年から5年間で研究開発投資の官民合わせた累計額 120 兆円の確保を目指しています。民間企業は約 90 兆円が目標。単年度では 14.2 兆円(平成 30 年度)ですので、5年間、9.4%増加すれば、約 90兆円が確保できることとなります。

大手の今年のR&Dは約8%増で計画

試験研究費の税額控除は、研究開発費が大きな大企業の適用額が大きいのが特徴です(平成 30 年の措置法適用実績 旧総額型5,751 億円・中小企業型 357 億円)。毎年、日刊工業新聞社が実施している「研究開発(R&D)アンケート」の 2021 年版ではR&D(計画)の上位3社は次のとおりです。

解答した 163 社全体では、前年度実績比8.4%増となり、12 年連続の増加です。

製薬会社のR&Dはダントツの高水準

また、新薬開発競争が激しい製薬会社のR&D(計画)は、次のとおりとなります。