年: 2025年

親の自宅を子が リフォームした時の課税

親の自宅を子が リフォームした時の課税

親の自宅を子が リフォームした時の課税

 親の自宅をリフォームするときに、子が工事代金を負担すると、建物は親の所有物であるため、贈与税が課税されます。

リフォーム部分の所有権は親に帰属する 

民法には不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する取扱いがあります。「従として付合した」というのは、不動産に付着しているものをいい、子が工事代金を負担したリフォーム部分は建物本体に付着しており、分けることはできないので、そのまま親の所有物となって贈与関係が発生することになります。 

子の受けた損失を建物の持分で代物弁済 

しかし、贈与課税を発生させない方法があります。親が負担すべき工事代金を子が負担したにもかかわらず、リフォーム部分の所有権は親のものとなったのですから、子は自身の受けた損失に見合う償金を親に請求することができます。

一方、親にリフォーム工事代金を支払う資金がない場合は、子の償還請求に対し、工事代金の支払債務の返済を金銭の代わりに建物所有権の持分を子に代物弁済として移転させます。この場合、代物弁済を受けることについて、債権者である子の承諾が必要になります。

代物弁済には譲渡所得税が課税される 

代物弁済は譲渡所得の対象となる資産の譲渡として扱われるので、譲渡所得税の課税対象となります。代物弁済により消滅する債務金額を収入金額とし、建物の取得価額を控除した残額が譲渡所得となります。

そこで代物弁済により消滅する債務金額と等価となる建物持分を子に移転させることによって、譲渡所得がゼロとなり、課税を回避することができます、例えば、リフォーム前の建物時価を300万円、リフォーム工事代金を1,200 万円、リフォーム後の建物持分の移転割合を 80%(1,200 万円÷(300万円+1,200万円))に設定すると、譲渡所得はゼロとなり、課税されません。 

・収入金額=代物弁済する債務額1,200万円 

・取得費=(300万円+1,200万円)×80%  =1,200 万円 

・譲渡所得金額=収入金額-取得費=ゼロ (短期譲渡・長期譲渡ごとに区分計算する)

リフォーム前に親から建物の贈与または譲渡を受けておくことも可能です。
なお、居住用財産を他の者と共有とするための譲渡、親子間の譲渡には、3,000万円控除や軽減税率の特例は適用されません。 

最低賃金全国平均時給1,121円

最低賃金全国平均時給1,121円

最低賃金全国平均時給1,121円

全国加重平均66円上げ過去最大 

中央最低賃金審議会で賃金引き上げ額が全国加重平均は24年度実績から66円引き上げ時給1,121 円で決まりました。現在の1,055 円から上昇率6.2%と金額、率とも過去最大規模のアップです。引き上げは23年連続で、目安以上の引き上げがされて全ての都道府県で1,000円を超えています。

発効日は2025年10月ですが、今年は半分以上の府県は11月以降になります。

中小企業の経営には生産性の底上げが急務 

中小企業者に対し日本商工会議所が2025年1 月~2 月に行った調査では、最賃上げ対策としては「設備投資等人件費以外のコスト削減」(39.6%)「残業時間・シフトの削減」(31.3%)となっていました。引き上げに見合う経営体力が伴わなければ、高い賃金を提示されても重荷となり人材採用、雇用維持ができず地域経済がしぼむリスクもあります。 

労働政策研究・研修機構が実施した調査では最も低いパート賃金が「最低賃金の10%以上上回る」と答えた企業は26.7%しかありません。社会保険料がかかり始める「106万円の壁」に達する人も増えていくでしょう。 

最低賃金の近くで働くパートやアルバイトは多く、基準となる金額の引き上げで社会保険料がかかり始める人が増えてきます。社会保険料の支払いを回避して働き控えをする人も一定数います。最低賃金の引き上げが人手不足に拍車をかけることにもなりかねません。 

準備期間は限られている 

例えば、最低賃金で1日8時間、21日働くパートの場合、1,055 円×8H×21 日=177,240 円だった月給が1,121円×8H×21日=188,328 円となり、差額は月11,088円、年間で約13万円超の増加です

