07-労務

令和 4 年度 確定拠出年金どう変わる

令和 4 年度
確定拠出年金どう変わる

令和 4 年度 確定拠出年金どう変わる

確定拠出年金の利用拡大

確定拠出年金は、公的年金とは別に企業や個人で積み立てて運用し老後に備える私的年金です。企業で行う企業型確定拠出年金(DC)と、個人で積み立てる個人型確定拠出年金 iDeCo があります。4 月から順次改正があります。ア)確定拠出年金の受給開始年齢上限が 75 歳まで、イ)企業型 DC 加入年齢は 70 歳未満まで、ウ)iDeCo の加入年齢も 65 歳未満まで、企業型 DC と iDeCoの併用の条件緩和等、利用しやすい条件に拡大されました。

4 月施行……受給開始時の年齢の上限が 75歳に延長
令和 4 年 4 月から企業型 DC と iDeCo の老齢給付金の受給開始時期を 60 歳(加入資格喪失後)から 75 歳までの間で自分で選択できるようになります。

5 月施行……企業型 DC 加入可能年齢が拡大
これまでの企業型 DC では 60 歳未満の方が加入者になれました。60 歳以降は 60 歳前と同じ事業所で引き続き使用される厚生年金被保険者に限り 65 歳未満まで加入者になることができました。
今回の改正で厚生年金被保険者であれば同一事業所でなくとも 70 歳未満まで加入できるようになりました。ただし企業によって加入できる年齢は規約で異なります。

5 月施行……iDeCo の加入可能年齢の拡大
現在、iDeCo に加入できるのは 60 歳未満の公的年金の被保険者です。改定後は 65 歳未満に拡大されます。国民年金は任意加入被保険者が対象です。また海外居住者でも任意加入していれば加入できます。

10 月施行……企業型 DC 加入者が iDeCo に加入しやすく
現在、企業型 DC 加入者が iDeCo に加入するには企業の労使合意が必要でした。10 月からは原則不要で加入可能です。ただし、企業型 DC の事業主掛け金と iDeCo の掛け金の合計額が月額 55,000 円から各月の企業型 DC の事業主掛け金を控除した残余の範囲内(上限 20,000 円)で iDeCo の掛け金を拠出できるようになります。
また、確定給付型(厚年年金基金や DB)においては事業主掛け金を控除した残余の範囲内(上限12,000円)で iDeCo に加入できます。

令和 4 年度の年金制度 改正ポイント

令和 4 年度の年金制度
改正ポイント

令和 4 年度の年金制度 改正ポイント

令和 4 年 4 月からの年金制度改正

在職中の方の改正
①在職老齢年金制度の見直し……今まで 65歳未満の方の在職老齢年金制度は総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が「28 万円」を超えない場合、支給停止はせず「28 万円を」上回る場合は年金額の全部又は一部について支給停止されます。
これが見直され、4 月以降は 65 歳以上の方と同じように総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が「47 万円」を超えない場合には支給停止は行われず、「47 万円」を上回る場合は上回る額の 2 分の 1 について支給停止されることになりました。


②定職定時改定の導入……今まで老齢厚生年金の受給権者が厚生年金被保険者となった場合、65 歳以降の被保険者期間は資格喪失時(退職又は 70 歳到達時)にのみ年金額が改定されていました。就労を継続したことの効果を早期に年金額に反映することで、年金を受給しながら働く方の経済基盤を図るため、在職中であっても年金額を毎年 10月分から改定する制度ができます。

年金受給前の高齢者の改正

①老齢年金の繰り下げ受給の上限年齢が 75歳まで伸びます。今までは自身の希望で 60歳から 70 歳の間で受給開始を選択することができました。老齢年金の受給開始を 66歳以後に繰り下げ受給し、65 歳から繰り下げた月数によって 1 月当たり 0.7%で増額されます。
改正では高齢者の就業拡大を踏まえ年金受給者自身が就労状況などを考え、年金の受給開始時期を選択できるよう繰り下げの上限年齢が 70 歳から 75 歳までに引き上げられます。対象は令和 4 年 3 月 31 日時点で昭和 27 年 4 月2日以降に生まれた方と、受給権発生日が平成 29 年 4 月 1 日以降の方です。70 歳まで繰り下げで 42%増、75 歳まで繰り下げで 84%増となります。

