05-その他税法

コロナ禍の税務調査

コロナ禍の税務調査

コロナ禍の税務調査

コロナ禍で実地調査は大幅減

令和 2 年 4 月に 1 回目の緊急事態宣言が発令されてから、もう随分と経ちました。
統計が出ている令和元事務年度(元年 7 月~2 年 6 月)の税務調査件数を見てみると、すでに新型コロナウイルス感染症の影響もあってか、実地調査の件数は前年比 77%となっています。おそらく 2 年度も実地調査は少なかったと推測されます。
このコロナ禍において、申告期限は延長が容易になり、調査どころではなかったというのも実情だとは思いますが、税務署も相当柔軟な対応を取っていて「コロナ禍で不安なので延期して欲しい」という要請もある程度通っていたようです。また緊急事態宣言の間をぬって調査の日程を組んだものの、該当税務署で感染者が発生し日程は解消、そのうちに人事異動で結局立ち消え、といった事例もあったようです。

接触機会低減を目指した措置?

実地調査件数は下がったものの「簡易な接触」と表現される書面や電話による連絡、資料の提出依頼や来署依頼による面接等で、税務署が納税者に対して自発的な申告の見直しなどを要請する手法については、平成30 年度と比べて件数が上昇しています。
また、今までは FAX や郵送で対応していた調査・照会等で提出を求められた資料の送付が、令和 4 年 1 月から e-Tax で送信できるようになります。

国税庁は「ウィズコロナ」を準備

国税庁はすでに「納税者の理解を得て、税務調査の効率化を進める」として、大規模法人を対象にした Web 会議システムやリモートアクセスを利用した税務調査を試験的に導入しています。
今後は AI やデータマッチングの導入を行い「申告に対してコンピュータ側で間違いをチェック」するような機能の拡充を行うとしており、元々ICT 化を目指していた上で、コロナ禍に乗じてその方策を加速させているように感じます。
税務関連の手続きは、平成 16 年に e-Taxの運用が始まってから、今日に至るまで、電子化を地道に進めてきました。これからも「便利な改善」が続いてゆくでしょう。

 

その他税務

悪質な脱税犯に対する追徴税額

悪質な脱税犯に対する追徴税額

脱税に対する罰金

脱税した儲けは、税務調査できっちりと押さえられ、本来納めるべきだった税額に加え、一種の行政罰である加算税が課せられ、さらに納付遅延に対し延滞利息に相当する延滞税もしっかりと上乗せされます。
脱税に関する報道では、末尾に、納税者のコメントとして、「国税局からの指摘を真摯に受け止め、既に修正申告を行い、納付も済ませている……」とありますが、本来納めるべきだった脱税額に加え、いったいどれくらいの罰金が追加で持っていかれるのでしょうか?

脱税の悪質さで罰金の度合いが違ってくる

税務調査により追徴税額が発生したといっても、すべてが悪質な脱税というわけではなく、何も隠してはいなかったけれども所得認識の時期のずれで追徴税額が発生したというケースもあります。本稿では、意図的に儲けを隠したいわゆる“脱税”の場合に、どんな罰金が掛かってくるのかについて考えます。また、一口に脱税といっても、実際の儲けより少ない金額で申告して誤魔化している場合(=過少申告加算税)や、全く申告せず=無申告で儲けを隠している場合(=無申告加算税)等、その悪質さの程度も変わってきます。
そして、その脱税のしかたについても、「二重帳簿の作成、売上除外、架空仕入・経費の計上、棚卸資産の一部除外等」の事実の隠蔽や、「取引の他人名義の使用、虚偽答弁等」の事実の仮装があった場合には、より悪質なものとして、さらに重い罰則(=重加算税)に代えられます。

脱税の罰金はどれくらいになるのか?

いったいいくらの追徴となるのでしょうか。話を単純にするため、本来の税金を地方税まで含めて税率30%とします。
(1)所得を少なく申告した場合
本来の税金30%+重加算税30%×(35%+過去5 年内重加算税あり10%)→43.5%。
(2)無申告の場合
本来の税金30%+重加算税30%×(40%+過去5 年内重加算税あり10%)→45%。
悪質な脱税では本来納めるべきであった税金の最大1.5 倍にもなってしまいます。
また、延滞税が年7.3%で課せられます。さらに、給与等の源泉税が悪質な不納付の場合、35%+10%の重加算税も発生します。