ある飲食店の対応策例では、 

・ピーク時間のみ勤務の「短時間勤務に」切り替え 

・夕方以降の清掃を外注に切り替え 

・接客業務のセルフ化、タブレットの活用 

・売上げが少ないメニューの廃止  等 

時給制社員の最賃改定後の賃金シミュレーション、人件費総額の影響試算、不採算業務の作業の洗い出しなどで作業の見直し等をしてみましょう。

被相続人の家屋が未登記の場合 -相続空き家の特例-

被相続人の家屋が未登記の場合 -相続空き家の特例-

被相続人の家屋が未登記の場合 -相続空き家の特例-

空き家の特例は旧耐震の建物解消が目的

相続空き家の特例は、相続等で取得した被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等を売却した場合、一定の要件を満たすときは、譲渡所得金額から3,000万円(相続人が3人以上の場合は 1 人2,000万円)までを控除できる制度です。

この特例は、昭和56年5月31日以前に建築された「旧耐震基準」の建物の約半数は耐震性がないものと推計されることから生活環境の悪化を防ぐため、相続人の売却の際、譲渡所得に課税上の優遇措置を設けて空き家の解消を図ろうとするものです。

したがって、この特例を利用しようとする相続人は、被相続人の居住用家屋が「旧耐震基準」の時期に建築されていたことを証明しなければなりません。しかし、その居住用家屋が未登記であった場合には登記事項証明書が存在しないため、代替的な書類の取得が必要になります。

未登記の被相続人居住用家屋の代替書類

未登記の建物に相続空き家の特例の適用を受けようとする場合、確定申告書に添付 する書類は、譲渡所得金額の計算明細書に加え、次の書類で代替させます。

<要件1.被相続人から相続等によって取得したものであること> 

  遺産分割協議書の記載内容から被相続人の建物を取得したことが確認できます。 

<要件2.昭和56年5月31日以前に建築されたこと> 

  建物の建築確認済証、検査済証、建築請負契約書で建築年月を確認できます。 

<要件3.区分所有建物登記がされている建物でないこと> 

  固定資産税の課税明細書、評価証明書、固定資産課税台帳に区分所有建物の記載がないことで確認できます。

「被相続人居住用家屋等確認書」の添付

 この他、相続開始直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったことを証明するため、建物が所在する市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受け、申告書に添付する必要があります。

未登記の建物であっても被相続人がそこで暮らしていたことを証明しなければなりません。建物を除却する場合も登記のある建物と同様、除却工事の請負契約書、取壊し後、更地の日付入り写真を提出します。

意外に準備に苦労するのが電気・ガス等の使用中止日を確認できる書類です。早めに対応して漏れがないようにしましょう。 

夫婦で共有する居住用 マンションの譲渡所得

夫婦で共有する居住用 マンションの譲渡所得

夫婦で共有する居住用 マンションの譲渡所得

マンション市場は海外からの投資を呼び込み、空前の価格高騰を引き起こしています。不動産経済研究所の公表する2025年2月分の不動産価格指数は、211.8(2010年平均=100)、この15年で2倍以上となり、この機会に自宅を売却する人もいます。

譲渡所得に課税 

不動産の保有期間中のキャピタルゲインは売却によって実現し、その収入金額は担税力を生むので、譲渡所得に課税されます。 

譲渡所得は、売却による収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて算出します。取得費はマンション取得時の購入価額、印紙代、購入手数料、登記費用など。譲渡費用は売却時の仲介手数料、印紙代などです。

居住用は譲渡所得から3,000万円を控除 

居住用不動産を売却すると新たに居住用不動産を購入する資金が必要となり、売却によって得た担税力が減殺されてしまいます。そこで居住用不動産の譲渡所得から3,000 万円を控除する制度があります。

この制度は夫婦で共有するマンションを売却する場合にも、一定の要件を満たせば適用され、それぞれの所有持分に応じて譲渡所得から共有者一人につき3,000万円まで控除が行われ、税額を圧縮できます。

3,000 万円特別控除の主な要件 

3,000 万円特別控除は、現に自分が住んでいる家屋の譲渡、家屋とその家屋の敷地の用に供されている土地等の譲渡、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12 月 31 日までの家屋・土地等の譲渡などに適用されます。 

また、譲渡した年の前年、前々年に、既にこの3,000 万円控除の特例等を受けている場合は、この特例は適用されません。

住宅ローン控除は入居した年、その前年、前々年に3,000 万円控除の特例を受けた場合には適用されません。なお、住宅ローン控除を受けた物件を譲渡した場合、その物件に3,000 万円控除の特例は適用されます。その他の要件は国税庁のタックスアンサー等で確認できます。