繰り上げ受給の減額率の見直し

②現在繰り上げ受給する場合、年金額は繰り上げ請求をした月から 65 歳到達月の前月までの月数によって 1 月あたり 0.5%減額(最大 30%)でしたが、4 月からは 0.4%に変更されます。対象者は昭和 37 年 4 月 2日以降生まれの方です。

改正育児休業法のポイント 育休の個別周知・産後パパ育休

改正育児休業法のポイント
育休の個別周知・産後パパ育休

改正育児休業法のポイント 育休の個別周知・産後パパ育休

男女ともに仕事と育児の両立の趣旨

令和 4 年 4 月から改正育児・介護休業法が段階的に施行されます。少子高齢化が急速に進行する中、出産・育児等による離職を防ぎ希望に応じ男女共に仕事と育児等を両立できる社会の実現を目指しています。
① 2022 年 4 月 1 日施行の改定内容育児休業に間する研修の実施、相談窓口の設置等の雇用環境の整備や、妊娠・出産(本人又は配偶者)の休業の申し出をした労働者に個別周知・意向確認が義務付けられる等、事業主が労働者の育児休業取得に関して積極的に協力していくことが求められるようになります。具体的に見ると、

2022 年 4 月から施行

〇育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
育児休業と産後パパ育休(後述)が円滑に行われるように、事業主は以下のいずれかの措置を行う必要があります。
ア、研修の実施  、イ、相談体制の整備(相談窓口)、 ウ、自社の労働者の取得事例の収集・提供 エ、自社の労働者へ方針の周知

○妊娠・出産(本人及び配偶者)の申し出をした労働者に制度の周知と取得意向の確認

労働者への周知内容は以下の通りです。
ア、制度の内容、    イ、申し出先、 ウ、育児休業給付金、 エ、労働者の負担する休業中の社会保険料

個別周知・意向確認方法
ア、面談 イ、書面交付 ウ、FAX 又は電子
メール等のいずれかで行う

2022 年 10 月から施行

〇育児休業分割取得、産後パパ育休(出生時育児休業)制度創設
大きな改正としては、子の出生後 8 週間以内に 4 週間までの産後パパ育休が創設されます。男性の育児休業取得の促進を図るため、出生直後の大変な時期に休業することはその後の子育てに大きな意義があるとしています。申し出をして、育児休業とは別に取得することができます。また、分割不可であった育休を 2 回に分割もできます。
さらに、労使協定をすれば育児休業中にスポットで就業することも可能になります。
男性の育児休業取得促進、仕事と家庭の両立支援に取り組むことは企業のイメージアップ、社員の意識向上、生産性向上、優秀な人材確保、人材定着にもつながります。

令和 4 年度の雇用保険料率 2 段階引き上げ

令和 4 年度の雇用保険料率
2 段階引き上げ

令和 4 年度の雇用保険料率 2 段階引き上げ

2 段階で引き上げ改定される雇用保険料

新型コロナの影響が続く中、おととしの2 月からこれまでの雇用調整助成金等の支給額は 5 兆円を超えていて雇用保険の財源不足が課題となっています。厚労省の審議会で議論されてきましたが、雇用保険料改定が決まりました。それによると労使折半で賃金の 0.2%を負担している失業給付などを支払う事業の保険料率は 4 月から半年据え置き、10 月から 3 月まで 0.6%上げるとしています。一般の事業では労使で 4 月~9 月 1000 分の 9.5、10 月~3 月は 1000 分の 13.5 となります。4 月の時点では労働者の給与から控除される保険料は変更ありません。

改定の内訳と流れ

雇用保険料は労使が負担する雇用保険料や国庫負担などで賄われています。雇用保険料の中身は失業給付(労使折半)、育児休業給付(労使折半)、雇用二事業(事業主負担、助成金や教育訓練に充てる)で構成されています。 今までは積立金が一定水準を超えていたことで労働者 0.3%、事業主 0.6%と原則より低い負担で抑えられてきましたがコロナ禍で積立金が枯渇してきています。
令和 4 年度の失業負担分は 4 月には据え置かれますが 10 月には 0.6 になります。また、育児休業給付に係る保険料率は年間通し 0.4%のまま据え置かれます。
一方、事業主のみが負担する「雇用保険二事業」の料率は 4 月から 0.3%から 0.35%に上がります。その結果事業主負担は全体で 0.65%になります。

