日: 2021年12月15日

消費税の課税の対象 宇宙空間にある人工衛星の譲渡

消費税の課税の対象
宇宙空間にある人工衛星の譲渡

消費税の課税の対象 宇宙空間にある人工衛星の譲渡

民間宇宙ビジネスは急成長分野

米企業家のイーロン・マスク氏が設立したスペースX社は、民間企業の製造・所有する宇宙船を用いて、初の国際宇宙ステーション(ISS)への有人飛行に成功しました。
人工衛星の打上げ費用も2億ドルはかかると言われていた時代から、近年では 6,000万ドルまで削減。ホリエモンこと堀江貴文氏も「世界一低価格で便利なロケット」の開発を目指すと、宇宙ビジネスに参入しています。動向が非常に気になる事業分野となってきましたね。

20 年前に人工衛星の消費税の取扱い?!

税理士が用いる判例データベース TAINSには、判例・条文の他、情報公開法に基づく開示請求により入手した様々な行政文書が掲載されています。これを見ると、たまに面白いものに当たることあります。
今回は、平成 12 年の国税庁の消費税課の資料で「人工衛星の輸入、打上げ、宇宙空間における譲渡」を取り上げましょう。
内容は、外国法人A社が保有する人工衛星を、日本法人B社を輸入者として日本に輸入。その人工衛星の打上げを委託された日本法人C社が日本から衛星を打上げ。その後、衛星が宇宙の軌道に乗ったことを確認後、A社からD社に人工衛星を譲渡したというシチュエーション。これら①輸入・②打上げ・③宇宙空間における譲渡の消費税の取扱いが記されています。

宇宙空間にある人工衛星を譲渡したら?

それぞれの取扱いは、次のように示されています。
①人工衛星の輸入取引
輸入名義人のB社の仕入税額控除となる。
②人工衛星の打上げを受託した場合
非居住者(外国法人A社)の依頼により行う人工衛星の打上げは、非居住者に対する役務の提供に該当し、輸出免税となる。
③宇宙空間にある人工衛星の譲渡
消費税法上、国内とは「この法律の施行地」をいい、宇宙空間はどの国の主権も及ばない区域である。衛星が宇宙の軌道に乗ったことを確認した後に行われる人工衛星の譲渡は、資産の譲渡が行われた時に資産が国外に所在するため、国内取引に該当せず、日本の消費税の対象とならない。

マイナポイント・GOTO・ふるさと納税等 お得に潜む一時所得

マイナポイント・GOTO・ふるさと納税等
お得に潜む一時所得

マイナポイント・GOTO・ふるさと納税等 お得に潜む一時所得

マイナポイント第2弾実施予定

マイナンバーカードの普及とキャッシュレス決済の普及促進を目的とした、マイナポイント制度は来年第2弾を実施予定です。
マイナンバーカードを取得し、キャッシュレス決済サービスとのひも付けをし、チャージまたは決済で最大 5,000 円、健康保険証の利用登録をすると 7,500 円、公金受け取り用の預貯金口座の登録をすると7,500 円の、各種ポイントが付与されます。

マイナポイント「だけ」は一時所得

国税庁は個人が商品を購入する際に決済代金に応じて企業から付与されるポイントについては「通常の商取引における値引き」と同様の行為が行われたと考えられ、所得税の課税対象にならないものと説明をしています。ただし、マイナポイントについては「商取引ではなく決済前のチャージ等を行った際に付与されるもの」で、「通常の商取引における値引き」ではないので、その経済的利益は一時所得として所得税の課税対象となる、としています。

一時所得は合算で計算される

課税される一時所得の計算は(貰った額-払った額-50 万円)×1/2=課税される一時所得の額となります。50 万円の特別控除があるため、マイナポイントの付与だけでは課税は発生せず確定申告も必要ありません。
ただし、新型コロナウイルス感染症の経済対策である「GOTO キャンペーン」の支援された額や「ふるさと納税」のお礼の品についても一時所得とみなされ、一時所得の計算の「貰った額」については、一時所得の合算で計算されるため、各種お得な仕組みを利用していたらいつの間にか大きな金額になっていた、ということも考えられます。

他にもいろいろ一時所得

他にも「住まい給付金」や「生命保険の満期払戻金」、「懸賞や福引の賞金品」、「競馬の払戻金」など、さまざまな「ちょっとしたお金」が一時所得に該当します。
近年ではふるさと納税のお礼の品の価値が 50 万円を超え、申告をしなかった方が申告漏れを税務署に指摘された、というケースも確認されています。ご留意ください。