所有期間10年超は、更に軽減税率を適用 

売却した年の1月1日において所有期間が 10 年を超える居住用不動産で国内にあるものを売却する場合、3,000万円の特別控除額を差し引いた後の長期譲渡所得に軽減税率が適用されます。長期譲渡所得金額6,000 万円以下の場合、所得税率 10%(通常15%)、住民税率4%(通常5%)が適用され、負担が更に軽減されます。 

駐車料金ではなく、警察手数料? パーキング・チケットの消費税

駐車料金ではなく、警察手数料? パーキング・チケットの消費税

駐車料金ではなく、警察手数料?
パーキング・チケットの消費税

パーキング・チケットは「警察手数料」 

インボイス制度が導入され、しばらく経った頃、「パーキング・チケットは、インボイスが出ない」と話題になりました。繁華街にある道路などの指定された駐車枠内に車両を停め、発給設備に硬貨を入れて、チケットを受け取っているので、てっきり「駐車料金を支払っている」と思っていた人が多いのではないしょうか。警視庁のHPによると「警察手数料(行政手数料)なので消費税は非課税」とのことです。 

消費税が非課税となる行政手数料とは? 

消費税が非課税とされる行政手数料とは、法令に基づき、国や地方公共団体などが徴収する次のような手数料を言います。 

登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付 など 

このような手数料は、支払側に選択の余地がなく、税金によってまかなわれるべき行政サービスの費用分担の性格を有するため、消費税を課さないこととされています。

道路法・道交法のルールと消費税

道路に関しては、道路の整備・管理に関する法律である「道路法」と、道路を利用する際の行動・ルールを定めた法律である「道路交通法(道交法)」の規制があります。前者は国交省、後者は警察庁の所轄です。 

道交法のいう「道路」とは「一般交通の用に供する道」ですから、交通を妨害するような方法で物をみだりに置く等は許されていません。本来の用途に即さない特別な使用をするときは、「道路使用許可」が必要とされます。道路工事、工作物の設置、屋台の出店、道路を利用したイベント行事などを行いたいときは、道路許可の申請を行います。この時の警察に支払う手数料は非課税となる「行政手数料」です。また、道路を占有するときは、道路法により道路管理者に「道路占有料」を支払います。こちらは、「土地の貸付け」として非課税となります。

「時間制限駐車区間」の駐車を認めるもの 

パーキング・チケットの発給設備は、いずれも道交法の「時間制限駐車区間」にあります。この区域では、道路標識や案内板に表示している時間帯に限り、60分以内に駐車をすることができます。指定された駐車枠内に用法を守って駐車していない場合には、駐車違反となります。その場所での手数料ですから、「道路使用許可の支払」という性格が強いということなんでしょうね。

蛍光灯は再来年でおしまい LED取替工事の取扱い

蛍光灯は再来年でおしまい LED取替工事の取扱い

蛍光灯は再来年でおしまい LED取替工事の取扱い

蛍光灯は令和9年にメーカー製造中止に 

いよいよ、一般照明用の蛍光灯(蛍光ランプ)が令和9年(2027年)12月をもって、製造中止となります。これは、令和 5 年(2023年)の国際会議での合意を受けたものです。蛍光灯は、廃棄処分を適切に行わないと、水銀が放出されます。そのため、環境や健康への配慮から製造・輸出入が禁止とされました。既に使用している製品の継続使用や在庫の売買・使用を禁止している訳ではありませんが、事業者においては、計画的な更新が望まれます。 

工事が不要なケース、必要なケース

たまに「LEDランプ取付けは工事不要」とも耳にします。一般家庭では、「引掛けシーリングローゼット」という角型や丸型の配線器具が天井に設置されています。この場合、LEDの照明器具をそのまま取り付けることができます。

一方、工事が必要となるのは、オフィスで用いられている蛍光灯器具に「安定器」が取り付けられている場合などです。この場合、LEDをそのまま使うと、安定器に直接電流が流れてしまいますので、「バイパス工事」が必要なケースがあります。また、直接配電を触らないと交換できないものは配電工事が必要です。LEDをそのまま使うと、節電効果が得られない、あるいは、漏電や火災の原因にもなる場合が出てきますので、日本照明工業会は、規格に準拠した器具交換を推奨しています。 

LED取替工事は「修繕費」でOK 

LEDランプの取替えについては、随分前から国税庁HPでも「修繕費として差し支えない」との見解が示されています。

一般に、固定資産の修理・改良のために支出した金銭のうち、固定資産の価値を高め、耐久性を増すものは、資本的支出として資産計上しなければなりません。蛍光灯からLEDに取り替えれば、節電効果や使用可能期間の延長が期待されます。

ただ、LEDは、照明設備(建物附属設備)がその効用を発揮するための一つの部品にすぎず、その部品の性能が高まったことだけで、建物附属設備としての価値が高まったとまでは言えません。そのため、法人税や所得税では、修繕費として処理して構わないという取扱いとなっています。

税金よもやま話 住民税額は地域によって違う?