料率改定事務 変更分はいつから

今のところの予想ですが、令和 4 年度の労働保険概算確定申告時に令和 4 年度の概算額として事業主負担の二事業の引き上げ分を乗せます。また、10 月からの料率改定の分は 10 月以降の概算賃金額に引き上げられる新料率をかけて保険料の概算額を出し、前半分と後半分を足して 1 年間の概算額とします。詳しくは令和 4 年度の労働保険料の計算方法が発表されてから確認することとなります。
各労働者の給与からの雇用保険料率の徴収額が上がるのは令和 4 年 10 月分給与からです。

ライフスタイルと年金

ライフスタイルと年金

ライフスタイルと年金

人生の様々な出来事と年金の関わり

就職、結婚、定年……人生にはいろいろな出来事がありますが、良いことばかりでなく思わぬアクシデントに遭遇することもあります。年金は人生の転機と大きく関わっています。山あり谷ありの人生のモデルケースのライフステージを見てみましょう。

スタートは 20 歳国民年金の加入から

1.  20 歳になると国民年金加入のお知らせが届きます。日本に住む 20 歳以上 60 歳未満の方は全員加入が原則とされています。第 1 号被保険者となります。


2.  就職して厚生年金保険に入る。高卒18歳で厚生年金保険適用事業所に就職すれば、加入します。大卒 22 歳以上で就職したときも同様です。第 2 号被保険者となります。


3.  海外留学や海外派遣
国民年金の加入者が海外留学中は任意加入となり、加入すれば保険料の納入が必要となります。企業から海外派遣などで勤務する場合は一時派遣であれば日本の年金制度のみ加入、長期は社会保障協定で決められている基準に従い相手国の年金に加入します。

結婚し妊娠、出産、育児休業、退職したとき

妊娠・出産・育児休業期間は保険料免除制度があります。妻が退職し専業主婦となった場合は第 3 号被保険者となり夫の勤務する会社を通して手続きします。再就職しても年収 130 万円未満であれば保険料はかかりません。

夫が退職、自営業となる

夫婦とも第 1 号被保険者(60 歳未満)。市区町村役場で手続きをする。

夫が不慮の事故で急逝、子が交通事故

母子に遺族厚生年金、遺族基礎年金が受給できます(遺族基礎年金は子は 18 歳の年度末まで)。
子は 20 歳で国民年金に加入。万が一の交通事故などで後遺症が残ったときは障害基礎年金が受けられます。

妻再就職で厚生年金再加入

老齢年金を受給できる年齢になったら年金の請求手続きをします。働いているうちは給与に応じて年金額が減額されます。老齢年金と遺族年金の選択も必要です。65 歳にはもう一度、老齢年金の請求書が来るので提出します。

転職者の 5 割以上が 新しい職場に満足

転職者の 5 割以上が
新しい職場に満足

転職者の 5 割以上が 新しい職場に満足

転職者実態調査

厚生労働省は昨年 11 月に令和 2 年の「転職者実態調査」の結果を公表しました。
この調査は転職者の採用状況、就業意識などの実態を把握するために行われていますが、今回の調査は常用労働者を 5 人以上雇用する企業 17,000 件の中で働く転職者から 1 万人を無作為で選び令和 2 年の転職者について実施しました。

現在の勤め先には満足ですか?

転職者の現在の職場の満足度については「満足」「やや満足」とした人は 53.4%、「不満」「やや不満」の人は 11.4%で、その差で表す「満足度指数」は 42.0 ポイントとなっています。また、満足度の内容はどの項目でも全体的にみて事業所規模が大きいほど満足度は高く、中でも「仕事内容・職種」が最も高く 60.5 ポイントでした。

転職者の離職理由と転職先選定の理由

転職者の直前の勤務先からの転職理由は「自己都合」が 76.6%ですが、そのうち「労働条件(賃金以外)が良くなかった」が28.2%と一番多く、「満足のいく仕事内容でなかった」が 26.0%、「賃金が低い」が23.8%となっています。
転職先に現在の勤務先を選んだ理由は「仕事内容・職種に満足できるから」41%で最も多く「自分の技能、能力が生かせるから」が 36.0%、労働条件(賃金以外)が良いから」が 26%となっています。

