日: 2021年12月10日

税金よもやま話 埋蔵金を見つけたら?

税金よもやま話
埋蔵金を見つけたら?

税金よもやま話 埋蔵金を見つけたら?

夢とロマンに溢れた埋蔵金にもかかる税

以前はよくテレビでやっていた埋蔵金発掘番組ですが、最近は見かけませんね。はやりが終わってしまったのでしょうか。
「埋蔵金なんてないよ」と思われている方も多いかもしれませんが、昭和、平成と実際に小判がざくざくと出てきた例もあります。ちなみに埋蔵金を見つけた場合、残念ながら税金がかかります。

埋蔵金獲得まで 6 か月待ちます

まず埋蔵金、もしくは埋蔵物を見つけた、あるいは掘り当てた場合、警察に届けます。
これを怠ると「遺失物等横領」になってしまいます。ちなみに、自分の土地を掘ったりした場合でも「知らないものがでてきた」という場合は遺失物になりますから注意しましょう。
警察は遺失者、つまり「落とした人」を調べるのですが、6 か月間公告して、遺失者が見つからなかった場合は発見した人が埋蔵金や埋蔵物の所有権を取得することになります。土地の所有者と発見者が異なる場合は、2人で等しい割合で所有権を折半することになります。
もし落とし主が現れた場合は、報奨金として物件の価格の 5~20%を「お礼」として貰えます。

「文化財」の場合、モノは貰えない

掘り当てたものが文化財保護法を適用する「文化財」の場合は、所有権を取得することはできませんが、そのものの価値に相当する報奨金を貰うことができます。また、発見者と土地の所有者が異なる場合は、遺失物同様、報奨金は折半されます。
過去にテレビが追い求めていた「徳川埋蔵金」がもし見つかったら、おそらく歴史的価値があるため、文化財になるのではないでしょうか。

取得や報奨金受け取り後に税金の出番

遺失物や埋蔵物の発見により、新たに所有権を取得する資産や、発見者等が受ける報奨金については、一時所得として課税されます。一時所得の計算は(収入-必要経費-特別控除最高 50 万円)×1/2=所得金額です。

相続登記が義務化されます

相続登記が義務化されます

相続登記が義務化されます

相続登記は3年以内に

令和3年4月に成立した改正不動産登記法では、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が義務付けられました。これまで登記未了であった全ての不動産にも適用され、正当な理由のない申請漏れは、10 万円以下の過料の対象となります。新制度は成立後3年以内、令和6年までに施行される予定です。経過措置により施行日前の相続・遺贈の場合、令和6年までの施行から3年間が登記申請義務の履行期間となります。

新たに相続人申告登記制度がスタート

相続人の申請義務を簡易に履行できる「相続人申告登記制度」が新設されました。
相続登記されないまま長期化すると所有者不明土地を生み、行政に支障をきたす原因にもなります。このため、相続人申告登記では遺産分割未了であっても登記名義人について相続が開始したこと、相続人の氏名・住所を登記に付記することで登記義務を履行できることとしました。遺産分割未了のため、持分の登記はありません。後日、遺産分割協議が整ったときは遺産分割成立日から3年以内に、協議の結果を踏まえた登記申請が義務付けられます。

とりあえず法定相続分での登記に注意!

もちろん、遺産分割未了の状態であっても従前どおり相続開始後3年以内に、とりあえず法定相続分で暫定的な登記を行い、遺産分割協議が調った後に登記し直すことも可能です。
しかし、法定相続分で登記をしても遺産分割協議前であれば不動産の利用、売却等には共有者の間で何らかの同意が必要となります。相続人が死亡すると権利者は更に増えて、遺産分割は難航必至です。

相続人申告登記も遺産分割は先送りのまま

相続人申告登記を行って遺産分割協議を続行する場合も、民法上は、法定相続分で共有されたままですので、不動産の利用、売却等に際し、共有者の間で同意が必要となることに変わりなく、相続人申告登記も遺産分割の先送りに過ぎません。

それぞれの事情を斟酌した遺産分割協議を

相続した不動産は相続人の居住用とするか、賃貸用とするか、売却をいつするかなど有効利用をはかり、そのうえでそれぞれの相続人の事情を斟酌した速やかな遺産分割協議ができるかがポイントになるのではないでしょうか。