税金よもやま話 住民税額は地域によって違う?

税金よもやま話 住民税額は地域によって違う?

税理士にあまり馴染みのない個人住民税 

税金には国税と地方税があり、個人住民税は都道府県・市町村の住民に課税するものです。身近な行政サービスは市区町村や都道府県によって提供されているものが多く、地方税はそのサービスをまかなうためのお金です。会計事務所目線で個人住民税の印象を申し上げますと、年末調整では所得税、確定申告でも所得税、と所得税のことばかりを扱い、個人住民税は所得税の所得を基に「役所がほぼ自動的に計算してくれるもの」ですから、あまり馴染みがないのが正直なところです。 

この個人住民税の「均等割」や「所得割」については、自治体が税額や税率を設定できるのをご存じですか?

均等割の超過課税 

均等割とは所得が非課税限度額を上回る方に負担を求めるものです。身近な行政サービスをまかなうという性格上、個人住民税の基礎的なものとしての位置づけのため、所得が多い人ほど多く払う性質の所得割とは異なり、定額の負担となっています。標準税率(年額)は年間で市町村民税が3,000円、道府県民税が1,000 円ですが、実際には国税の「森林環境税」が1,000 円上乗せで徴収されます。 

基本は4,000 円となっていますが、条例等による府県や市独自の上乗せを行う自治体が多数あります。主に森林や水源等の自然環境を守る名目で上乗せ徴収が行われていますが、神戸市は少し特殊で「認知症神戸モデル」という、認知症の診断助成や事故救済などの費用負担のため、個人市民税均等割額を年間400 円上乗せして徴収しています。

所得割の変更

所得に対する税額についても、条例により税率を変えることが可能です。有名なのは名古屋市で、標準税率は8%ですが、条例により7.7%へと減税されています。

税額だけを見ることなかれ

税額が異なるからといって一概に良し悪しは言えず、例えばごみ袋の値段や粗大ごみの回収費用等にも自治体間で地域差が存在します。治安の良さ・病院へのアクセス・交通の利便性など、歳出面での格差の方がむしろ目立つ昨今ではないでしょうか。

実感できない? 年収の壁引上げを感じない理由

実感できない? 年収の壁引上げを感じない理由

実感できない? 年収の壁引上げを感じない理由

103 万円から160万円になるのに 

 「年収の壁」とは所得税や社会保険加入が必要になる年収のことを指しており、今までだと「103万円の壁」と言えば所得税が課税になるラインのことでしたが、令和7年度税制改正で、基礎控除と給与所得控除の引上げが行われることとなり、今年は「160万円の壁」になるようです。 

所得税がかかり始めるラインが上がるだけでなく、今までよりも所得税額が下がるという効果ももちろんあります。ただ、給与収入のある方の中には、今年に入っても「あれ、手取りは別に増えていないな……」と不思議に思っている方がいらっしゃるかもしれません。

発表イコール開始ではない 

 年末年始に103 万円の壁崩壊のニュースが皆さんの目にとまったのは「税制改正大綱」という「来年こういう風に税制をかえたいんです」という与党の発表があったからです。ただ、発表があったからといって即時にその法案が成立するわけではありません。国会に法案を提出し、それが可決されなければ税の制度は変更できません。 

法案が可決されれば「今年 1 月から160万円の壁にする」という遡及が行われるわけですが、源泉徴収する金額も法によって定められていますから、年末年始の発表の時点から「じゃあ年始から源泉徴収する金額を減らそう」と変更するわけにもいきません。今年初頭からの制度変更はできないのは税制改正大綱でも織り込み済みで「源泉徴収税額については令和8年1月から変更します」と記載されています。よって今年の月々に徴収される所得税の額は、去年ベースで計算されたものとなります

年末調整で戻る税金が多くなる 

 給与収入や社会保険料控除等の基礎控除以外の所得控除の額が変わらないという前提で考えてみると、今年は去年よりも「(定額減税を除けば)源泉徴収で過剰に所得税を取られている状態」になっているため、今年の年末調整で戻ってくる税額が多くなります。去年の定額減税のような、年途中での減額の方が見栄えもするし良かったのでは、という声もちらほら聞こえます。 

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても 経費になるの?