転職者の応募方法、企業の募集方法

転職者はどのような方法で転職活動(複数回答)を行っていたのでしょうか?
「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が 39.4%と最も多く、次に「ハローワーク等の公的機関」34.3%、「縁故」26.8%となっています。
一方で転職者を採用した企業の募集方法(複数回答)は「ハローワーク等の公的機関」が 57.3%、次いで「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ」が 43.2%、「縁故」が 27.6%となっています。
転職先になる企業も求人の職種や欲しい年齢層にもよりますが、自社にとって有効な求人媒体で企業アピールし、来てほしい人材に応募してもらえる努力が必要ですね。

シフト制で働く人の 雇用管理

シフト制で働く人の
雇用管理

シフト制で働く人の 雇用管理

パート、アルバイトの方の労働時間

勤務する前の雇用契約時には労働日や勤務時間を確定的に決めず、一定期間ごとに作成される勤務割りや勤務シフトなどにおいて初めて具体的に労働日や労働時間が知らされるような勤務形態があります。
このような形態は柔軟に労働日や労働時間を設定できる点で当事者双方にメリットがありますが、事前にはいつ働くか、何時間くらい働くかおおよその情報はわかっているものの、シフト表ができて初めて知るケースも多いものです。そのため労使紛争になってしまう場合もあります。
厚生労働省でこのような形態で働く人のための雇用管理について留意すべき点をまとめました。

シフト制労働契約締結においての留意事項

労働契約の締結時にすでに始業・終業の時刻が確定している日については労働条件通知書などに「シフトによる」等と記載するだけでなく労働日ごとに始業・終業時刻を記載するようにして、労働契約の締結時にその時の一定期間のシフト表等も併せて労働者に交付しましょう。
休日についても事前に具体的な休みや曜日が確定していない場合でも、休日の設定に決めている事項は明らかにしておかなければなりません。

シフト制労働者を就労させるときの注意点

アルバイトやシフト制で働いていても年次有給休暇は発生します。所定労働日数や労働時間数に応じて法定の日数の年次有給休暇が発生します。原則は本人の請求する時季に与えなくてはなりませんがシフトで出る日だから休ませないということはできません。もちろん使用者には時季変更権もありますから話し合って調整はできます。
休む労働者側もシフト表ができる前に休む予定がわかっているなら、休む日はシフトから外してもらうなど事前に申し出することは必要でしょう。
また、シフト制労働者を会社都合で休ませる時は平均賃金 60%以上の休業手当が必要です。
しかし、昨今のコロナ禍の状況でシフト制労働者に賃金を支払えない場合であれば給付金の申請等をしてあげるなり、申請を本人に知らせてあげるのがよいでしょう。

健康診断の受診は労働時間か

健康診断の受診は労働時間か

健康診断の受診は労働時間か

健康診断の種類

労働安全衛生法(第 66 条)では使用者は労働者に対し健康診断を実施する事が義務付けられています。このうち 1 年以内ごとに 1 回実施しなければならないのが定期健康診断(労働安全衛生規則第 44 条)です。
定期健康診断と雇い入れ時の健康診断(同第 43 条)等を合わせて「一般健康診断」と言います。またこれとは別に有害物質を取り扱う業務の従事者に対して実施が義務付けられている「特殊健康診断」があります。

受診時間と労働時間

健康診断の受診時間が労働時間に当たっているかどうかは、その労働者がその時間使用者の指揮命令下にあるかどうかが判断碁準となります。一般的に特殊健康診断は業務の遂行に基づいて実施されるべきもので所定労働時間内に行われるのが原則とされています。
一方で一般健康診断は使用者が労働者の一般的な健康の確保を図ることを目的として実施を義務付けたもので業務遂行との関連において行われるものでないと考えられています。この事から特殊健康診断の受診時間については業務関連性から見て使用者の指揮命令下におかれた労働時間であり、一般健康診断は必ずしも使用者の指揮命令下にある労働時間であるとは言えない事となります。一般健康診断は所定労働時間内に実施すれば賃金を支払うのが通常でしょう。
業務の都合で所定労働時間外や所定休日に受診した場合、賃金の支払い義務はありませんが考慮は必要でしょう。

健康診断の費用負担

健康診断費用について労働安全衛生法では触れていません。通常は健康診断実施義務の課されている事業者が負担するべきであるとされています。健診機関に出向く場合は交通費等は健診に要する費用とされると解釈されています。
しかし使用者が指定した医師や機関でなく労働者自ら選択した他の医師や機関の場合はその受診時間は使用者の指揮命令下にある時間ではないので、使用者はその時間の賃金だけでなく受診費用も当然負担すべきものとはならないでしょう。

