日: 2021年11月5日

経営他

新登場! M&A支援機関

新登場!M&A支援期間

M&A支援機関登録制度の創設

中小企業のM&A促進戦略として中小企業庁が4月に公表した「中小M&A推進計画」では、M&A支援機関に係る登録制度の創設を唱っていました。
全国的に大規模・中規模向けのM&A支援機関が活動しているが、M&A支援機関の支援の妥当性を判断するための知見が不足している中小企業が存在する状況下での、M&A支援機関の質を確保する仕組みを創らなければならない、としていました。
制度創設日は、改正中小企業等経営強化法施行日の2021 年8月2日です。

登録可能な対象者

経産省の「登録制度の概要」によると、M&A支援機関とは、「中小M&Aを支援する機関」であり、ファイナンシャルアドバイザー業務(FA・片方代理)又はM&A仲介業務(双方代理)を行う者です。
具体的には、M&A専門業者(FA、仲介業者)、金融機関、商工団体、士業等専門家、M&Aプラットフォーマー、事業承継・引継ぎ支援センター等が登録してくれることを予定しているようです。

第一次公募による登録状況

公表された登録M&A支援機関数は、2021 年10 月15 日現在で2278 件です。うち、法人は1700 件、個人事業主は578 件です。また、上位5業種は、M&A仲介専門業者が544 件、FA専門業者が394 件、税理士が517 件、公認会計士が233 件、地方銀行・信金・信組が125 件です。
M&A契約に深く長く関わるM&A支援機関登録で、税理士・公認会計士が33%をも占めているということには、驚きです。

登録要件は?

①「中小M&Aガイドライン」の遵守を宣言し、遵守すること
②登録要件を充足している旨を自社HPで掲載すること
③登録要件を充足している旨を顧客に書面で事前説明すること
④毎年度、実績報告を提出すること
なお、登録をしたものの、特段合理的な理由なく支援実績が芳しくないなど、一定の要件に該当する場合には、登録の継続を認めず、登録取消しとなります。
また、登録されたM&A支援機関に対する苦情情報提供受付窓口を設けて、公開監視による制度充実をはかる予定になっています。

消費税

免税会社の適格請求発行事業者 登録のタイミング

免税会社の適格請求発行事業者 登録のタイミング

取引からはじき出されないための登録?

2021 年10 月1 日から「適格請求書発行事業者の登録申請」が始まっています。2023年10 月1 日から消費税の仕入税額控除方式が、「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)」となるためです。
消費税で仕入税額控除を取るためには、適格請求書(インボイス)が必要であり、適格請求書を交付することができるのは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」に限られます。適格請求書発行事業者となるためには、消費税の課税事業者となって、発行事業者登録をしなければなりません。
免税事業者からの仕入税額控除に関して、6 年間の経過措置はありますが、経過後は、インボイスを発行できない免税業者からの商品やサービスの購入では仕入税額控除が取れないため、取引の相手先として選ばれなくなる可能性が高いです。仮に選ばれたとしても、消費税額分の値引きを要求される可能性もあります。

登録すべきかどうかは経営面から検討する

消費税先進国の欧州でもそうですが、インボイスを発行できない事業者から仕入れを続けると自社が負担する消費税額が増えるため、免税業者は敬遠されがちです。よほど優位性がある商品やサービスでない限り、取引の相手先から外されかねません。
この適格請求書発行事業者となるか否かの選択は、経理の問題よりも、むしろ、ビジネスの経営面から考えるべきものです。
登録を決めた場合、2023 年10 月1 日のインボイス制度開始と同時にインボイスの発行をするためには、2023 年3 月31 日までに申請しなければなりません。

「登録における経過措置」利用がおススメ

免税事業者が適格請求書発行事業者となるためには、先に課税事業者登録をしなければなりません。しかしながら、ここにも経過措置があり、2023 年10 月1 日の属する課税期間中に登録を受ける場合には、「消費税課税事業者選択届出書」の提出は不要です。何月が事業年度末月かにもよりますが、同じ事業年度内で、2023 年9 月30 日までは免税事業者、10 月1 日から課税事業者となることもできます。また、「簡易課税制度」で、納税額が少なくなるようでしたら、その適用も検討してみるべきです。