領収書が無くても経費にはなります 

税務署への証明資料という観点からの領収書とは、払った事実を証明するための物ですから、払った事実が証明できれば、いわゆる「領収書」は、無くても良いのです。

そう聞くと「おや?」と思われるでしょうが、皆さんがよく使われる銀行の振込によって金銭等を受領した時には、領収書を作成しない場合がありますよね。なぜ作成しないかと言えば、支払った側から要求されないからです。なぜ支払った側が要求しないのかと言えば、銀行振込の場合は領収書が無くても、その支払の事実は証明できるからです。 

ただし、支払った側から要求された場合は領収書を発行しなければなりません。

交通費などはどうするの? 

新幹線などは領収書がもらえますが、少額の電車やバスの運賃はまず領収書はもらえません。Suica(スイカ)等の交通系電子マネーはチャージした時に領収書はもらえますが、今では電車やバスだけでなくほとんどの支払いに使えますので、チャージした領収書をもって交通費にはできません。

電車賃やバス代等は日報のようなものに、金額とどこへ行ったのかを記録しておく必要があろうかと思います。

交通系電子マネーは各社利用履歴を閲覧等可能ですが、例えばJR東日本のSuicaの場合はモバイルアプリや会員メニューサイトですと26週以内かつ最大100件までしか確認できませんから、経費精算や記帳に利用する場合は履歴をこまめに取るように心がけましょう。 

お祝いや香典はどうするの? 

いわゆる慶弔費ですが、慶弔費については、招待状や礼状を保管しておけば、社会通念上(常識的に)妥当な金額であれば領収書等がなくても、通常支払の事実の証明までは求められません。

また、結婚式やお葬式などに参加する際に、会場への移動や宿泊が必要となった場合は、この交通費や宿泊費も経費として処理が可能です。宿泊費が発生する場合などは、きちんと領収書をもらうようにしましょう。 

戸籍謄本の取得とマイナンバー カード(コンビニ取得は便利です)

戸籍謄本の取得とマイナンバー カード(コンビニ取得は便利です)

戸籍謄本の取得とマイナンバー カード(コンビニ取得は便利です)

2024 年12月従来の健康保険証が不発行に 

政府によるマイナンバーカードを利用することを基本とする仕組みにより、従来の健康保険証は、2024 年12 月2日以降新たに発行されなくなりました。また、マイナンバーカードと運転免許証及び運転経歴証明書の一体化が令和7年3月24日(月曜)から開始されます。 

マイナンバーカード利用促進の仕組みが次々と実施されていますが、実際にマイナカード利用で便利になったと実感できるものはあったでしょうか? 

戸籍謄本等の広域交付

戸籍法の一部改正に伴い、戸籍謄本等の広域交付が令和6年3月1日から始まっています。これまで本籍地の自治体のみでしか戸籍謄本等を請求できませんでしたが、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できるようになっています。 

とはいえ、実際には、市区役所の出張所などでは対応しておらず、本庁舎のある所にまで行く必要があったり、事前予約が必要だったり、さらに手続きをしても書類の入手にも1週間程度かかるなど、まだまだ便利な広域交付とは言い難いのが現状です。

現段階では、本籍地の自治体まで出向くか、郵送取得の方が、簡単で便利です。

コンビニの「証明書交付サービス」が便利 

これまでも住民票や印鑑証明書などは、マイナンバーカードを使ってコンビニエンスストアのキオスク端末(マルチコピー機)から取得できるサービスがありました。 

今般の広域交付により、本籍地を置いてある自治体がこの仕組みに対応している場合、事前登録をすれば、全国のコンビニのキオスク端末で戸籍謄本(抄本)が取れるようになりました。 

ただし、はじめて使う時は事前登録が必要で、登録してから本籍地のある自治体での承認事務作業に5営業日は待たなければならないのですが、いったん登録されると、自治体窓口で取得するのと同じ手数料で入手できます。交通費や郵便代などもかからないので、こちらのマイナカード利用はとても便利といえます。 

住民税の特別徴収の納付についても当初は対応できない自治体も多かったのですが、今では全国の自治体で対応しています。戸籍謄本の広域交付も全国の自治体に一気に広がるようになるものと期待しています