研修の助成金を使うと キャリアアップ助成金が増額

研修の助成金を使うと
キャリアアップ助成金が増額

研修の助成金を使うと キャリアアップ助成金が増額

キャリアアップ助成金とは

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者等、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みをした事業主に対して取り組み内容に応じて助成する制度です。今までよりもさらに給付が拡充しました。

人材開発支援助成金特定訓練コースを利用

① 実務経験のない有期契約社員等に研修を実施
② 最低 20 時間以上の OFF-JT 研修を実施(OFF-JT 研修とは通常の生産活動と区別して業務外で行われる事業内または事業外職業訓練)


研修の流れは次のようになります。
① 社内研修は 20 時間の OFF-JT の受講で1時間につき 760 円の助成金を賃金助成として申請できます。代表者や社員が講師になっても対象になります。
② 社外での研修費用の 70%が経費助成されます(上限 15 万円/人)。
③ キャリアコンサルタント面談、ジョブカードの作成、訓練日報を作成します。
④ この後キャリアアップ助成金正社員化コースを利用し有期契約社員を正社員に転換し、6 か月勤務すると申請できます。通常は 1 名につき 57 万円の助成金ですが、研修を経て正社員へ転換した場合は通常の助成金額に加え 1 人当たり95,000 円の加算助成金が受給できます。

受給の研修事例

例えば有期契約社員で入社から2か月間に合計300時間の研修を実施(OFF-JT 30時間+OJT 270時間)した場合、
ア. 1 時間 760 円×300 時間=228,000 円
イ. キャリアアップ助成金の申請は通常雇用から最低 12 か月かかるところ、研修の助成金を受給していると有期雇用期間が 6 か月から 2 か月に短縮されます。つまり 8 か月で申請できます。
キャリアアップ助成金 57 万円と加算金95,000 円で=665,000 円受給できます。
新人に研修を必要とする職種であればすでに研修を行っていると思いますし、くり返し使えるので利用されると良いでしょう。

就活生の企業選びの ポイント

就活生の企業選びの
ポイント

就活生の企業選びの ポイント

就職後 3 年以内の離職率

2 年以上に及ぶコロナ禍で採用活動においても例年通りにはいかない企業も多いことでしょう。長期的には人手不足がいわれる中、新入社員の離職率は現在どのような状況でしょうか? 厚労省の調査によれば令和 2 年度における学卒就職者の離職率は例年に比べて低下しているというものの就職 3 年以内の離職率は新規高卒では 36.9%、大卒では 31.2%となっているそうです。事業所規模が小さくなるほど離職率は高くなることは示されていますが、そもそも中小企業に新卒が少ないということもあるでしょう。いずれにしても、人材確保を確実にするためには離職率の低下を重要視すべきでしょう。

最近の就活生の意識の変化

長期化するコロナ禍は学生の意識にどのような影響をもたらしているのでしょうか? 就職情報会社ディスコの調査では2021 年 10 月 1 日の内定解禁日における2022 年卒の学生の内定率は 88%、12 月では 95%と昨年のコロナ禍での内定率に比して順当に進んでいます。
また、同社が 2023 年卒予定学生にモニター調査をしたところ 1 学年上の先輩と比較して「就職が厳しくなる」、「やや厳しくなる」と答えた学生は 51.1%で前年調査93.7%より大幅に減少しています。逆に「やや楽になる」が前年 6%から 48.8%と急増しています。「厳しくなる」と「楽になる」がほぼ半々で見方が分かれています。

企業選びのこだわり

では学生はどこを見て企業を選ぶのでしょうか?(社風・人/仕事内容/給与・待遇/勤務地/企業規模で見てみます)。最も「強くこだわる」のが「社風・人」57.5%で「ややこだわる」も合わせると 92%に上ります。「仕事内容」も 91.3%、次が「給与・待遇」が 86.4%、「勤務地」が 68.6%、「企業規模」は 56.6%となっています。要約すると「どこでどれだけのことをしてくれるのか(待遇)」よりも、自発的に「どんな企業環境で何がしたいか」を重視しているという結果です。
とはいえ、待遇が悪くては他の企業に見劣りしますね。ハローワーク等で給与や休日などを調べ、待遇を把握し、自社の採用活動に臨みましょう。